著者
舛森 直哉
出版者
一般社団法人日本外科学会
雑誌
日本外科学会雑誌 (ISSN:03014894)
巻号頁・発行日
vol.111, no.3, pp.171-175, 2010-05-01
参考文献数
10
被引用文献数
1
著者
市原 浩司 舛森 直哉
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.107, no.2, pp.126-128, 2016-04-15 (Released:2017-04-21)
参考文献数
5
被引用文献数
1

40代male to female(MTF).2013年に性別適合手術(sex reassignment surgery:SRS)を施行した.SRSは両側精巣摘除,陰茎切断,陰核・外陰部形成および造膣を施行し,造膣には約20cmのS状結腸を腹腔鏡下に遊離して用いた.総手術時間8時間45分,出血量920ml,輸血は施行しなかった.術後8日目に合併症なく退院した.術後3カ月目の診察では外陰部所見に異常なく,膣は幅4cm,深さも10cm以上確保されていた.以上より,腹腔鏡下にS状結腸を遊離して造膣を施行したMTFに対するSRSは良好な経過であった.
著者
萬谷 和香子 小林 皇 野藤 誓亮 松木 雅裕 橋本 浩平 加藤 慎二 舛森 直哉
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.283-285, 2018-06-30

We report a case diagnosed as both necrotizing fasciitis and frostbite of the male external genetalia. The patient was a 58-year-old man with diabetes mellitus. He was referred to our hospital with swelling of his penis and icing there for 3 weeks. We diagnosed his condition as necrotizing fasciitis of the external genitalia and decided to perform an emergency operation. Although we consulted plastic surgeons about debridement of a large area, they considered that there was no necessity for it because the scrotum, perineum and abdominal wall were frostbitten. The final clinical diagnosis was necrotizing fasciitis of the penile region and frostbite around the perineal region. We performed partial penectomy without debridement. Through collaboration with another medical department it was thus possible to avoid unnecessary invasive treatment.
著者
高柳 明夫 小林 皇 橋本 浩平 加藤 隆一 舛森 直哉 伊藤 直樹 塚本 泰司
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.729-732, 2008-11-20 (Released:2011-01-04)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

症例は32歳, 男性. 両側精巣萎縮と性欲減退を主訴に2006年2月9日に当科を初診した. 問診より1999年からのアナボリックステロイド (AAS) の濫用が判明した. 身体所見では両側精巣容積が13mlと萎縮していた. 内分泌的検査では黄体化ホルモン, 卵胞刺激ホルモン, 総テストステロンは低値であり, 遊離型テストステロン (Free T) は高値だった. また, 後日判明した sex hornomne binding globulin (SHBG) も低値であり, 算出された calculated Bioavailable testosterone (cBAT) も低値だった. 以上の所見からからAASの濫用による低ゴナドトロピン性性腺機能低下症と診断した. AASの中止のみで経過観察を行ったが改善を認めなかったため, 5月18日より週1回のヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG) 3,000単位筋肉注射を開始した. その後6月22日に内分泌学的検査を施行したが自覚症状, 内分泌検査所見ともに改善は認めていない. AASの濫用により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症となることが知られており, 一部の患者ではAAS中止後も性腺機能低下症が改善しないことが報告されている. 本症例においてはhCG注射を早期に開始したことが早期に精巣機能を改善するかどうかについて今後の注意深い観察が必要である. また, 本症例の病状を把握する上では free T よりもcBATを用いることが有用だったと考えられた. AASには多くの重篤な副作用があり安易な使用は控えるべきである. またAASの副作用に関しての広い啓発により濫用を防ぐことが必要と考えられた.
著者
塚本 泰司 三熊 直人 舛森 直哉 宮尾 則臣 伊藤 直樹
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

‘老化'と前立腺肥大症の発生との関係の一端を解明するために、1)ヒト前立腺の加齢による形態変化、2)前立腺平滑筋の機能、3)前立腺上皮、間質細胞の増殖と抑制、について臨床的、生理学的および分子生物学的検討を行った。その結果以下の知見を得た。1) Community-based studyにおける検討により、加齢にともなう経直腸的超音波断層上の前立腺の形態は、一部の男子では50歳前後にかけて、それまで均一であった前立腺が結節を呈するようになり、これらのうちの一部の男子でさらに肥大結節が増大するという経過を辿ると推測された。したがって、臨床的な前立腺肥大出現のtumingpointは50歳にあると考えられた。2) 前立腺平滑筋細胞の培養細胞株をguinea-pig前立腺より確立した。この細胞は形態学的および機能的所見からも平滑筋細胞であり、今後のin vitroの実験モデルとして有用と考えられた。3) 前立腺平滑筋の加齢による機能的変化の検討から、8週齢の若年guinea-pigと比較すると12か月の高齢guinea-pigでは収縮張力の低下が認められ、加齢が前立腺平滑筋の機能に影響を及ぼす可能性が示唆された。4) 前立腺肥大症の一部には下部尿路閉塞に対する治療のみでは排尿障害を改善できないことがあり、膀胱平滑筋の機能を改善させる治療が必要であることが示された。5) 前立腺の上皮および間質細胞はandrogenおよび各種の成長因子regulationを受けているが、TGF-betaを中心とするこれらの間のネットワークの解明を試みた。今回の結果とこれまでの知見を総合すると、androgen存在下では増殖に作用する成長因子により上皮および間質の恒常性が保たれ、androgen低下時にはTGF-beta発現が亢進し上皮細胞はapoptosisにより減少する。一方、TGF-beta発現増加によりFGF産生が刺激され間質の増殖が起こる。これが加齢にともなう前立腺肥大の発生機序の一つと推測された。
著者
小林 皇 伊藤 直樹 舛森 直哉 高橋 聡 小林 皇
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

Androgenの減少は骨に対しては代謝の亢進につながることが明らかとなったが、短期間では骨粗鬆症の発症のレベルまでは骨密度の減少はなかった。握力などの筋力には経過中に変化を認めなかった。メタボリック症候群で注目される物質のひとつであるアディポネクチンも経過中は両群に変化を認めなかった。脳に対する影響として、認知障害の有無をミニメンタルステート検査を行ったが経過中に両群とも変化は確認できず、認知能に対する影響は確認できなかった。このように、アンドロゲンの低下が早期より影響を及ばす臓器としては生殖器以外では骨が注目される結果であった。
著者
田中 吉則 舛森 直哉 塚本 泰司 古屋 亮兒 小椋 啓 古屋 聖兒
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.101, no.3, pp.554-557, 2010-03-20

(緒言) 経尿道的前立腺切除術(transurethral resection of the prostate:TURP)後の排尿後尿滴下(post micturition dribble:PMD)の実態を調査した.<br> (対象と方法) TURPを施行した388例に対して術後1年目に尿失禁の有無,頻度,程度,および種類(腹圧性尿失禁,切迫性尿失禁,PMD)を問うアンケート調査を行った.<br> (結果) 有効回答270例中,78例(29%)が尿失禁ありと回答した.60例(77%)は週に1回か2回の尿失禁,72例(92%)はパンツにしみがつく程度の軽度の尿失禁であったが,毎日あるいはズボンを汚すとの重症例も少数に存在した.尿失禁の種類はPMDが48例(62%)と半数以上を占めていた.<br> (結論) TURP後の尿失禁の半数以上にPMDが関与していた.<br>