著者
讃井 真理 田村 和恵 平間 かなえ 浅香 真由巳 今坂 鈴江 原 ひろみ 迫田 千加子 岡本 響子 熊田 栄子
出版者
広島文化学園大学看護学部
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.22-28, 2011-09

現在,学士課程の教育及び看護系人材育成は,知識や技術だけでなく利用者のニーズに対応し,応用力のある人材を,また,自発的な能力開発を継続するための素養を育成することが求められている。今回,本学の1年次~4年次の学生とオープンキャンパスに参画した学生に,オープンキャンパスという大学行事への参加に関するアンケートを実施した。その結果,1年次生のオープンキャンパス時の入学動機では,ボランティア学生と教職員の対応,またその関係性から感じ取った大学全体の雰囲気の良さを評価していた。そして,様々な模擬体験,或は学生ボランティアや教職員との関わりを楽しさと受け止め,学ぶこと・知ることへの意欲が記述されていた。オープンキャンパスに向けた後輩への選好メッセージを,各学年別に類似している内容毎カテゴリー化した。全学年に共通した項目は,仲間および教員との関係性を示す内容と,看護を学ぶことへの充実感,後輩への励ましと応援であったが,学年によってその内容に変化が見られた。学生は他者との関わりを通して,看護職者として不可欠である人間関係を構築していることがわかった。更に,正課外活動が,学生の主体的・自主的に学ぶ機会となっており,学生が主体的に学ぶことを支援することに繋がると考えられた。
著者
讃井 真理 田村 和恵 平間 かなえ 浅香 真由巳 今坂 鈴江 原 ひろみ 迫田 千加子 岡本 響子 熊田 栄子
出版者
広島文化学園大学看護学部
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.22-28, 2011-09

現在,学士課程の教育及び看護系人材育成は,知識や技術だけでなく利用者のニーズに対応し,応用力のある人材を,また,自発的な能力開発を継続するための素養を育成することが求められている。今回,本学の1年次~4年次の学生とオープンキャンパスに参画した学生に,オープンキャンパスという大学行事への参加に関するアンケートを実施した。その結果,1年次生のオープンキャンパス時の入学動機では,ボランティア学生と教職員の対応,またその関係性から感じ取った大学全体の雰囲気の良さを評価していた。そして,様々な模擬体験,或は学生ボランティアや教職員との関わりを楽しさと受け止め,学ぶこと・知ることへの意欲が記述されていた。オープンキャンパスに向けた後輩への選好メッセージを,各学年別に類似している内容毎カテゴリー化した。全学年に共通した項目は,仲間および教員との関係性を示す内容と,看護を学ぶことへの充実感,後輩への励ましと応援であったが,学年によってその内容に変化が見られた。学生は他者との関わりを通して,看護職者として不可欠である人間関係を構築していることがわかった。更に,正課外活動が,学生の主体的・自主的に学ぶ機会となっており,学生が主体的に学ぶことを支援することに繋がると考えられた。
著者
迫田 千加子 田村 和恵 佐々木 秀美
出版者
呉大学看護学部
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.1-11, 2007-03

大正時代に発刊された『看護學教科書』を保有する94歳の元看護婦と出会ったことを手がかりに,戦前の広島県における看護婦養成の足跡を看護婦規則と関連させながら検証した。明治以降,医学の進歩と共に病院の整備が進み,それに伴い各地で看護婦の養成が始まった。広島県は,軍制基盤都市として栄え,全国に先駆けて,1893年(明治26年)日本赤十字社広島支部が看護婦養成を始め,1904年(明治37年)には呉海軍共済組合病院で看護婦養成が開始された。1915年(大正4年)国として初めての看護婦規則が制定され,無資格者による看護が規制された。そのことによって看護婦不足が生じ,東京看護婦学校などの簡易教育所による教育が隆盛した。広島県でも看護婦規則制定に伴い,看護婦不足が起き,講習会や簡易の看護教育でそれを補った。元看護婦が受けた教育は開業医で働きながら学ぶ方法であり,東京看護婦学校と類似した簡易教育であった。
著者
田村 和恵 佐々木 秀美
出版者
広島文化学園大学看護学部
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.13-45, 2012-09

本研究は,看護場面において患者が知覚する看護師の優しさを,明らかにしていくことを目的としている。今回,入院患者4名に対して,ある看護場面を想定して看護師を優しいと感じた時はどんなときであるかを,半構成的インタビューを用い質的に分析を行った。その結果,【優しい関わり合いへの期待】【傾聴的態度】【共感的態度】【個人を尊重した関わり】【理解ができる説明】【調整を図る】【水準の高いケアの提供】【専門家としての信頼】【気持ちの良い接遇】という,9個のカテゴリーが得られた。この9個のカテゴリーを検討していった結果,患者が知覚する看護師の優しさの基本となっている行為は,人と人との関わりに依拠するものであり,人間関係が基本となっており,患者は言語的・非言語的コミュニケーションによって,言わんとしている内容に対して的確に判断して,対応してくれることを期待しており,患者はそれを優しさであると受けとめていた。さらに,看護師の専門的な知識・技術に対するニーズへの期待も,優しさに深く影響を与えていた。
著者
松原 みゆき 佐々木 秀美 山下 典子 松井 英俊 岩本 由美 田村 和恵 小柳 芙美子 河野 寿美代
出版者
広島文化学園大学
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.18-23, 2004-03-27

成人看護学講座においては,初年度より看護教育及び看護の実践の場で広く適用されている,看護過程を取り入れた臨地実習を行っている。そこでは看護過程と看護技術を結び付けて学習することが必要である。看護過程の思考方法は,デューイの思考過程を看護過程に取り入れられたことに始まると言われている。そこで,平成15・16年度成人看護学臨地実習Iでは,デューイの反省的思考を取り入れ臨地実習を行い,その実施過程の報告を行った。実習方法は,原則として,土・日曜日を除き,病院での臨地実習を5日間,学内での実習(オリエンテーションと反省会を含む)5日間の内,3日間反省的思考を行う時間に当てた。その流れは,グループ毎に臨地実習を進める中で,看護過程を通して重要であると考えた看護技術を取り上げ,振り返る作業を行った。グループ毎に,なぜその技術を取り上げたのか理由を明確にして,事例を挙げて看護過程に沿ったレジュメを作成した。発表は,1グループ30分間で,実技を伴う発表と発表後学生や教員と質疑応答を行った。反省的思考を成人看護学臨地実習Iに取り入れることは,佐々木がデューイの『思考の方法』を手がかりに看護教育において「一つ一つの問題を綿密に考えていくようにしていくことが思考の訓練であり,それが学習である」と仮定している。さらに「経験をし,分析する思考態度の育成が良質の看護を提供することにつながる」ことを明確にしたい。