著者
上木 礼子 米澤 弘恵 長谷川 智子 荒木 真壽美
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.181-186, 2008 (Released:2009-02-16)
参考文献数
15

本研究では,血液曝露の危険性のある看護場面において,手袋着用行動への,看護師の意図とその影響要因を明確にすることを目的とした.   α県内の総合病院に勤務する看護師1,128名を対象に,4つの血液曝露場面(真空採血管採血場面など)を設定し,手袋着用の行動意図を調査した.さらに,手袋着用の行動意図に影響する要因として,上司/同僚のサポートを含む組織的要因,手袋着用の教育経験を含む個人的要因,リスク認知を含む心理的要因について調査した.影響要因は,手袋着用行動意図の高い高意図群(以下高群)と行動意図の低い低意図群(以下低群)の2群に分け比較した.   その結果,組織要因では,行動意図高群は低群に比べ有意(p<0.01)に手袋の使いやすさ,上司/同僚のサポート,施設の方針を認識していた.個人的要因では,高群は低群より有意(p<0.01)に手袋着用の教育を受けたと認識していた.心理的要因では,リスク認知と行動への態度,行動コントロール感が有意な正の相関を示した.   これらの結果より,組織環境が手袋着用をサポートする傾向にあるとき,および個人に教育経験のあるときには,手袋着用への行動意図が高くなることが示された.
著者
米澤 弘恵 石津 みゑ子 石津 みゑ子
出版者
獨協医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

感染予防隔離患者の看護ケアの質を保証するために、隔離状況に伴う臨床看護師の倫理的意思決定プロセスの明確化、隔離状況における看護師の倫理的行動意図と実践力との関連性の解明と、隔離に伴う看護倫理的実践力育成への教育プログラムを構築した。
著者
石津 みゑ子 米澤 弘恵
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

【研究目的】在宅高齢者の主観的睡眠感と対処行動を把握することによって,高齢者が質のよい睡眠を得て,健康でQOLの高い生活を送るための資料とする。【対象と方法】静岡県H市中央地区に在住する65歳以上の男女を対象に本調査に協力が得られた259人を初回調査の対象とした。次年度以降は,前回の調査対象のうち追跡調査に協力が得られた人を対象に行った。主観的睡眠感の全問回答が得られた1年目,2年目の126人と3年目123人(入院,死亡による3人を除外)を分析対象とした。【結果および考察】1.初回調査時の対象者の年齢は65〜94歳に分布し,平均74.0±6.8歳,2年目は75.0±6.8歳,3年目には76.0±6.7歳を示した。性別では1,2年とも男性が42人(32.5%),女性は84人(66.7%)であった。3年目では男性40人(32.5%),女性83人(67.5%)であった。2.家族構成は,3年のうちで最も多かったのは,配偶者がなく同居家族がいる人で,3年目では46人(37.4%)であり,他の2年よりも有意(p=.05)に増加していた。3.健康度自己評価は,3年間とも「普通」以上の健康の人が8割弱を占めていた。4.老研式活動能力指標は,平均得点が初回調査時11.1±2.8点,2年目は10.7±3.0点,3年目では10.5±3.2点となり年を経るにつれて有意(p=.05)に低下していた。5.主観的睡眠感は,3年間とも早朝の目覚め,中途覚醒後の寝つきの悪さを訴える人が多かった。主観的睡眠感の平均得点は,初回調査時で696.9±122.0点,2年目は698.2±116.1点,3年目は704.7±125.3点であった。6.対処行動では,いつも安定剤や睡眠薬を飲む人は,初回調査時7人(13.0%),2年目11人(20.4%),3年目では11人(16.4%)であり,すぐ薬に頼る人が少ないことが示された。