著者
河野 修一 江崎 次夫 原 浩之 村上 博光 木原 辰之 中山 累 寺本 行芳 金 錫宇 全 槿雨 松本 淳一 土居 幹治 村上 尚哉
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.119-122, 2020-08-31 (Released:2020-12-25)
参考文献数
4

集中豪雨で山腹斜面が崩壊した跡地に施工された筋工の平坦部に3年生のヒノキを植栽する際に,活着率の向上とその後の旺盛な成長を期待して,植え穴に「くらげチップ」約100 gを施した。10年後の施用区の樹高は722 cm,根元直径は112.2 mmあった。これに対し,無施用区のそれらは,それぞれ547 cm,84.8 mmであった。施用区と無施用区との間に枯損率,樹高および根元直径共に,0.1%レベルの有意差が認められた。このような相違が認められたのは,土壌改良材の持つ水分保持能力と分解後の栄養分が効果的に作用したことによるものと判断された。しかし,樹高と根元直径の伸長率は10年目で,ほぼ0に近い値となり,その効果の持続期間は10年程度と考えられた。
著者
河野 修三 別府 理智子 酒井 憲見 白日 高歩
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.1302-1306, 2006-06-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
27
被引用文献数
3 3

(症例1) 51歳,男性.腹痛にて救急搬送された.絞扼性イレウスを疑い緊急手術を施行したが, Treitz靱帯より270cm肛門側の小腸に腸内容物による閉塞が判明した.用手的に肛門側へ異物の移動を試みたが,困難であり切開をいれイレウスバッグを挿入し大量のピーナッツ片を認めた. (症例2) 43歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に来院.問診, CT画像にてピーナッツによる食餌性イレウスを疑い手術を施行.回腸末端より180cmの小腸が腹壁に癒着しており,同部から口側の腸管拡張あり豆のようなものを透見した.癒着剥離後,用手的に結腸まで移動させた.イレウス症例に対するCT画像で,含気を有する液体像を認めた場合はピーナッツによるものも念頭におく必要があり,加えて詳細な問診が有用であると考えた.
著者
江崎 次夫 河野 修一 枝重 有祐 車 斗松 全 槿雨
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.195-198, 2008 (Released:2009-04-10)
参考文献数
1
被引用文献数
8 14 5

エチゼンクラゲやミズクラゲ等のクラゲ類の高い吸水性の成分と栄養分に着目し,これらを脱水,脱塩,乾燥して荒廃地,山火事跡地,各種のり面および海岸砂丘地などの土壌地改良材として活用する手法を開発した。アラカシについては2年間,クロマツおよびチガヤについては1年間,ポットでの施用実験を行った結果,苗長,根元直径および葉数などに無施用との間に0.1 %レベルで有意な差が認められ,その有効性が確認された。
著者
稲本 亮平 田中 健一 竹波 信宏 松本 淳一 土居 幹治 藤島 哲郎 河野 修一 江崎 次夫 全 槿雨
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.162-165, 2013 (Released:2014-04-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1 3

エチゼンクラゲや食用クラゲなどのクラゲ類を脱塩・乾燥しチップ化したクラゲチップは,自重の約 8 倍の水を吸収するという保水性に優れ,保水機能の低下後は微生物などによって分解され,化学肥料並みの窒素含有量を含むなど肥料効果が認められる。さらに製材の際にでるオガクズも分解のやや遅い有機質の保水材として着目し,この両者の保水性と遅効性の肥料効果を活かして種子吹付工の資材に組み込んだ有機緑化資材を開発した。林道切取りのり面での半年間の実験の結果,植生の発芽や生育状況が無施用区に対して,有意な差を示し,その有効性が確認された。今後,周辺環境に対する負荷の少ない有機質のり面緑化用資材としての活用が期待できる。
著者
河野 修三 下田 忠和 飯野 年男 二階堂 孝 梅田 耕明 桜井 健司
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.72-76, 1995 (Released:2011-06-08)
参考文献数
18
被引用文献数
2 3

症例は68歳の女性. 平成5年7月に左鼠径部の有痛性腫瘤を主訴に来院し, 大網のヘルニア嵌頓の診断にて手術を施行した. ヘルニア嚢には3×2cmの腫瘤を認め, 同部を切除した. 病理検査の結果が転移性腺癌であったため, 生殖器および消化器の精査を行い諸検査で異常所見を認めなかったため, 腹腔鏡検査に引き続き, 開腹手術を施行した. 大網には多発性散在性に瘢痕様病巣が存在したので大網網嚢切除を施行した. 大網およびヘルニア嚢腫瘤の病理組織学的検査から腹膜原発漿液性乳頭腺癌と診断した. ヘルニア嚢に悪性腫瘍を発見することはまれなことである. 腹膜原発の漿液性乳頭腺癌は比較的まれな疾患であるが, 腹水貯留による腹部膨満感や腹部腫瘤触知により診断されることが通常である. ヘルニア嚢の腫瘤より同疾患が診断された報告はほかになく, 非常に興味深い症例と考えた.
著者
韮澤 融司 伊藤 泰雄 薩摩林 恭子 田中 裕之 坪井 美香子 河野 修一
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.285-289, 1996-04-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
12

肥満児では正常な大きさの陰茎が脂肪組織のため短小に見えることがあるが,この場合には外科治療の必要はない.一方,埋没陰茎は陰茎海綿体が埋没し,真性包茎を合併しているため正常な陰茎皮膚が形成されておらず外科治療の対象となる.過去6年間で45例の包茎手術を行い,そのうち10例か埋没陰茎を合併していた.これらの症例に対し包茎の手術後,陰茎の背側に Z字型切開,腹側に U字型切開を加え,陰茎と腹壁の間の線維性索状物を完全に切離した後,陰茎を体外に牽引しつつ背側は Z形成を行い,腹側の U字型切開部を Y字型に縫合することにより良好な結果を得た.埋没陰茎に対して包茎の手術のみを行ったのでは陰茎幹は形成されず将来に大きな障害を残すことになる.本法は手技も簡単であり,手術後は健常児とかわりのない外観を示し,勃起も正常となる.埋没陰茎を治療する際,包茎の手術のみにとどめず陰茎の形成も併せて行う必要がある.
著者
矢川 健吾 河野 修二 高宮 大 檜山 茂雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.61-63, 2009

授業で製作された短編映画『クラブ・ルシア』(16ミリカラーフィルム・光学録音・25分)におけるDI処理(digital intermediate process)について。銀座のクラブに勤める三人の女は、それぞれが過去と未来、そして現在に何らかのはっきりとした光と闇を抱えている。特異な存在である彼女らだが、そこには誰もが共有する普遍的なテーマが垣間見える。この映画では彼女らの移り変わる心情と、セットや情景などがリンクするよう表現した。D.I.処理を施したことでそれらの表現の幅を広げた。
著者
河野 修 芝 啓一郎 植田 尊善 大田 秀樹 森 英治 加治 浩三 弓削 至
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.291-293, 2004-03-25
参考文献数
2

Large curves between 50 and 80 degrees progress after skeletal maturity in untrated idiopathic scoliosis. In patients treated surgically for idiopathic scoliosis, curves sometime progress after removal of spinal instrumentation. Twenty-seven patients were evaluated to quantitate curve progression after removal of spinal instrumentation and identify factors leading to curve progression. Curve progressed in nine out of the twenty-seven patients. Curve progression is related to only curve magnitude, and not to correction rate, interval between operation and removal of spinal instrumentation, age, Rissers sign, type of scoliosis (adolescent, juvenile, infantile) , and spinal balance.
著者
河野 修興
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.9, pp.2163-2168, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
15
著者
菅 守隆 西川 博 安藤 正幸 田中 不二穂 赤池 孝章 坂田 哲宣 河野 修 伊藤 清隆 中嶋 博徳 荒木 淑郎
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.461-466, 1989-04-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
16

マイコプラズマ肺炎の診断は, 発症初期には困難なことが多く, 決め手となる補助診断法はない. 我々は, マイコプラズマ肺炎が細菌性肺炎と異なった免疫応答をすることに注目し, 血清中 Adenosine deaminase 活性値 (ADA) が発症初期の細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎の鑑別に有用か否かについて検討した. その結果, マイコプラズマに対する抗体価が上昇する以前の早期 (発症3~10日目) に, マイコプラズマ肺炎患者11名の血清中ADAは, 32.1±12.0U/l (63.9~18.7U/l) であり, 正常対照者の平均値±2SDである20.8U/l以上の活性値を示す患者は11例中10例であった. 一方, 細菌性肺炎患者20名では12.5±3.3U/l (4.6~18.6U/l) であり, 全例20.8U/l以下であった. マイコプラズマ肺炎患者のADAは, 細菌性肺炎患者および正常対照者に比べて有意に高く (p<0.001), 発症初期の細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎の鑑別に極めて有用であると考えられた.
著者
河野 修己
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.94, pp.58-65, 2002-04-10

"楽天王国"が突然の新料金体系導入に揺れた。本誌は電子モール最大手の楽天市場に加盟する5000店を対象にアンケートを実施し、約4分の1の1200店舗から回答を得た。集計の結果、販売額の分布や黒字店舗の比率など、これまで表に出なかった加盟店の経営実態が明らかになった。同時に、新体系導入が加盟店と楽天にとどまらず、日本のEC業界全体に与える影響も浮き彫りとなった。
著者
河野 修二 檜山 茂雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.14, pp.35-36, 2009-03-11

「Power of Ten」という映画がある。ピクニックに来た親子の写真から映画は始まりカメラの視点はそこからどんどん遠ざかり空を抜けて、宇宙にまで来て最終的には10の25乗メートル(約10億光年離れたところ)の世界までたどりつく。また一方ではどんどんその人を拡大していき、10のマイナス16乗メートル(0.1フェルミというらしい)の世界まで行きつく。解像力の高いフイルムを用いて、映画のように写真の全体像から細部まで観察したくなるような写真が撮れないかと考えた。
著者
河野 修三 小林 功 織田 豊 羽田 丈紀 大森 秀一郎 笹屋 一人 羽野 寛 山崎 洋次
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.200-204, 2000-02-01
参考文献数
18
被引用文献数
1

症例は73歳の男性.平成7年12月5日に直腸癌に対して前方切除を施行し, 平成9年8月26日には孤立性肝転移に対して肝S7を部分切除した.術中超音波検査では, 切除域に門脈浸潤などを疑う所見はみられなかった.しかし病理組織検査では, 腫瘍は長径17mmの腺癌の多発結節で, その結節は系統的に胆管の腫瘍浸潤として分布しており, 切除断端は陽性であった.平成10年7月8日に肝右葉切除, 横隔膜合併切除術を施行した.病理組織検査では, 前回の切除部位は壊死を伴い空洞状になっていて, この中に癌細胞の遺残はみられなかった.癌細胞は空洞直下の門脈域胆管内にみられ, 中枢側に向かって発育していたが, 切除断端は陰性であった.肉眼的にも認知される転移性肝癌の胆管内発育はまれである.門脈域胆管浸潤による断端陽性症例では系統的肝切除が有効である.
著者
河野 修三 羽野 寛 笹屋 一人 大森 秀一郎 山崎 洋次
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.865-869, 1999-03-01
被引用文献数
2

画像診断で肝嚢胞腺癌と同様の形態を呈した巨大肝嚢胞形成性肝内胆管癌を経験したので報告する. 症例は81歳の男性で有痛性腹部腫瘤を主訴に平成9年3月10日に入院した. 腹部CT検査で肝左葉に大きなlow density massを認めた. 造影CT検査では肝嚢胞性病変内の充実性部分と嚢胞壁が不整にenhanceされた. 肝嚢胞腺癌の診断で手術を施行した. 被膜を有する腫瘍は82×78×72mmで, 肝左葉切除により完全に切除した. 組織学的に腫瘍は壊死により大きな嚢胞を形成した肝内胆管癌と診断した. この症例は, 画像診断上も発育形式も, 肝内胆管癌としては非常にまれで, 肝嚢胞腺癌の所見と類似した所見を呈した. このような症例では組織型によって予後や治療方針が規定されるのか, 発育様式によって規定されるのかが不明であり, 今後の臨床的検討が必要である.