著者
小園 亜希 諌見 圭佑 塩田 喜美子 津曲 恭一 永野 真久 井上 大奨 安達 るい 平木 洋一 中川 義浩 神村 英利 山道 研
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.5, pp.769-776, 2016 (Released:2016-05-01)
参考文献数
27
被引用文献数
7

Falls are common in elderly patients and are often serious. Several drugs have been associated with an increased risk of fall. Older adults often take multiple drugs for chronic diseases, and thus may be at increased risk from drugs associated with fall. We investigated the association between drug use and falling in hospitalized older people, with the goal of identifying medications that may increase the risk of a fall. A retrospective case control study was performed at the National Hospital Organization Kumamoto Saishunso Hospital in Japan. Medications taken by patients who fell (n=57) were compared with those taken by patients who did not fall (n=63). The median age (interquartile range; IQR) of the fall and non-fall groups were 75.0 (67.0-83.0) and 80.0 (70.3-84.5) years, respectively. The characteristics of the two groups were similar, with no significant differences in age, sex, or body weight. The probability of falling increased when the patients used zolpidem [odds ratio (OR)=2.47; 95%CI: 1.09-5.63; p<0.05] and calcium channel antagonists (OR=0.299; 95%CI: 0.13-0.68; p<0.01), and was also related to physical factors (OR=2.27; 95%CI: 1.01-5.09; p<0.05). Elderly patients taking zolpidem may fall due to sleepiness, and blood pressure control may be important to prevent orthostatic high blood pressure. In the treatment of elderly people, medical staff should try to choose drugs that prevent fall or are not associated with falling.
著者
山下 克也 津曲 恭一 尾田 一貴 小園 亜希 田中 亮子 中村 光与子
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.141-147, 2017-05-25 (Released:2017-07-05)
参考文献数
10

現在日本では異なる抗原由来の2種類のB型肝炎ワクチンが市販されている.通常1回のシリーズ(6か月間に3回接種)では同じ製品が使用されるが,1シリーズ中に異なる抗原由来のB型肝炎ワクチンを接種した場合の抗体獲得について検討された報告は少ない.今回,1シリーズ中に異なる抗原由来のB型肝炎ワクチンを接種した場合の抗体獲得について検討した.過去にB型肝炎ワクチン未接種であり,HBs抗体陰性が確認された被験者で,3回目を異なる抗原由来のB型肝炎ワクチンを接種した群を対象群(A群),3回全て同じB型肝炎ワクチンを接種した群をコントロール群(B群)とした.ワクチンの投与は皮下注で行い,HBsAb定量およびHBsAb定性は採血で測定し,10.00 COI以上をHBsAb陽性と判定した.有害事象は3回接種後の副反応を調査票で収集し,CTCAE Ver.4.0にて評価した.A群は9名,B群は7名であり,両群ともに全例で抗体獲得が確認された.有害事象はA群で3件,B群で1件認められたが,いずれもGrade 1であった.A,B群合わせた副反応の内訳は注射部位の疼痛3件,皮膚硬結1件であり,重篤な副反応を呈した症例はなかった.今回認められた有害事象はいずれもワクチンに共通した副反応であると考えられ,1シリーズ中に異なる抗原由来のB型肝炎ワクチンを接種しても良好な抗体獲得が得られる可能性が示唆された.
著者
津曲 恭一 長田 智子 新城 日出郎 田村 謙二 河口 朝子
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.227-232, 2009-07-24
被引用文献数
2

ハンセン病療養所である当園の入院病棟において,2008年7月,B型インフルエンザ陽性患者が1名発生した.終息宣言までの14日間の間に,合計8名の発熱,咽頭発赤,咳嗽,下痢等を訴えた患者が確認された.このうちインフルエンザウイルスキットに対し陽性反応の見られた患者は1名のみで,他の7名は陰性であった.<br>   医療関連感染症対策委員会が緊急に開催され対応策が検討された.感染源と経路の特定,感染経路の遮断による二次感染阻止,早期終息を目的とし,内科医師,看護課,検査科,医療関連感染症対策室を中心に活動した.<br>   園内の感染状況の把握,園内放送による入所者と職員への注意喚起はほぼ連日行われた.さらに,1) 手洗いの励行,2) 防護具やマスク配布,3) 集団活動(機能訓練室と食堂の使用)の制限,4) 面会の制限,が実施された.発症患者8名の平均年齢は92歳で,インフルエンザによる重症化のリスクが高く,また前年に接種したインフルエンザワクチンの効果は望めないと考えられたため,インフルエンザウイルスキットで陰性の患者全員にもリン酸オセルタミビルが予防投与された.<br>   感染経路は,外部からの持ち込み(ヒト-ヒト感染)が疑われたが,確証を得られなかった.最初の患者発症から,5日目以降は新たな発熱患者は発生せず,流行は速やかに終息した.<br>   迅速な組織的対応とリン酸オセルタミビルの予防投与が奏功したと考えられた.<br>