著者
関 奈緒 齋藤 玲子 佐々木 亜里美 田邊 直仁 岩谷 淳 岡崎 実 磯谷 愛奈 大面 博章
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は,(1)学区内の地域住民のインフルエンザ発症率と学童の発症率は強い正の相関を示すこと,(2)児のワクチン接種及び「こまめな手洗い」には発症予防効果が認められるが,「マスク着用」は発症リスクを増加させること,(3)情報提供シートのみの行動変容介入は十分ではないことを明らかにした。学童の発症予防は地域の流行制御対策の核であり,予防行動の実施促進に向けたより効果的な介入方法が必要と考えられた。なお,3日以上の学級閉鎖(学年・学校閉鎖を含む)は当該学区における閉鎖後の学童の発症率抑制効果が認められたが,地域住民の発症率抑制効果は認められなかった。
著者
小島 美世 小川 佳子 中川 圭子 草野 亮子 関 芳美 波田野 智穂 磯部 澄枝 栃倉 恵理 石田 絵美 山﨑 理 堀井 淳一 井上 陽子 鈴木 一恵 田邊 直仁 村山 伸子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.232-242, 2020-10-01 (Released:2020-11-09)
参考文献数
15

【目的】新潟県では,1965年代から脳血管疾患対策として様々な減塩運動を展開してきた。しかし,脳血管疾患年齢調整死亡率は全国平均より高く,食塩摂取量も全国平均を上回る結果だった。そこで2009年度から新たな減塩運動「にいがた減塩ルネサンス運動」に10年間取り組んだ。その取組をとおし栄養・食生活分野におけるPDCAサイクルに基づく成果の見える栄養施策の展開を試みた。【方法】実態把握から優先順位の高い健康課題の抽出と,その背景となる栄養・食生活の要因を分析し,その要因が改善されるよう施策を整理し目標達成を目指した。また,各々の施策の事業効果が目標達成にどう影響を及ぼしているかが見える化できるよう評価枠組を整理した。評価枠組は各施策の事業効果が質的,量的にどう影響を及ぼすかが明確になるよう結果評価,影響評価,経過評価に分け,目標達成に影響を及ぼす施策とその成果が分かるよう施策を展開した。【結果】経過評価に位置付けた,市町村や関係機関での取組が増加した。影響評価に位置づけた,県民の高食塩摂取量に関連する食行動が有意に改善した。結果評価に位置づけた食塩摂取量や収縮期血圧値や脳血管疾患死亡数及び虚血性心疾患死亡数が減少した。【結論】PDCAサイクルに基づく展開と,目標達成につながる評価枠組を整理し枠組順に客観的に評価したことで,施策が目標達成にどのように影響を及ぼしたのかその関連性を見える化することができた。
著者
小島 美世 山﨑 理 堀井 淳一 井上 陽子 鈴木 一恵 田邊 直仁 村山 伸子 小川 佳子 中川 圭子 草野 亮子 関 芳美 波田野 智穂 磯部 澄枝 栃倉 恵理 石田 絵美
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.232-242, 2020

<p>【目的】新潟県では,1965年代から脳血管疾患対策として様々な減塩運動を展開してきた。しかし,脳血管疾患年齢調整死亡率は全国平均より高く,食塩摂取量も全国平均を上回る結果だった。そこで2009年度から新たな減塩運動「にいがた減塩ルネサンス運動」に10年間取り組んだ。その取組をとおし栄養・食生活分野におけるPDCAサイクルに基づく成果の見える栄養施策の展開を試みた。</p><p>【方法】実態把握から優先順位の高い健康課題の抽出と,その背景となる栄養・食生活の要因を分析し,その要因が改善されるよう施策を整理し目標達成を目指した。また,各々の施策の事業効果が目標達成にどう影響を及ぼしているかが見える化できるよう評価枠組を整理した。評価枠組は各施策の事業効果が質的,量的にどう影響を及ぼすかが明確になるよう結果評価,影響評価,経過評価に分け,目標達成に影響を及ぼす施策とその成果が分かるよう施策を展開した。</p><p>【結果】経過評価に位置付けた,市町村や関係機関での取組が増加した。影響評価に位置づけた,県民の高食塩摂取量に関連する食行動が有意に改善した。結果評価に位置づけた食塩摂取量や収縮期血圧値や脳血管疾患死亡数及び虚血性心疾患死亡数が減少した。</p><p>【結論】PDCAサイクルに基づく展開と,目標達成につながる評価枠組を整理し枠組順に客観的に評価したことで,施策が目標達成にどのように影響を及ぼしたのかその関連性を見える化することができた。</p>
著者
服部 晃 田邊 直仁 岩田 文英 服部 麗波
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.637-649, 2015
被引用文献数
1

ターミナルは人生の最後の舞台とも言え, 主役の希望に沿って医療・福祉者は真摯な対応を求められる。患者や家族の希望を知ることが, 容易とは限らない。調査目的は, 2008年佐渡でのアンケート調査で, ターミナル告知が大きく許容されていると思われたことから, 広い地域で, 大規模に, 広い年齢層で, 性, 身分・職種の差を検討し, 佐渡調査で私たちが提案した, 本人, 家族の意向に沿った予想告知率を調べることであった。自由参加・無記名によるアンケート調査を行なった。質問の内容および回答選択肢は佐渡方式で, 年齢14~91歳, 女/男比1.9, 高校生, 看 (護) 学生, 医療・福祉 (医福) 職, (その他) 一般職に層化して特徴を調べた。告知は本人―, 家族―, 一般―告知を調べ, また, 本人と家族の意向に沿った予想告知率を算出し, これまでと比較した。 114病院中74病院から7,811の有効回答をえた。本人告知希望は76%, 一般告知は29%, 家族告知は35%であった。推移: 本人希望は徐々に増加し, 告知拒否は減少した。本人と家族との意向に沿った予想告知率は85%と最高。高校生, 看学生の認識の特徴, 若年者と高齢者は共通点とともに対蹠的所見も呈すること, 各種の年齢・性・職種差があった。それらの把握が応用面で重要と考えられた。最期の場所に関する中年女性の変貌, 職種による男女差が注目される。告知許容社会への移行があり経時的な調査が必要。ターミナルの悩みに正対し改善を計ることは, 社会や宗教にとっても重要であろう。