著者
沢村 信一
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.231-237, 2011-06-05
参考文献数
18

現代の抹茶は,微細に粉砕され,滑らかな食感である。このように微細になったのは,茶の栽培技術や粉砕道具の発達を考慮すると近世になってからと考えられる。粉砕の面から抹茶を4期に分けて再現し,その粒度を測定し味の評価を行った。薬研で粉砕した2種類の抹茶は,粒度が粗く,ざらつきを感じた。味は,強い苦味を感じた。2種類の茶臼で粉砕した抹茶は,微細に粉砕され,滑らかな食感であった。味は,まろやかでうま味を感じた。
著者
池田 博子 園田 純子 沢村 信一
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.56, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】抹茶は用いる道具によって液の動きが左右され起泡に影響するといわれる.道具としての茶筅に続き,今回は茶碗の形状について検討した.抹茶茶碗は形や土の種類,釉薬の有無,文様等の違いにより種類も豊富である。茶碗が起泡性に影響する因子としては茶筅の振りやすさ,すなわち形と内側の感触が大きいと考えられる.そこで,抹茶茶碗の形と材質を変えてそれらが起泡に及ぼす影響について検討した.【方法】使用した抹茶茶碗は胴の形態から井戸形,碗形,筒形とし,各々について釉薬の有無,焼成温度(1226℃,1253℃),土の種類(西条土,さつま白土)を変えた15種類とした.起泡試験は抹茶茶碗に抹茶1gと80℃の温湯50mlを加え,400回/分の速度で30秒間起泡し,起泡終了60秒後に泡沫容積および膨張率を測定した。起泡試験は各5回行った.【結果】抹茶の起泡に大きく影響するのは釉薬の有無と茶碗の形であった.釉薬の有無については,釉薬有の茶碗を用いたものは釉薬無の茶碗に比べて泡沫容積および泡膜液容積は多く,西条土,さつま白土ともに井戸形・碗形・筒形茶碗いずれについても,釉薬の有無間に(P<0.01)で有意差が認められた.また,茶碗の形によっても起泡は異なり,井戸形茶碗と碗形茶碗は筒形茶碗に比べて泡沫容積はかなり多く,井戸形茶碗と筒形茶碗,碗形茶碗と筒形茶碗ではそれぞれ(P<0.01)で有意差が認められた.茶碗の形により液の深さや振幅の長さが異なり,その違いが起泡に影響しているものと考えられる.また,井戸形茶碗と碗形茶碗では,釉薬有の場合井戸形茶碗の方が泡沫容積は多い傾向がみられた.焼成温度や土の種類については,特に影響はみられなかった.
著者
沢村 信一
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.231-237, 2011 (Released:2014-06-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

現代の抹茶は,微細に粉砕され,滑らかな食感である。このように微細になったのは,茶の栽培技術や粉砕道具の発達を考慮すると近世になってからと考えられる。粉砕の面から抹茶を4期に分けて再現し,その粒度を測定し味の評価を行った。薬研で粉砕した2種類の抹茶は,粒度が粗く,ざらつきを感じた。味は,強い苦味を感じた。2種類の茶臼で粉砕した抹茶は,微細に粉砕され,滑らかな食感であった。味は,まろやかでうま味を感じた。
著者
沢村 信一 伊藤(中野) 恵利 加藤 一郎
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.93, pp.19-25, 2002-06-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
5

1) 荒茶の一般生菌数は,他の茶類(鳥龍茶・紅茶)と比較して多いことがわかった。蒸熱工程を含む緑茶特有の製造工程に起因しているものと思われる。2) 荒茶の一般生菌数を製茶法別に比較すると,深蒸し茶が普通煎茶より多い傾向にあった。深蒸し茶製造工程中の送帯式蒸機での一般生菌の残存と葉打ちから中揉にかけての二次汚染が原因と考えられる。3) 荒茶工場内の製茶工程毎に茶葉をサンプリングした結果,蒸機の種類により違いが見られた。送帯式蒸機の方が網胴回転撹拌蒸機より一般生菌数が多い傾向にあった。
著者
沢村 信一
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.231-237, 2011

現代の抹茶は,微細に粉砕され,滑らかな食感である。このように微細になったのは,茶の栽培技術や粉砕道具の発達を考慮すると近世になってからと考えられる。粉砕の面から抹茶を4期に分けて再現し,その粒度を測定し味の評価を行った。薬研で粉砕した2種類の抹茶は,粒度が粗く,ざらつきを感じた。味は,強い苦味を感じた。2種類の茶臼で粉砕した抹茶は,微細に粉砕され,滑らかな食感であった。味は,まろやかでうま味を感じた。
著者
沢村 信一 加藤 一郎 伊藤 恵利
出版者
[出版者不明]
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
no.96, pp.57-62, 2003-12 (Released:2011-03-05)

荒茶の微生物数を低減化させるために、4つの観点に注目して調査を実施したところ、以下の点が明らかとなった。1)生葉の洗浄によって、約50%の一般生菌数の減少が認められたが、効果的な除菌方法とは言えなかった。2)蒸熱時間を長くすることによって、荒茶の一般生菌数は減少したが、茶の品質に与える影響が大きく、適切な処理方法とは言えなかった。3)乾燥機における茶温の積算温度あるいは、最高温度と一般生菌数に比較的良い負の相関が得られたことから、乾燥機の適切な温度管理が重要であることが明らかとなった。4)製造日毎の二次汚染状況の調査において、一番茶・二番茶では、一般生菌数の多い工場があった。これは、製茶機械内部に茶葉が付着・蓄積し、そこで微生物が増殖するためと思われる。よって、日々の清掃を重視することによって、荒茶の一般生菌数が低減化することが明らかとなった。
著者
沢村 信一 原口 康弘 池田 博子 園田 純子
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.304-309, 2010-07-15 (Released:2010-09-01)
参考文献数
8
被引用文献数
3 9 3

(1) 石臼抹茶,ボールミル抹茶,粗粉抹茶の中位径は,15~20μm,最大径は50μm以上であり,微粉抹茶,ジェットミル抹茶の中位径は,5μm以下,最大径は10μm以下であった.(2) ジェットミル抹茶の円形度は,石臼抹茶,ボールミル抹茶と比較して高く,円形度の違いが伸展性試験や流動性に影響を及ぼしていると推測された.(3) 伸展性試験は,粒度の微細なジェットミル抹茶の伸展性が粗い粒度の粗粉抹茶と比較して2倍以上良かった.また,触感においては,伸展性試験の結果以上に,微細さや粗さを感じた.(4) ジェットミル抹茶の流動性は,流動開始振動加速度が一定しており,流動速度や流量も一定であった.これに対して,微粉抹茶は流動開始振動加速度が一定せず,流動速度や流量も一定でなかった.これは,円形度が高いことに起因すると考えられる.(5) 微粉抹茶の起泡性は,粗粉抹茶と比べて非常に優れていた.泡沫の起泡性向上や安定化には,粒子が微細であるとこが重要であることが分かった.
著者
沢村 信一 原口 康弘 安田 正俊 松坂 修二
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.103-107, 2009-02
被引用文献数
4

抹茶の流動性試験の結果をまとめると以下のようになる.(1) 石臼抹茶,ボールミル抹茶,微粉抹茶の流動開始振動加速度はほぼ同じであった.粗粉抹茶は,流動を開始するのに強い外力を要した.(2) ボールミル抹茶は,流動開始振動加速度と終了加速度が近接しており,非常に流動性が良かった.(3) 石臼抹茶は,帯電しやすく流動性は低かった.帯電は湿度と関連しており,抹茶を取り扱うときはある程度の湿度を保つ方ことで流動性が良くなる.(4) 抹茶は帯電制御によって流動性が向上するので,抹茶を扱うプロセスには除電設備を備えるのが望ましい.(5) Carr流動性指数では,粉砕方法の異なる抹茶の差は小さかったが,本粉粒体流動性試験装置を用いることによって,抹茶の流動性の違いを明確に評価できた.; Matcha, powdered green tea, is difficult to handle in the factory or manufacturing facilities due to its small particle size and low density. In the present study, the powder flowability properties of various matcha samples were investigated using a dynamic powder flow tester with high detection sensitivity to facilitate machine handling during matcha manufacturing. The sample powders were prepared from tea leaves picked during different seasons (i.e. the first, second, third, and fourth crops) using a stone mill or ball mill. Matcha ground with the electrostatically charged stone mill showed poor flowability, whereas that ground with the ball mill showed fairly good flowability. The fine and coarse powders classified after ball-milling had different characteristics. Furthermore, it was found that the electrostatic discharge of matcha can improve flowability, depending on humidity.
著者
池田 博子 園田 純子 沢村 信一
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.435-439, 2007-12-20
被引用文献数
2

米,茶葉,水および油脂がブクブクー茶の起泡性に及ぼす影響を調べ,次のような知見を得た。起泡性に大きく影響するのは米で,米(米湯)の量は多いほど,焙煎程度は高いほど泡立ちやすくなる。しかし,米の種類は起泡性にほとんど影響しない。茶葉の種類や濃度,水は起泡性にほとんど影響しない。油脂は微量でも起泡性を著しく阻害する。