著者
藤田 正平 島田 尚典 青山 聡
出版者
北海道立農業試験場
雑誌
北海道立農業試験場集報 (ISSN:04410807)
巻号頁・発行日
no.88, pp.13-24, 2005-05

「きたほたる」は、良質、多収、耐冷、アズキ落葉病、茎疫病、萎凋病抵抗性の白アズキ品種の育成を目標とし、1993年に北海道立十勝農業試験場(農林水産省小豆育種指定試験地)において、草型の優れる「93142(F6)」を母、アズキ落葉病、茎疫病、萎凋病抵抗性の良質系統「十系590号」を父として人工交配した雑種後代から育成された。2004年に北海道の優良品種に採用されるとともに、農林水産省の新品種として認定され、「きたほたる」と命名登録された。「きたほたる」は、「ホッカイシロショウズ」より餡色が白く明るい色調で、加工適性が優る。また成熟期が同品種並みからやや早く、アズキ落葉病、茎疫病、萎凋病に抵抗性を持つ。「きたほたる」を「ホッカイシロショウズ」に置き換え、 l00ha程度の白小豆栽培面積を確保することにより、良質の白アズキを本州産より低価格で安定的に供給することが可能となり、新たなユーザーを獲得して、安定した需要が確保できると考えられる。
著者
相川 充 藤田 正美 田中 健吾
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.95-103, 2007

The present study investigated the validity for Japanese students of a vulnerability model of social skills deficits proposed by Segrin (1996). According to the model, it was assumed that social skills deficits were not causes or consequences of depression, loneliness, and social anxiety. Rather, they constituted vulnerability factors, and it was the interaction of social skills deficits and negative life events that predicted the development of depression, loneliness, and social anxiety. Two hundred and fifty-three students recorded scales of social skills, depression, loneliness, and social anxiety three times at intervals of three months. Results indicated that the interaction of social skills deficits and negative life events predicted the development of depression, loneliness, and social anxiety significantly in some cases, but social skills deficits alone were also significant in their prediction. It was considered that the method of using a multiple regression analysis following Segrin (1996, 1999) would not be appropriate for proving the model. The validity of lumping depression, loneliness, and social anxiety together and applying them to the same model was discussed.
著者
三浦 誠司 西岡 道人 野澤 慶次郎 藤田 正信 青木 久恭 和田 浩明 捨田利 外茂夫 三重野 寛治 小平 進
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.18-23, 1998-01
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

22歳,男性.主訴は入工膣からのガス・便の排出.1年10か月前に海外で膣造設術を含む性転換手術を受けている.造影および内視鏡検査では瘻孔は高位にあり,直腸膣中隔の膣側上皮は広汎に欠損していた.手術は経仙骨的アプローチで施行し,直視下に瘻孔を切除して層々に縫合閉鎖した.術後3年以上経過した現在,再発はない,本症例は腹部や大腿部に創痕が残るような術式を拒んだため,瘻孔を閉鎖できたが,膣を安全に使用できるような術式ではなかった.男性性転換手術者に発生する直腸膣瘻の治療は困難で,その理由として発生原因が人工膣の萎縮防止用ステントを長期間使用したための圧迫壊死であること,および造膣手術時に広範囲に剥離が行われていて周囲組織を瘻孔閉鎖手術時の修復に利用できないことなどがあげられている.欧米の報告では本症の発生率は低いが,観察期間が短いものが多いことから過小評価されている可能性が考えられる.
著者
藤田 正
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.125-128, 2008-03-31

大学生の完全主義傾向と日常生活における学習課題の先延ばし行動との関係を明らかにするために、大学生119名を対象に、新完全主義尺度(「完全欲求」、 「高目標設定」、 「失敗過敏」、 「行動疑念」より構成)と学習課題先延ばし傾向尺度(「課題先延ばし」と「約束への遅延」より構成)を実施した。完全主義傾向と学習課題先延ばし行動の関係を調べるために両者の相関を検討した。その結果、 「課題先延ばし」と「約束への遅延」の両方で、 「失敗過敏」と「行動疑念」の間にのみそれぞれ正の有意な相関がみられた。これらの結果から、完全主義傾向を構成するすべての要因が学習課題先延ばし行動に関係するのではなく、 「失敗過敏」や「行動疑念」のような、どちらかといえば行動を抑制したり、不適応に結びつきやすい要因が関係することが明らかになった。
著者
藤田 正
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.43-46, 2005-03-31

日常生活における学習課題の先延ばし行動と失敗行動の関係を明らかにするために,大学生175名を対象に、学習課題先延ばし傾向尺度と失敗傾向尺度を実施した。新たに作成した課題先延ばし傾向尺度を因子分析した結果、「課題先延ばし」と「約束事への遅延」の2因子が見出された。次に、先延ばし傾向と失敗傾向の関係を調べるために両者の相関を検討した結果、両者の間には全体得点で中程度の有意な正の相関が見出された。さらに失敗傾向の下位尺度(アクションスリップ、認知の狭小化、衝動的失敗)のすべてにおいても有意な正の相関が見出された。また、先延ばし傾向高群は、低群に比べ全ての失敗傾向において有意に高い得点であった。これらの結果から、課題先延ばし行動は失敗行動と強く関係していることが明らかになった。
著者
長根 裕美 鈴木 潤 藤田 正典 隅藏 康一 富澤 宏之 永野 博 安田 聡子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では、日本の科学研究の低迷をもたらした研究システムの負のメカニズムを解明し、日本の科学研究界にブレークスルーをもたらす改善策を提案する。日本の科学研究の凋落がセンセーショナルに報道されている。その主な原因としては、経済の低迷のほか、近年の大学改革の失敗が挙げられるが、実際のところ、確たるエビデンスがあるわけでなく、あくまで示唆にとどまっている。なぜ日本の科学研究力は低下したのか?本研究は定量的に研究力低下の負のメカニズムを解明するとともに、定性的なアプローチでもってその定量分析の結果の確からしさを検証していく。
著者
藤田 正 野口 彩
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.101-106, 2009-03-31

大学生の依存性、自己完結型セルフ・コントロールと学習課題先延ばし行動との関係を明らかにするために、大学生152名を対象に、依存性自己評定質問紙、他者介在型SC/自己完結型SC評定尺度と学習課題先延ばし傾向尺度(「課題先延ばし」と「約束への遅延」より構成)を実施した。変数間の関係を調べるために相関を検討した。その結果、「課題先延ばし」と、「自己完結型SC」の間にのみ有意な負の相関がみられた。また、自己完結型SCは、「統合依存」との間に有意な正の相関がみられた。これらの結果から、依存性が先延ばし行動に直接影響する要因ではなく、自己完結型SCを介在して学習課題先延ばし行動に関係することが明らかになった。
著者
藤田 正 岸田 麻里
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.71-76, 2006-03-31

大学生の日常生活における学習課題の先延ばし行動とその原因の関係を明らかにするために、大学生142名を対象に、予備調査に基づいて作成された先延ばし行動の原因調査項目と学習課題先延ばし傾向尺度(「課題先延ばし」と「約束への遅延」より構成)を実施した。先延ばし行動の原因調査項目を因子分析した結果、「興味の低さによる他事優先」、「先延ばし肯定・容認」、「課題困難性の認知」の3因子が見いだされた。次に、学習課題先延ばし傾向とその原因の関係を調べるために両者の相関を検討した。その結果、課題先延ばしと「興味の低さによる他事優先」、「課題困難性の認知」の間に正の有意な相関がみられた。また、約束への遅延と「興味の低さによる他事優先」の間に有意な正の相関がみられた。これらの結果から、大学生の学習課題先延ばし行動の原因として最も大きな影響をもたらすものは、課題に対する興味の低さにより他事を優先して行うことであると結論づけた。
著者
堂前 幸康 川西 亮輔 白土 浩司 原口 林太郎 藤田 正弘 山内 悠嗣 山下 隆義 藤吉 弘亘 秋月 秀一 橋本 学
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.95-103, 2020 (Released:2020-01-16)
参考文献数
16

We proposed a picking robot system which is apllicable to various mixed items in shelves. The robot has a two-finger gripper which can change the open width of the finger. To determine the position, the pose and the open width when the gripper pick items, we proposed efficient determination algorithm which is based on a RGBD sensor data. In our experiments, 25 items of Amazon Picking Challenge 2015 can be picked well by our proposed system. In this paper, we describe the system, the algorithms and the experimental results.
著者
藤田 正
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.409-447, 1982-07-31
著者
藤田 正
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
no.14, pp.43-46, 2005-03
被引用文献数
2

日常生活における学習課題の先延ばし行動と失敗行動の関係を明らかにするために,大学生175名を対象に、学習課題先延ばし傾向尺度と失敗傾向尺度を実施した。新たに作成した課題先延ばし傾向尺度を因子分析した結果、「課題先延ばし」と「約束事への遅延」の2因子が見出された。次に、先延ばし傾向と失敗傾向の関係を調べるために両者の相関を検討した結果、両者の間には全体得点で中程度の有意な正の相関が見出された。さらに失敗傾向の下位尺度(アクションスリップ、認知の狭小化、衝動的失敗)のすべてにおいても有意な正の相関が見出された。また、先延ばし傾向高群は、低群に比べ全ての失敗傾向において有意に高い得点であった。これらの結果から、課題先延ばし行動は失敗行動と強く関係していることが明らかになった。
著者
藤田 正悟 上垣外 英剛 船越 孝太郎 奥村 学
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2021-NL-250, no.3, pp.1-6, 2021-09-21

抽出型要約は元の文書において重要度が高い文を抽出し要約として再構成する手法であり広く使われている.その一方,この方法では複数文書を横断して重要文を抽出し要約を構成する際に,抽出された文の順序が適切ではない場合がある.解決策として既存の文並び替えモデルを使って文並び替えを行うことが考えられるが,抽出型要約に適した文並び替えの教師データが存在せず,尚且つ抽出型要約において並び替えを考慮した評価尺度が存在しないという問題がある.そこで我々は抽出型要約に適した文並び替えの教師データの作成手法と抽出型要約を並び替える場合の評価指標を提案する.いくつかのベースラインと比較した結果,我々の評価指標は特に一貫性において人手評価と高い相関を示した.
著者
三浦 誠司 西岡 道人 野澤 慶次郎 藤田 正信 青木 久恭 和田 浩明 捨田利 外茂夫 三重野 寛治 小平 進
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.18-23, 1998 (Released:2009-06-05)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

22歳,男性.主訴は入工膣からのガス・便の排出.1年10か月前に海外で膣造設術を含む性転換手術を受けている.造影および内視鏡検査では瘻孔は高位にあり,直腸膣中隔の膣側上皮は広汎に欠損していた.手術は経仙骨的アプローチで施行し,直視下に瘻孔を切除して層々に縫合閉鎖した.術後3年以上経過した現在,再発はない,本症例は腹部や大腿部に創痕が残るような術式を拒んだため,瘻孔を閉鎖できたが,膣を安全に使用できるような術式ではなかった.男性性転換手術者に発生する直腸膣瘻の治療は困難で,その理由として発生原因が人工膣の萎縮防止用ステントを長期間使用したための圧迫壊死であること,および造膣手術時に広範囲に剥離が行われていて周囲組織を瘻孔閉鎖手術時の修復に利用できないことなどがあげられている.欧米の報告では本症の発生率は低いが,観察期間が短いものが多いことから過小評価されている可能性が考えられる.
著者
亀田 徹 伊坂 晃 藤田 正人 路 昭遠 一本木 邦治
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.903-915, 2013-11-15 (Released:2014-01-07)
参考文献数
75

救急室や集中治療室で超音波検査(ultrasonography: US)は手軽に利用できるようになり,循環動態の評価のため焦点を絞ったUSによる下大静脈(inferior vena cava: IVC)の観察が広く行われるようになってきた。USによるIVC径(IVC diameter: IVCD)の計測では,IVCDに影響を及ぼす因子を事前に理解しておくことが大切である。患者の状態が安定していれば,体位は通常仰臥位にするが,症例により左側臥位による再評価が推奨される。呼吸はsniff(鼻をすする動作)が適切である。計測部位は一般に肝下面で右房入口部から0.5-3cm程度の位置とする。IVCの縦断像でIVCDを計測するが,事前に横断像で形態を確認しておくことは有用である。表示としてBモードもしくはMモードを選択するが,それぞれのモードの特性を考慮して利用する。IVCDの実測の代用として目測による評価も有用で,素早く施行可能なことからとくに重症患者において利用価値が高い。これまで日常臨床ではIVCDとその呼吸性変動の組み合せで右房圧の推定が行われてきたが,近年欧米ではその推定規準が見直された。またIVCDやその呼吸性変動を指標にすれば,非代償性心不全の診断や水分管理,初期蘇生における循環血液量減少の評価,人工呼吸中の輸液反応性の評価にも有用であるという報告がなされている。急性期診療において焦点を絞ったUSによるIVCの観察を加えることで,より非侵襲的で正確な輸液管理が可能になるかもしれないが,その確証を得るには今後標準化された計測方法と評価基準を用いた臨床研究が必要となる。
著者
藤田 正雄 波夛野 豪
出版者
日本有機農業学会
雑誌
有機農業研究 (ISSN:18845665)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.53-63, 2017-12-25 (Released:2019-05-21)
参考文献数
16

有機農業への新規および転換参入者を対象とするアンケート調査を2013年9月から12月に実施した.新規および転換参入ともに,参入のきっかけは「安全・安心な農産物を作りたい」が最も多く,販路を自分で開拓し,農業粗収益,実施面積も,参入時に比べ増加していた.しかし,栽培技術の未熟さが,新規,転換参入ともに経営安定の課題であった.また,有機農業の実施面積率では,新規参入者は開始時より100%実施しているという回答が多く,転換参入者は部分実施が多かった.販売先では,参入時において新規が消費者への直接販売,転換は農協・生協が多かったが,現在ではともに流通業者の割合が増加していた.有機農業者を増やすには,栽培技術の確立と地域の条件に応じた普及体制の整備が求められる.