著者
真野 浩
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.391-402, 2017-09-01 (Released:2017-09-01)
参考文献数
4

ウェアラブルデバイスや制御機器,センサー,スマートフォン,スマート家電などインターネットに接続する情報機器が急速に拡大し,これらを称してIoT(Internet of Things)時代の到来が広くうたわれている。しかしながら,現在普及しつつあるIoT産業の多くは,サービスとデバイスが密に結合した垂直統合型にとどまっており,本来インターネットのもつ自律分散,相互接続による創造的な産業革新を引き起こすには至っていない。そこで,開かれた真のIoTを実現するには,デバイスに依存しない自律分散型相互接続と,接続される情報のオーナーシップ,価値の配分,プライバシー,公平性を確保する仕組みが必要となる。本稿では,これらの課題を解決し,スケーラビリティーのある新しい情報流通交換の仕組みとして,オープンなデータ取引市場を実現する取り組みについて概説する。
著者
新妻 宏文 石井 元康 小島 敏明 菊池 公美子 鈴木 千晶 小林 智夫 五十嵐 勇彦 真野 浩 上野 義之 小林 光樹 豊田 隆謙
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.423-426, 1999-04-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

慢性B型肝炎患者を配偶者にもつ女性が,初診時すでに妊娠していたためにワクチンを施行せず妊娠を継続したところ,妊娠中にHBVに感染した.本例はHBV感染前からウイルス学的に経過を観察され,急性B型肝炎の発症前後の臨床データの経過が明らかになった.さらに,妊婦に対するワクチン使用の問題や周産期の急性肝炎の取り扱いの問題をかかえており,Gianotti-Crosti症候群を合併した点など示唆に富む症例であった.
著者
真野 浩志 滝川 一晴 芳賀 信彦
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.1185-1196, 2020-12-18 (Released:2021-03-13)
参考文献数
23
被引用文献数
2

小児総合医療施設は,医療型障害児入所施設をはじめとする障害児療育施設と並んで小児リハビリテーションが実施される場であるが,リハビリテーション科医・関連専門職の配置をはじめとする診療体制の現状について,これまで知られていない.本研究は,小児総合医療施設におけるよりよい小児リハビリテーション診療の実施につなげるために,リハビリテーション診療体制の現況を明らかにすることを目的とした.一般社団法人日本小児総合医療施設協議会会員施設を対象としたアンケートにより,リハビリテーション診療体制に関する全国調査を行った.施設あたりのリハビリテーション科医の中央値は,常勤医師1名,うち専門医0名,指導医0名と,きわめて少なかった.また,常勤の理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,臨床心理士の中央値はそれぞれ9人,5人,3人,2人であった.職員の配置については,リハビリテーション科医および関連専門職種職員に対する増員の希望が多かった.日本リハビリテーション医学会認定研修施設は全体の約半数に留まり,リハビリテーション料における施設基準も種目によっては疾患別における(Ⅱ)の届出に留まっている施設がみられた.よりよい小児リハビリテーション診療を実施し,研究,教育を充実させていくためには,人員配置を含めた適切な診療体制の構築や,診療や専門研修における施設基準などの病院機能の拡充が必要と考える.
著者
新妻 宏文 石井 元康 小島 敏明 菊池 公美子 鈴木 千晶 小林 智夫 五十嵐 勇彦 真野 浩 上野 義之 小林 光樹 下瀬川 徹 豊田 隆謙
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.346-349, 1999-06-25
被引用文献数
8 6

献血時 (32歳時) にHBVキャリアではないと確認されている症例 (33歳) がHBVの急性感染後にキャリア化した. この症例のウイルスをシークエンスし分子系統樹解析したところgenotype Aであった. 最近, 成人感染後にキャリア化した本邦の1例の検討でgenotypeがAであったと報告された. さらに当科外来で唯一の夫婦ともHBVキャリアの症例では, 夫婦ともにgenotype Aが検出された. 当科外来患者 (宮城県が中心, n=222) のgenotypeの検討ではgenotype Aは3.6%しか存在しなかった. 以上より, genotype Aが急性感染すると成人でもキャリア化することがあると考えられた. 欧米では成人感染後のキャリア化が多く, 本邦では成人感染後のキャリア化は少ないとされている. Genotype Aが欧米で多く本邦で少ないことが, その原因であると考えられた.