著者
角田 光弘
出版者
拓殖大学経営経理研究所
雑誌
拓殖大学経営経理研究 = Takushoku University, the researches in management and accounting (ISSN:13490281)
巻号頁・発行日
no.112, pp.235-256, 2018-03

かつてのロジスティクス企業とは異なり,現代ロジスティクス企業の中核人財としてのトラック・ドライバーは労働時間がかつてよりも減少する一方で,その報酬も減少しているのではないかと考えられ,人手不足や若手従業員不足などともあいまって,現代ロジスティクス企業の戦略的経営課題が質的に変化している。その原因が現代ロジスティクス企業に広く普及していると考えられる「歩合給」を伴う報酬制度にあると考えると,株式会社カワキタエクスプレスにおける「スキル給」を伴う報酬制度は,現代ロジスティクス企業の戦略的経営課題の質的変化に対する取り組みの1 つと考えられる。これらのことは,労働時間は減少しているものの報酬も減少しており,人手不足や若手のトラック・ドライバー離れを抱える現代ロジスティクス企業の今後の報酬制度のあり方に対して新たな示唆を与えるものであり,「歩合給」を伴う報酬制度を採用していて,かつ労働時間は減少しているものの報酬も減少しており,人手不足や若手従業員不足などの戦略的経営課題の質的変化に直面している他の業界の企業の報酬制度に対する示唆にもなりうると考える。