著者
滝 充
出版者
日本教育社会学会
雑誌
日本教育社会学会大会発表要旨集録
巻号頁・発行日
no.49, pp.117-118, 1997-10-10

彼らを見た大人の多くは、決して彼らを「好ましい」若者とは見ないであろう。黒っぽい服装、茶髪ならぬ金髪や赤髪、時には緑や青、そして、派手に隈取りをしたメイク、強引に立たせた髪。道路に座り込んでたむろし、時に奇声をあげ、あたりを走り回ることもある。未成年とおぼしき者の喫煙や飲酒。通行人は怪訝そうな顔をして遠回りし、外国人観光客はおもしろがってシャッターを切る。私が彼らと「つきあい」始めたのは、95年の11月のことである。以後、時間の許す限り、日曜の午後は原宿の「神宮橋」(彼らの用語で言う「橋」)に通い、彼らの行動を観察し、彼らの話題に耳を傾け、時には一緒に話の輪に加わり、まれには買い物につきあってみたり、といった具合に、彼らと過ごしてきた。そうした合間に、「なにげに」学校のことや家庭のこと、「橋」に来る理由等を尋ねてきた。今や、私の「橋」歴も2年近い。おかげで常連の一人になりつつあり、向うから声をかけてくれる「知り合い」も、毎日、数名はいる。とは言っても、新しく通うようになった若者とのコンタクトを図っていないこと、入れ替わりも激しいこと、等から、9割以上の若者の名前を知らない。
著者
滝 充 宮古 紀宏 立石 慎治
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

21年間(1998~2018年)の実績と蓄積のある「いじめ追跡調査」について,これからの10年、20年の社会状況の変化に対応できるように見直しと充実を図った上で,従来のデータとの比較可能性を担保できるように配慮して3年間の追跡調査を実施し,調査票の最終版を開発する。これにより,文部科学省の「問題行動等調査」との完全な対応をとるとともに,学術的ないじめ質問紙調査の基準となる調査票と,併せて,海外のbullying researchのstandardとなる調査票(日本語版・英語版・スウェーデン語版)を完成させる。
著者
頼本 維樹 滝 充 藤平 敦 中野 澄
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の計画は,4年にわたる研究期間のうち,最初の3年間は意識調査実施期間として,18年間にわたって国立教育政策研究所が実施してきた「いじめ追跡調査」と同様の意識調査を行い,最終年度に21年間の全体を通した比較分析を行うことである。また,地域や学校の実情を把握しておくために,3年間の意識調査実施期間中に教育委員会と学校への訪問調査を年に2回ずつ行うことである。意識調査については,国立教育政策研究所が実施してきた18年間にわたる「いじめ追跡調査」を引き継ぐ形で,年に2回ずつのいじめに関する意識調査を行う。意識調査で用いる調査票については,原則として従前と同じものを用いる。また,記名式でありながら匿名性を確保するために,記入後,回答者自身で封入できる封筒を準備する点も,従前通りである。なお,調査対象者についても,従前通りで,小学校4年生から中学校3年生までの市内全域の児童生徒を対象とした悉皆調査とする。本年度(30年度)は,一昨年度から既に確保済みの2地点目の調査地点と併せた2地点の調査を実施した。6月末には本第1回調査を実施し,8月中にデータ入力を済ませ,単純集計結果を各学校に返送した。11月末には,第2回調査を実施し,1月にはデータ入力と単純集計結果の返送を行った。また,この調査結果について,ギリシアのコンスタンチナ・カパリ,アメリカのロン・アヴィ・アストルを訪問し,意見交換を行った。
著者
滝 充 惣脇 宏 大槻 達也 宮下 和己 滝 充
出版者
国立教育政策研究所
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

(1)19年度末に実施した「小学校学級担任調査」では、愛知県A市の協力を得て、6つの小学校の4〜6年生の学級担任から、暴力行動等で気になる児童26名の情報を収集した。その中の6年生11名(母集団は850名あまり)に着目し、彼らが中学1年生になった20年度の変化を追跡した。2年間分のデータからは、次のような知見が得られた。(1)11名中6名については、軽度の発達障害や規範意識の未熟さ等の問題から、小学校教諭によって「暴力的」と評価された可能性が高い。必ずしも積極的に他人を攻撃しているわけではなく、行為を自制できないことで、結果的にトラブルを起こしていると見られる。(2)一方、残る5名については、ストレス症状が顕著に見られ、それがいじめ等の攻撃的な行為に向かわせている可能性が高い。中学に進学してストレス状態が緩和された場合には、暴力的な行動がなくなった事例も見られた。(3)中学校の「暴力」の把握は、後者の事例が中心となっていることからと、小学校の把握との間にズレがあることがわかった。(2)ヨーロッパの学校における暴力事情の調査からは、以下の知見が得られた。(1)欧米のbullying概念が、日本で言うところの「いじめ」と「暴力行為(校内暴力)」を明確に区別しないまま論じられている。(2)その背景にあるのは日本とは比べものにならないほど激しい「暴力行為」が日常化していること、等が分かった。
著者
滝 充
出版者
青少年問題研究会
雑誌
青少年問題 (ISSN:09124632)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.10-15, 1999-10