著者
植村 哲也 近藤 憲治
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

半導体中の核スピンは量子力学的な重ね合わせ状態を長く維持することができ,量子計算機の量子ビットとして有望である.本研究では,強磁性電極から半導体への電気的スピン注入と核電気共鳴(NER)効果を併用し、電気的制御のみで核スピンをナノメートルスケールの空間分解能で選択的に制御できる素子を開発した.具体的には,高いスピン偏極率を有するCo2MnSi電極からGaAsへの高効率スピン注入と,スピン注入信号のゲート電圧による高効率制御を実証した.さらに,注入した電子スピンを用いて,GaおよびAs原子の核スピンを高効率に偏極し,ゲート電極に印加した高周波電場により核スピンに対するNER操作を実証した.
著者
近藤 憲治 寺本 央
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.1112, 2016

<p>Bi_2_Te_3_における表面の電子状態のヘキサゴナルなワーピングを解明するFuの論文により、実験によるDirac-Coneの歪みの理解が進んだ。しかしながら、特異点論の考察から、3次摂動ではミニマルなモデルではないことがわかり、3次より高次の摂動を考慮した場合、質的な変化も起こりうるので、5次までの摂動計算を行った。その結果、質的な変化はないが、有意な定量的な変化がエネルギーバンドならびにスピン分布にもたらされたので、報告する。</p>