著者
梅島 彩奈 宮部 真衣 荒牧 英治 灘本 明代
雑誌
研究報告 情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-6, 2011-07-26
被引用文献数
1

Facebook や Twitter 等,マイクロブログの普及により,ユーザはインターネット上でリアルタイムなコミュニケーションを容易に行う事が可能になっている.特に Twitter は 2008 年に国内でのサービスを開始して以降,急速にユーザ数を伸ばしている.災害時において,電話・手紙・メールを使用できない場合でも,Twitter は使用することができる.このように Twitter は多くの人々と様々な情報を共有できる半面,デマの拡散を助長することもある.そこで本論文では,ツイートのデマとデマの訂正に注目し,これらの拡散に関する 6 つの仮説を立て,その仮説に基づきデマとデマ訂正ツイートの傾向を分析することで,デマの拡散を防止することを目指す.The rapid progress of the micro blog such as Facebook and Twitter, user can communicate with each other easily in real time on the Internet. Especially, fast growing Twitter has so many users. We could use twitter during the disaster in Japan, even if we could not use telephone, cell-phone, and e-mail. In this way, the twitter becomes popular information tools. There, however, much rumor information on the twitter and user can spread it easily. In this paper, we focus on the re-tweet of rumor and correction. First, we propose 5 hypothesis, next we analysis the tweets during the disaster in Japan to substantiate our proposed hypothesis.
著者
梅島 彩奈 宮部 真衣 荒牧 英治 灘本 明代
雑誌
研究報告 データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-6, 2011-07-26
被引用文献数
3

Facebook や Twitter 等,マイクロブログの普及により,ユーザはインターネット上でリアルタイムなコミュニケーションを容易に行う事が可能になっている.特に Twitter は 2008 年に国内でのサービスを開始して以降,急速にユーザ数を伸ばしている.災害時において,電話・手紙・メールを使用できない場合でも,Twitter は使用することができる.このように Twitter は多くの人々と様々な情報を共有できる半面,デマの拡散を助長することもある.そこで本論文では,ツイートのデマとデマの訂正に注目し,これらの拡散に関する 6 つの仮説を立て,その仮説に基づきデマとデマ訂正ツイートの傾向を分析することで,デマの拡散を防止することを目指す.The rapid progress of the micro blog such as Facebook and Twitter, user can communicate with each other easily in real time on the Internet. Especially, fast growing Twitter has so many users. We could use twitter during the disaster in Japan, even if we could not use telephone, cell-phone, and e-mail. In this way, the twitter becomes popular information tools. There, however, much rumor information on the twitter and user can spread it easily. In this paper, we focus on the re-tweet of rumor and correction. First, we propose 5 hypothesis, next we analysis the tweets during the disaster in Japan to substantiate our proposed hypothesis.
著者
荒牧 英治 増川 佐知子 森田 瑞樹 保田 祥
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2012-NL-208, no.9, pp.1-8, 2012-08-26

これまで言語学で高い関心を集めている問題の1つに人間の語彙数がある.数々の調査がなされてきたが,その多くは,理解できる語彙(理解語彙)の調査にとどまり,実際に使用する語彙(使用語彙)についてはどのくらいのものか,いっこうにわからないとされてきた.本研究では,ウェブ上の発言データを利用し,10万人という大規模な人数で使用語彙調査を行った.調査の結果,使用語彙は平均8,000語であることが明らかになった.さらに,同データを用いて,語のユーザ数の調査を行った.この結果,ユーザに偏りがある語や偏りがない語のリストが得られた.このようなユーザ数にもとづいたリストは本研究で初めて得られたものである.
著者
久田 祥平 村山 太一 矢田 竣太郎 若宮 翔子 荒牧 英治
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.1D2OS3a04, 2021 (Released:2021-06-14)

ソーシャルメディアの時代、私たちはフィルターバブルによって意図せずとも偏った情報にさらされることが多い。 このような偏った情報は、意見の細分化や政治的な二極化を増幅させる。 この問題に対処するために、ニュースメディアのバイアスを分析し、人々がニュースを正しく理解できるようにする。 既存のバイアスに関する調査は、専門家による分析やクラウドソーシングによるメディアへの評価が行われている。 本研究では、ニュースに対するTwitterのコメントに対してトピックモデルを用いることで、階層的クラスタリングによるトピックの推定確率からニュースメディア間の距離を算出している。 基本的な考え方は、トピックの内容とニュースメディアの類似性を分析することでバイアスを測定することである。 この方法を「日本学術会議」問題に関するツイートに適用したところ、朝日新聞などの主流メディアの結果は、政治的バイアスに関する他の研究とほぼ一致していることがわかりました。これまで調査されていなかったメディアのバイアスを捉えることが可能であることがわかりました。
著者
簗瀬 拓弥 増田 英孝 山田 剛一 荒牧 英治 中川 裕志
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-6, 2013-02-21

本研究では電車の運行状況をリアルタイムに一般の Twitter のユーザのツイートから取得することを目的とする.対象として常磐線をキーワードとして含むパブリックタイムライン上のツイートを半年分収集した.このデータを用いて単位時間あたりのバースト数を元に定常時と異常時を判別し,通知を行うシステムを試作した.また,遅延や運転見合わせ時のユーザのツイートの特徴の分析を行った.Our goal is to extract train services from ordinary twitter users' tweets in real-time. We have collected tweets which includes '常磐線' from public time line over six months. We distinguish abnormal state from normal state by using a burst per minutes in the collected tweets, and we implemented a prototype system which can be notified abnormal state. Also, we analyzed the characteristic of users' tweets when trains are delayed or postponed.
著者
宮部 真衣 荒牧 英治 三浦 麻子
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.17, pp.1-7, 2011-09-08
被引用文献数
1 8

2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災においては,Twitter に多くのメッセージが投稿された.これまで,緊急時におけるマイクロブログの有用性が示されているものの,地域を考慮したマイクロブログの利用傾向に関する分析は十分に行われていない.本研究では,マイクロブログとして Twitter に着目し,東日本大震災発生後に Twitter へと投稿されたツイートを分析した.分析の結果,以下の知見を得た.(1) 被害の大きかった地域では直接的なメッセージのやり取りが行われる傾向がある.一方,被害の小さかった地域では,ツイートされた情報が拡散される傾向が高い.(2) 特に被害の大きい地域で発信された情報については,他地域へと移動する傾向が見られた.After the Great Eastern Japan Earthquake in Japan 2011, numerous tweets were exchanged on Twitter. Several studies have already pointed out that micro-blogging systems have shown potential advantages in emergency situations, but it remains unclear how people use them. This paper presents a case study of how people used Twitter after the Great Eastern Japan Earthquake. First, we gathered tweets immediately after the earthquake and analyzed various factors, including locations. The results revealed two findings: (1) people in the disaster area tend to directly communicate with each other. On the other hand, people in the other area prefer tend to rely on re-tweet; (2) information posted from the disaster area tends to spread in the other area.
著者
荒牧 英治 久保 圭 四方 朱子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.23, pp.1-6, 2014-07-25

言語能力は人生における経験の結晶であり,加齢によって損なわれることがないとされる.しかし,その一方で,文法能力など,一部の能力の加齢による低下が示されることもある.このように,老化と言語能力の関係については不明な点が多い.この原因は,次の 2 つによるところが大きい.まず,研究対象である高齢者から大規模なデータを得るのが困難であること.次に,言語はさまざまな能力の総体であり,調査ごとに測っている言語能力が異なることである.そこで,本研究では,Web 上の文章を利用する.まず,50 代から 80 代の高齢者や小中学生,第二言語習得者,認知症患者のブログや作文を集めた.また,測定に関しては,語彙に関するものや構文に関するものなど,さまざまな指標を用いた.この結果,高齢者は,使う言葉の種類が減る可能性があること,さらに,難易度の高い言葉から使用頻度が減ることが明らかになった.この知見を応用することによって,老化や認知症の早期発見の可能性があり,今後の応用が期待される.Preceding study claims that one's language abilities develop over long period of time and improve with age. On the other hand, some study reports that some parts of language abilities, such as grammatical ability, show some decrease in elder people. Since one's language ability is often shown as the aggregation of multiple human abilities, it is difficult to solely extract his/her language ability out of his/her written texts. This study, thus, analyzes texts by using multiple linguistic measures. The corpora cover school students (children attending primary to junior high school, age 6 to 15 years old), elders (age 50 to over 80 years old), Japanese as the Second Language learners, and a dementia patient (Alzheimer type). As a result, this study shows that the lexical richness decreases, and difficult vocabularies tend to be especially lost from elders. This study also displays the possibility of detecting dementia in its early stage.
著者
宮部 真衣 梅島 彩奈 灘本 明代 荒牧 英治
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.223-236, 2013-01-15

FacebookやTwitterなど,マイクロブログの普及により,ユーザは様々な情報を瞬時に取得することができるようになった.一方,マイクロブログでは流言も拡散されやすい.流言は適切な情報共有を阻害し,場合によっては深刻な問題を引き起こす.これまで,マイクロブログ上の流言拡散に関する分析は十分に行われていない.本論文では,マイクロブログ上で拡散された流言の特徴について分析した.分析対象はTwitterとし,平常時の流言と災害時の流言を用いた.分析の結果,まず,(1)マイクロブログにおける流言の特徴として,以下の3点を明らかにした.(a)マイクロブログにおける流言の発信は,不特定多数に向けたリツイートをインフラとしており,口伝えでの流言の拡散と比較して,流言内容の変容が起こりにくい可能性がある.(b)マイクロブログ上では,流言に関するツイートを複数回投稿するユーザは少なく,また流言情報を投稿したユーザが,自身の発言を訂正することも少ない.(c)流言に関する訂正ツイートが発信されても,流言ツイートはすぐには収束しない.また,(2)マイクロブログにおける,災害時と平常時の流言の違いとして,平常時は連鎖的に流言が広がり,災害時は1つのツイートが連鎖することなく爆発的に広がる傾向があることを明らかにした.これらは,今後マイクロブログ上での流言拡散への対策を講じるうえでの重要な知見となる.
著者
北 雄介 荒牧 英治 若宮 翔子 宮部 真衣 河合 由起子 清田 陽司
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

建築・都市領域には、建物や樹木などの個別の要素を越え、雰囲気や佇まいを含む都市の全体的な在り方を指す「様相」という概念がある。100ninmap projectでは、ITで街の様相情報を収集する試みとして、街歩きイベント「100人でつくる京都地図」を皮切りに様々な取り組みを行っている。本発表では、クラウドソーシングによる街の雰囲気の可視化など、不動産検索体験を変えることを目指した取り組みに触れる。
著者
荒牧 英治 若宮 翔子 岩尾 友秀 川上 庶子 中江 睦美 松本 妙子 友廣 公子 栗山 猛
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.337-348, 2018 (Released:2020-02-28)
参考文献数
8

急速な医療のIT化と共に,様々な医療情報や医薬品情報が電子化されつつある.しかし,医薬品の適正使用に欠かせない添付文書については表記が統一されているか等の質に関して,これまで体系的な調査は実施されていない.そこでわれわれは,小児領域に着目し,添付文書に小児に関する情報がどのような形で記載されているかを調査した.その結果,小児に対する用法・用量の情報が記載されている割合は添付文書全件の13.5%,小児頻用医薬品についても49.2%にとどまっていることが分かった.特に,詳細な小児区分である低出生体重児や新生児に関しての記述が少ないことが判明した.さらに,添付文書の記述方法についても,年齢区分や安全性,記載場所に曖昧性が存在し,小児医療の現場での医薬品適正使用の障壁となっている可能性が高い.本研究により,今後は添付文書の表現のゆれや曖昧性をなくす等の添付文書自体の質の向上も必要であると考えられる.
著者
簗瀬 拓弥 増田 英孝 山田 剛一 荒牧 英治 中川 裕志
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-6, 2013-02-21

本研究では電車の運行状況をリアルタイムに一般の Twitter のユーザのツイートから取得することを目的とする.対象として常磐線をキーワードとして含むパブリックタイムライン上のツイートを半年分収集した.このデータを用いて単位時間あたりのバースト数を元に定常時と異常時を判別し,通知を行うシステムを試作した.また,遅延や運転見合わせ時のユーザのツイートの特徴の分析を行った.Our goal is to extract train services from ordinary twitter users' tweets in real-time. We have collected tweets which includes '常磐線' from public time line over six months. We distinguish abnormal state from normal state by using a burst per minutes in the collected tweets, and we implemented a prototype system which can be notified abnormal state. Also, we analyzed the characteristic of users' tweets when trains are delayed or postponed.
著者
梅島 彩奈 宮部 真衣 荒牧 英治 灘本 明代
雑誌
研究報告 情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2011-IFAT-103, no.4, pp.1-6, 2011-07-26

Facebook や Twitter 等,マイクロブログの普及により,ユーザはインターネット上でリアルタイムなコミュニケーションを容易に行う事が可能になっている.特に Twitter は 2008 年に国内でのサービスを開始して以降,急速にユーザ数を伸ばしている.災害時において,電話・手紙・メールを使用できない場合でも,Twitter は使用することができる.このように Twitter は多くの人々と様々な情報を共有できる半面,デマの拡散を助長することもある.そこで本論文では,ツイートのデマとデマの訂正に注目し,これらの拡散に関する 6 つの仮説を立て,その仮説に基づきデマとデマ訂正ツイートの傾向を分析することで,デマの拡散を防止することを目指す.
著者
白川 真澄 中山 浩太郎 荒牧 英治 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.3, pp.525-539, 2011-03-01

固有名詞や専門用語,及びこれら概念間の関係を網羅した大規模オントロジーの構築は,意味中心のWebを実現する上で重要な基盤技術である.最近の研究では,Wikipediaにおける概念の網羅性を活用した大規模オントロジーの自動構築に注目が集まっているが,概念間の関係の網羅性が低いことが課題であった.そこで本研究では,Wikipediaマイニングによって抽出した情報にWeb全体の情報を組み合わせることで,概念及び概念間の関係の種類を網羅した大規模オントロジーの自動構築を目指す.本論文では,大規模オントロジーの自動構築の核となる関係抽出の手法として,Wikipediaから抽出した連想シソーラスを利用して関係の深い概念ペアを取り出し,Web検索によって概念間の関係を抽出する手法を提案する.また,固有名詞間の様々な関係を定義した大規模オントロジー構築への第一歩として,提案手法を用いて実際にオントロジー構築を試みる.
著者
梅島 彩奈 宮部 真衣 荒牧 英治 灘本 明代
雑誌
研究報告 データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2011-DBS-152, no.4, pp.1-6, 2011-07-26

Facebook や Twitter 等,マイクロブログの普及により,ユーザはインターネット上でリアルタイムなコミュニケーションを容易に行う事が可能になっている.特に Twitter は 2008 年に国内でのサービスを開始して以降,急速にユーザ数を伸ばしている.災害時において,電話・手紙・メールを使用できない場合でも,Twitter は使用することができる.このように Twitter は多くの人々と様々な情報を共有できる半面,デマの拡散を助長することもある.そこで本論文では,ツイートのデマとデマの訂正に注目し,これらの拡散に関する 6 つの仮説を立て,その仮説に基づきデマとデマ訂正ツイートの傾向を分析することで,デマの拡散を防止することを目指す.
著者
梅島 彩奈 宮部 真衣 荒牧 英治 灘本 明代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.361, pp.59-64, 2011-12-16

FacebookやTwitter等,マイクロブログの普及により,ユーザはインターネット上でリアルタイムなコミュニケーションを容易に行う事が可能になっている.特にTwitterは2008年に国内でのサービスを開始して以降,急速にユーザ数を伸ばしている.Twitterは多くの人々と様々な情報を共有できる半面,デマの拡散を助長することもある.実際に2011年3月11日に起こった東日本大震災において,Twitter上の様々なデマがユーザを混乱に陥れたのは記憶に新しいが,平常時においてもデマを確認することができる.そこで本論文では,災害時におけるツイートのデマとデマの訂正に注目し,デマとデマ訂正ツイートの傾向と,災害時と平常時のツイートの傾向を分析することで,デマの拡散を防止することを目指す.
著者
矢野 憲 伊藤 薫 若宮 翔子 荒牧 英治
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

医療テキストには,非文法的かつ断片化した表現が多く含まれるため利活用が進んで行われてこなかった.本研究では,文字ベースBi-LSTM-CRFにより,医療テキストから病名,症状名を抽出する事象認識器を提案し,その性能評価を行った.提案手法は事象認識(ER)と事実性判定(P/N分類)を同時に処理することで,医療テキストに記述される陽性,陰性の所見を独立した事象として抽出を行う.
著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬 荒牧 英治 服部 一樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.981-993, 2017-05-15

本論文では,2つの調査に基づいて,うつ病患者の家族介護者を支援するための知見を述べる.1つ目の調査では,患者の気分の上下や予期せぬ振舞いなどに対処する家族介護者の介護活動の現状とニーズを把握する.その調査結果をふまえて介護記録Webアプリケーション「みまもメイト」を開発する.2つ目の調査では,家族介護者がみまもメイトを6週間にわたって利用することによって,家族介護者のうつ病患者に対する関わり方や患者との人間関係がどのような影響を受けたかを調べる.利用後のインタビュー調査から,家族介護者がみまもメイトを利用することによって,自身の介護活動を客観的に見つめ直す効果がある(第三者視点の導入)ことが分かった.さらに興味深いことに,みまもメイトは患者,病気,家族介護者の間の関係を変化させ,これによって,家族介護者とうつ病患者間のコミュニケーションを改善する効果があることも分かった.具体的には,みまもメイトを用いることによって,家族介護者単独で病気をかかえる患者に対処するという構図(家族介護者vs.患者+病気)から,患者と家族介護者が協調しながら病気に立ち向かうという構図(家族介護者+患者vs.病気)へと変化した.
著者
荒牧 英治 橋本 泰一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.236-240, 2012-02-15

近年のマイクロブログの普及とともに,そこから有益な情報を抽出する需要が高まっている.ここでは,マイクロブログの先駆者的なサービスであるTwitterを例にして,インフルエンザや花粉症といった疾患病の患者数を予測する情報抽出システムと東日本大震災により被災した文化財の情報抽出について解説する.両システムともに,特定のキーワードを含むツイートの数を数え上げるだけでなく,機械学習による文書分類器を活用することにより,日常的な文章からより正確な情報抽出に取り組んでいる.
著者
荒牧 英治 増川 佐知子 森田 瑞樹
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-8, 2011-05-09

近年のTwitterの普及とともに,そこから有益な情報を抽出する研究の需要が高まっている.本研究ではインフルエンザ流行予測の問題に焦点をあてる.まず,Twitterからインフルエンザに関連した発言を抽出する.次に,SVMを用いた分類器で,その発言者が実際にインフルエンザにかかっているかどうかを判定する.実験では,厚労省報告の症例数と比較し相関係数0.89の精度で流行予測することができ,提案手法の有効性を示した.特に,流行の開始時期においては,相関係数は0.97と高く,最先端の手法であるGoogle Fluトレンドと同等の精度が得られた.本研究によって,Twitter上のテキストが現実の疾病状態を反映していること,また,言語処理技術によって,その情報が抽出可能であることを示した.With the recent rise in popularity and size of social media, there is a growing need for systems that can extract useful information from this amount of data. We address the problem of detecting influenza epidemics. First, the proposed system extracts the influenza related tweets using Twitter API. Then, the SVM based classifies extracts only tweets that include real influenza patients. The experiments demonstrated the feasibility of the proposed approach (0.89 of the correlation to the gold standard). Especially in the rise of the influenza (early stage of the epidemics), the proposed method shows the high accuracy (0.97 correlation), which is the same accuracy to the state-of-the-art method. This paper demonstrated that Twitter texts reflect the real world, and Natural Language Processing (NLP) technique could extracts the information.
著者
宇野 良子 橋本 康弘 岡 瑞起 李 明喜 荒牧 英治
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.491-498, 2010 (Released:2011-03-08)
参考文献数
18

In participatory design, not only the designer, but other people such as end users participate in the process of designing to satisfy as many people as possible with the final product. The problem is, however, that interaction among people does not necessarily lead to good results. In our project we aim to make a design that reflects many people's intentions without interaction among them. We use rich text data from the web and computationally analyze the data to extract the intentions of people concerning the design. In this paper, we propose what data to use and how to analyze the data from a cognitive linguistic point of view. The points are that (i) we should use texts which are written spontaneously (such as those found in micro-blogs) and (ii) we should analyze the tense markers and epistemic modalities of the texts to extract intentions. We also introduce in the paper our workshop held at a library in an art university. In this workshop, we have visualized the intentions of students on digital maps.