著者
加藤 博文 石田 肇 吉田 邦夫 佐藤 孝雄 米延 仁志 ハドソン マーク 米田 穰 安達 登 増田 隆一 長沼 正樹 深瀬 均 木山 克彦 江田 真毅 岡田 真弓 木山 克彦 江田 真毅 岡田 真弓 長沼 正樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

本研究では、アイヌの集団的・文化的形成過程において海洋狩猟民文化の強い影響が社会文化伝統にも、集団的にも、存在したことを示唆する豊富な資料を提供することができた。浜中2遺跡の調査では、海獣儀礼の伝統が先行する先史文化から連続して継承、発展されアイヌ文化の中へ取り込まれていくことが考古学的に提示された。集団的な系統性については、先行研究で示唆されていたオホーツク文化の関与を補強する資料を得ることができた。提示されたアイヌ民族の集団形成性の複雑さは、集団のアイデンティティの形成過程や変遷についても、社会・経済・政治的文脈での検討の必要性を示唆している。今後も得られた資料の調査研究を進めていく。