著者
鳥居 淳 石川 仁 木村 耕行 齊藤 元章
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J100-C, no.11, pp.537-544, 2017-11-01

ExaScaler社では,省電力スーパーコンピュータZettaScalerシリーズを開発,展開している.最初の世代であるZettaScaler-1.xでは,PEZY Computing社が開発したMIMDメニーコアプロセッサPEZY-SCを採用し,高密度実装を図ったBrickと呼ばれるサーバ集合体を,フッ化炭素系不活性液体をもちいて液浸冷却を行い,高性能,低消費電力,小型化を実現した.本論文では,このZettaScaler-1.xで開発した独自のハードウェア技術とプログラミングに関して解説する.また,現在構築中のZettaScaler-2.0について,磁界結合TCI (ThruChip Interface)によるDRAMとの3次元実装技術や,新たなBrick構造,冷却システムについて言及する.更に,エクサスケールコンピューティングに向けた今後の方向性について展望する.
著者
三波 俊郎 宇多 高明 石川 仁憲 大井戸 志朗 遠藤 和正 佐藤 純一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_646-I_650, 2013 (Released:2013-11-12)
参考文献数
3
被引用文献数
1 2

On the Hamamatsu-goto coast located west of the Tenryu River mouth, beach has been eroded severely in recent years, resulting in the exposure of the seawall protecting the sewage facility. Now urgent measures are required to prevent the damage to the seawall. In particular, large-scale offshore troughs have developed in this area, resulting in strong wave action to the seawall. Erosion around the Tenryu River mouth was investigated using aerial photographs, NMB and bottom sounding data along with the grain size analysis of seabed materials.
著者
石川 仁 佐々木 啓明 中神 克尚 堀口 淳 浅海 秀一郎 宮本 幸男
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7, pp.1932-1936, 1990-07-01
被引用文献数
7

腸管嚢胞様気腫はまれな疾患であるが,腹腔内遊離ガス像を呈し緊急手術の対象となることがある.われわれは上部消化管穿孔の診断にて開腹し,空腸の腸管嚢胞様気腫であった1例を経験したので報告する.症例は35歳,男性.主訴は腹部膨満.平成元年6月初めより腹部膨満が増強し,6月19日当科受診し,腹部膨満と腹部X線上腹腔内遊離ガス像を認め,消化管穿孔の診断で手術となった.手術時,腹腔内遊離ガスと腹水を認めたが,消化管穿孔部はなく,Treitz靭帯から約50cmの空腸に,10cmの長さにわたり腸管壁の浮腫と肥厚を,またその領域の腸間膜の漿膜下にも多数の小空胞を認めたため,腸管嚢胞様気腫の診断で空腸部分切除を施行した.摘出標本は,粘膜面に直径約5mmの赤い,軟らかい隆起を多数認め,病理組織学的には,空腸粘膜面は正常で,粘膜下に多核巨細胞などの肉芽組織に囲まれた大きさの異なる多数の嚢胞が認められ,原発性腸管嚢胞様気腫と考えた.
著者
原 裕司 山内 亮 加藤 宏治 石川 仁治
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.145-151, 1998-12-26

ニンニク磨砕物に蒸留水,牛乳,乳脂肪,カゼイン,乳清をそれぞれ加え,発生するニンニク臭気量を比較した。蒸留水のみを添加したときの臭気発生量を100%とすると,牛乳,乳脂肪,カゼインなどの添加は臭気を80〜20%減少させたが,乳清は減少させなかった。次にニンニクより粗アリイナーゼ及び臭気成分前駆体を調製し,(1)カゼインとアリイナーゼ(2)カゼインと臭気成分前駆体をそれぞれ混合して4℃に20時間放置した後,(1)には臭気成分前駆体,(2)にはアリイナーゼを加え,ニンニク臭が発生するか否か検討したところ,どちらにも発生が認められ,その量も共に対照と差異はなかった。以上から,カゼインはアリイナーゼが臭気前駆体に作用し臭気を発生させる反応に影響を与えないと結論した。一方,カゼインと臭気成分モデル化合物であるジアリルジスルフィドを混合すると,雰囲気中のジアリルジスルフィド量が減少し,さらに,混合後のカゼイン(無臭)からこの化合物をエタノール抽出によって回収することが出来た。このことから,カゼインによるニンニク臭抑副作用は,臭気成分がカゼイン蛋白に吸着されることによるものと考察した。
著者
瀬戸 順次 鈴木 恵美子 山田 敬子 石川 仁 加藤 裕一 加藤 丈夫 山下 英俊 阿彦 忠之 水田 克巳 中谷 友樹
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.22-072, (Released:2022-11-08)
参考文献数
15

目的 感染症の流行状況を的確に示すためには,時・場所・人の3つの情報の要約が求められる。本報告では,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が山形県において「いつ・どこで・どのように」広がっているのかを可視化したCOVID-19時空間三次元マップ(時空間マップ)を用いて実施した公衆衛生活動の概要を紹介することを目的とした。方法 山形県および山形市(中核市)のプレスリリース情報を基に感染者の疫学情報をリスト化し,無料統計ソフトを用いて時空間マップ(自由に回転,拡大・縮小が可能な3次元グラフィクスを含むhtmlファイル)を作成した。時空間マップの底面には,山形県地図を配置した。各感染者は,XY平面の居住地市町村(代表点から規定範囲でランダムに配置)とZ軸の発病日(推定を含む)の交点にプロットした。また,色分けにより,感染者の年齢群,感染経路を示した。さらに,県外との疫学的関連性を有する感染者には,都道府県名等を挿入した。完成した時空間マップは,山形県衛生研究所ホームページ上で公開し,随時更新した。活動内容 2020年8月に時空間マップの公開を開始し,以降,山形県で経験した第六波までの流行状況を公開した。その中で確認された,第一波(2020年3~5月)から第五波(2021年7~9月)までに共通していた流行の特徴をまとめ,ホームページ上に掲載した。あわせて,その特徴を踏まえた感染対策(山形県外での流行と人の流れの増加の把握,飲食店クラスターの発生抑止,および家庭内感染の予防)を地域住民に提言した。2022年1月以降の第六波では,10歳未満,10代,そして子育て世代の30代の感染者が増加し,保育施設・小学校におけるクラスターも増えていたことから,これら施設においてクラスターが発生した際の家庭内感染の予防徹底を呼びかけた。結論 時・場所・人の情報を含むCOVID-19流行状況をまとめた図を作成・公開する中で得られた気づきを基に,地域住民に対して具体的な感染対策を提言することができた。本報告は,自治体が公表している感染者情報を用いた新たな公衆衛生活動の方策を示した一例と考えられる。
著者
二宮 貴一朗 大熊 裕介 海老 規之 青景 圭樹 大矢 由子 阪本 智宏 上月 稔幸 野崎 要 白井 克幸 野中 哲生 里内 美弥子 石川 仁 堀田 勝幸 滝口 裕一
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.95-99, 2021-04-20 (Released:2021-04-30)
参考文献数
19

遠隔転移を有する非小細胞肺癌の標準治療は薬物療法であり,局所治療の追加による生存延長効果は明確に示されていない.一方で,転移病変が限られていた場合(Oligometastatic disease)において,局所治療を行ったことにより長期予後が得られた症例が存在する.近年,Oligometastatic diseaseに対して局所治療の追加の意義を評価したランダム化比較試験が複数報告された.これらは,診断時から原発および限られた転移病変を有し,すべてに対して局所治療が可能な症例(Synchronous oligometastatic disease)を対象としており,いずれの試験でも有望な結果が示されている.有効な薬物療法(分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬など)の台頭や放射線治療技術の進歩により肺癌治療は多様化しており,局所治療の目的も変化しつつある.Oligometastatic diseaseに対する局所治療は,その侵襲性によるデメリットや薬物療法の中断に伴うリスクを考慮する必要があるが,新たな治療戦略の1つとなる可能性がある.
著者
貝沼 征嗣 大橋 祐 宇多 高明 石川 仁憲 三波 俊郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_649-I_654, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
8

天竜川河口の両翼に広がる遠州灘海岸では,天竜川上流域におけるダム建設や河床掘削に起因する河川流出土砂量の減少,今切口での導流堤の建設など,様々な人工的要因により著しい海浜変形が生じてきた.本研究では,天竜川河口~伊良湖岬全域を対象として,1946~2017年の空中写真,1971~2017年の深浅測量データを用いて,対象沿岸の地形変化の実態を明らかにし,沿岸漂砂量分布を推定した.遠州灘海岸の沿岸漂砂量は,近年経年的に著しい減少傾向を示すことが明らかになった.
著者
桜井 英幸 高橋 満弘 鈴木 義行 清原 浩樹 斉藤 淳一 石川 仁 原島 浩一 北本 佳住 秋元 哲夫 中山 優子 長谷川 正俊 中野 隆史
出版者
Japanese Society for Therapeutic Radiology and Oncology
雑誌
The Journal of JASTRO (ISSN:10409564)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.187-191, 2003-09-25 (Released:2011-07-11)
参考文献数
14
被引用文献数
1

【目的】子宮頸癌放射線治療後の性生活の変化について, 調査を行ったので報告する.【対象と方法】子宮頸癌の告知後に放射線治療を受け, かつ治療当時パートナーを有していた33例を対象とした. 治療時の年齢鮮平均50.5歳 (26.1~80.5), 調査時の年齢は平均54.3歳 (31.3~80.9) であった.子宮頸癌の病期は, I期8例, II期14例, III期9綱, IV期2例であった. 放射線単独例は20例, 術後照射例13例であった。【結果】治療前の性交の頻度は, 治療前から全くなしと答えた5例を除いた場合, 性交頻度が減少したのは21例, 頻度が変わらないのは5例, 増加したのは2例であった.治療法別では, 放財線単独群で減少例が多い傾向がみられた. 子宮癌になったことで精神的に性交がいやになったと回答したのは21例 (65.6%) であった.パートナーが性交を嫌がっている, または遠慮していると回答したのは9例 (31.0%) で, パートナーのために我慢して性交に応じていると回答した症例は, 9例 (32.1%) であった.また, 17例 (63.0%) が, 治療後に挿入困難となったと回答していた. 性交による出血が心配であると回答した症例も, 24例.(75.0%) と高頻度に認められた. 性交痛に関しては, 17例 (63.0%) が疼痛ありと回答していたが, 我慢できない痛みであると答えたのは3例のみであった. 性交によって治療前よりも快感が得られなくなつたと回答したのは13例 (52.0%) であった.【結語】子宮頸癌放射線治療後には性交頻度が減少する例が多く, その理由は, 挿入困難, 出血, 性交痛などの器質的障害だけでなく, 子宮頸癌を経験したことによる性交への意欲の喪失であった.
著者
田中 理久 島田 良 石川 仁憲 小峯 力
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_1019-I_1024, 2020 (Released:2020-09-28)
参考文献数
9

全国約200箇所の海水浴場におけるレスキューは2,000~3,000件/年であり,毎年多くの溺水事故が発生していることから,ライフセーバーには重大な事故に繋がる前の迅速な救助が求められる.しかしながら,繁忙期は,数万人の利用者に対して数十人のライフセーバーで活動を行っていることから,すべての溺水に対して迅速な救助は難しい.一方,近年はAIを活用した技術開発が進んでおり,AIが溺水者を自動検知することができれば,監視体制の強化に繋がると考えられる.そこで,本研究では,溺水者を自動検知するAIの開発を試みた.AIモデルにはYOLOv3を用いた.教師データには室内,屋外,海水浴場の3箇所の計12,326枚の画像データを用いた.AIによる溺水者の検知精度を評価した結果,F値は0.7~0.9程度であり,AIによる溺水者検知の可能性を示すことができた.
著者
宇多 高明 三波 俊郎 高橋 幸一 蛸 哲之 石川 仁憲
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_751-I_756, 2016
被引用文献数
8

湘南海岸では,相模川河口テラスの縮小や,茅ヶ崎漁港およびヘッドランドの下手海岸での侵食など,土砂バランスの崩れによる地形変化が各所で起きている.本研究では,既往研究も踏まえてこれらの点について考察を深めたものであり,空中写真に基づく汀線変化解析と1999年以降取得されてきたNMB測量データに基づく地形変化解析を行った.これにより湘南海岸全体における土砂バランスの崩れによる地形変化の実態を明らかにし,その上で課題解決のための土砂管理法について論じた.
著者
宇多 高明 百瀬 尚至 遠藤 和正 三波 俊郎 古池 鋼 石川 仁憲
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_1206-I_1211, 2011 (Released:2011-12-08)
参考文献数
2

遠州灘海岸(天竜川河口から浜名湖の今切口)の広域の海浜変形について深浅測量データなどを基に分析を行った.対象海岸のうち,馬込川河口から今切口の間では,沖合の2箇所に規模の大きな深みが定常的に存在し,その背後では汀線が後退している.また,粗粒材養浜区間では汀線はほぼ維持されているが,汀線より200m以上沖では砂分の供給不足により徐々に侵食が進んでいる.海浜縦断形は一様な緩勾配斜面から凹状の断面へと変化しつつあり,当初は馬込川河口の西側近傍にのみあった凹状の海浜縦断形が西側へと広がりを示していることが実測データから明らかにされた.
著者
石川 仁憲 風間 隆宏 中川 儀英 青木 伸一 田中 秀治 小峯 力 中山 昭
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_826-I_831, 2016
被引用文献数
7

わが国の海水浴場では,毎年多くの溺水事故が発生している.海水浴場における意識なしの溺者を含む救助は毎シーズン1,000~3,000件,応急処置は10,000~25,000件であり,溺水の要因は主に離岸流,風等であった.また,海水浴場における具体的な傷病として,刺胞毒を有するクラゲやエイ等による被害が多いことが分かった.溺水や傷病を未然に防ぐためには,海水浴場の危険性を明らかにし,海岸利用者に周知することで事故防止を図るとともに,適切なリスク管理による海水浴場の運営が望まれる.そこで,わが国の海水浴場における溺水の要因や傷病の特徴,監視救助体制の課題などを考慮した海岸利用者の安全性に関するリスク評価手法を検討し,安全な海岸利用に影響を与える要因(ハザード)とそれによる溺水や傷病(ケガ等)が起こりうる可能性を考慮したHazards & Risksと,事故防止・監視救助体制などのBeach management & Patrol systemに関わる評価項目,評価指標,評価方法,さらに安全性の高い海水浴場の条件(総合評価)について提案した.
著者
石川 仁
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2010-2011