著者
酒井 善則 鶴原 稔也
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.239-243, 2012-01-01 (Released:2012-01-01)
参考文献数
11

学会への論文投稿は研究者等の重要なミッションであるが,最近二重投稿問題や剽窃問題等の増大が懸念されている.特に,最近のICTやインターネットの発展によりこれらの問題が顕著になっており,学会としての対応も求められている.剽窃問題等が明らかになった場合,研究者個人だけでなくその所属する大学や企業等の組織に与える影響も大きく,更には科学技術全体に対する社会的評価をおとしめることとなる.本稿ではこれらの問題の現状の一部を紹介し,背景について解説するとともに,倫理に関する啓発活動が重要なことを述べる.
著者
佐々木 祥 宮田 高道 稲積 泰宏 小林 亜樹 酒井 善則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.20, pp.14-27, 2007-12-15
参考文献数
16
被引用文献数
4

近年急速に普及しているソーシャルブックマークは,ユーザ間でブックマークを共有できるサービスであり,新たな情報収集ツールとして注目されている.ソーシャルブックマークでは,ユーザはwebコンテンツにタグと呼ばれる自由記述のキーワードを付与できるため,既存研究においてタグの名称に着目したwebコンテンツ推薦システムが提案されている.しかしながら,ユーザの嗜好はタグの名称ではなく,タグを表象として関連付けられたwebコンテンツ群(以下,コンテンツクラスタ)として表出するものといえる.そこで本研究では,コンテンツクラスタ間の類似度を仮説検定問題として求め,得られた類似度に基づくwebコンテンツ推薦システムを提案する.また,提案手法の検証実験によって,付与するタグの名称が他のユーザと異なるユーザに対しても有効に推薦することが可能であるなどの有効性を確認することができた.The web-based bookmark management service called social bookmark has recently been in the spotlight and come to be recognized as a new information sharing tool.Social bookmark service allow users to tag keywords to each of their entries. These keywords are called 'tags'. There are some conventional studies of the web content recommendation system based on social bookmark which is focused to actual words of tags. However, the essential information of tags is not tag names, but classification of web contents by tags (we called the result of this classifications as contents cluster). Based on this assumption, we calculate similarities between contents clusters by using hypotheses test. By using calculated similarities, we proposed the web content recommendation system based on these similarities. It has been shown that our proposed method is working well, as the fact that appropriate recommendation can be offered to users, including who tagged different named tags to the same contents.
著者
佐々木 祥 宮田 高道 稲積 泰宏 小林 亜樹 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.150, pp.67-72, 2006-07-07
被引用文献数
2

近年急速に普及しているsocial bookmarkは,これまで利用者が個別に管理していたbookmarkをネットワーク上で他の利用者と共有するサービスである.これらのサービスでは多くの場合,利用者がbookmarkに対して「タグ」と呼ばれる自由記述のキーワードを付与することによって管理を行うFolksonomyと呼ばれる分類法を採用している.このようにして利用者が付与したタグ情報の集合は,多数の利用者によって成長を続けるメタデータであるとみなせるため,このタグ情報を利用することにより効率的なコンテンツの検索や推薦を行うことができると考えられる.しかしながら,利用者はあくまで自分自身の嗜好に基づいてタグ付けを行っているため,分類に使用したタグ名そのものは,必ずしも他の利用者とって適切なものであるとは限らない.そこで本研究では,タグの持つ本質的な情報を,タグ名ではなく,タグによるコンテンツの分類情報であると仮定し,分類間の類似度に基づいて利用者に対して望ましいコンテンツの推薦を行うシステムを提案する.
著者
望月 貴裕 藤井 真人 篠田 浩一 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.1009-1023, 2010-06-01
被引用文献数
2

スポーツ映像から特定シーンを効率良く検索する技術の実現が強く望まれている.我々は,シンボル列化したシーンの離散HMMを用いた学習による,野球映像の各シーンのプレイ種識別手法を提案した.しかし,出塁及びアウトカウント増加の起こる7種の「打席完了」プレイ種のみを識別対象としていたため,打席の完了しないプレイ種(投球のみ,ファウル,牽制及び盗塁)を識別対象に加えた場合,十分な識別精度が得られなかった.そこで本論文では,我々の従来手法に対し,新しく2種の「プレイ種相関度」を識別尺度として加えた野球映像のプレイ種識別手法を提案する.プレイ種相関度の一つは,シンボル列を構成するシンボルの中の「代表シンボル」の出現頻度に関するものであり,シンボル列全体ではなく個々のシンボルに注視した特定プレイ種との相関の強さを表す.もう一つは,投球ショット間隔に関するものであり,投球ショット間隔の長さのプレイ種との相関の強さを表す.学習用シーンのシンボル列を学習したHMMによるプレイ種ごとの出力ゆう度と,2種のプレイ種相関度を重み指数を付加して掛け合わせて各プレイ種の総合的なゆう度を算出し,識別を行う.そして本論文では,MLB放送映像を用いた実験により,打席完了プレイ種だけでなく,打席の完了しないプレイ種を含めた11のプレイ種を従来手法よりも高い精度で識別可能であることを示す.
著者
趙 剛 小林 亜樹 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.311, pp.23-28, 2000-09-14
被引用文献数
2

近年、画像内容検索技術が非常に注目されており、本研究室では、キーワードによる画像検索システムを提案してきた。従来システムの検索アルゴリズムでは、各量子化器の出力値が0か1の二値であり、最終出力に対して同等の影響を持つ。しかし、実際には量子化器の検索への重要性にばらつきがあるため、検索効率に悪影響を及ぼしていた。本稿では、量子化器の出力値の多値化による検索アルゴリズムを導入する。その実現手法として、実数値による重みの概念を導入して、量子化器単位における重み付け法やクラスタ単位における重み付け法を提案・実践し、対ユーザーインターフェースを作成し、実画像を用いた検索実験で提案アルゴリズムの有効性を確認した。
著者
福田 裕海 山岡 克式 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.441, pp.47-52, 2004-11-11

IPでの移動性を実現するモバイルIPに関してハンドオフ時の切断時間とそれに伴うパケットロスに関する様々な検討が行われているが,ストリーミングアプリケーション利用時にハンドオフ時の経路変更が引き起こす遅延変動により生じる移動端末の再生品質劣化についてはほとんど検討されていない.そこで本研究ではこの問題を解決する新しいハンドオフ手法を提案する.本提案方式では,ハンドオフごとに複数の経路を設定,保持し,ストリーミングの再生に適した遅延変動の少ない経路を移動端末がハンドオフ時に受信経路として選択することによりハンドオフ時のストリーミング再生品質劣化を減少することが可能となる.これにより再生ストリーミングの初期バッファ量を減少させることができ,再生遅延やバッファ量の減少が可能となる.計算機シミュレーションにより提案方式の有効性を示した.
著者
宮田 高道 岩下 英史 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.380, pp.39-43, 2010-01-14

携帯電話に代表される低解像度のディスプレイで,高解像度の動画像を視聴する際には解像度変換が必要となる.一方,低解像度ディスプレイでの閲覧時にユーザが各自の所望の箇所を拡大して閲覧可能なvirtual cameraworkと呼ばれるユーザインタフェースも提案されている.そこで本研究では,ある動画像について複数の視聴者がvirual cameraworkを用いて提示範囲を指定したときの操作履歴から,視聴者の人気集中度等の情報を得た.これに基づいて多くの視聴者が所望する箇所を可能な限り縮小せずに提示することを目的とし,動的輪郭モデルやSeam Carvingのアルゴリズムを応用した集合知による解像度変換法を提案した.これらの手法を単純なダウンサンプリングと客観評価尺度によって比較し,提案する解像度変換の有効性を検討した.
著者
佐々木 祥 宮田 高道 稲積 泰宏 小林 亜樹 酒井 善則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.78, pp.407-413, 2006-07-14

近年急速に普及しているsocial bookmark は,これまで利用者が個別に管理していたbookmarkをネットワーク上で他の利用者と共有するサービスである.これらのサービスでは多くの場合,利用者がbookmarkに対して「タグ」と呼ばれる自由記述のキーワードを付与することによって管理を行うFolksonomyと呼ばれる分類法を採用している.このようにして利用者が付与したタグ情報の集合は,多数の利用者によって成長を続けるメタデータであるとみなせるため,このタグ情報を利用することにより効率的なコンテンツの検索や推薦を行うことができると考えられる.しかしながら,利用者はあくまで自分自身の嗜好に基づいてタグ付けを行っているため,分類に使用したタグ名そのものは,必ずしも他の利用者とって適切なものであるとは限らない.そこで本研究では,タグの持つ本質的な情報を,タグ名ではなく,タグによるコンテンツの分類情報であると仮定し,分類間の類似度に基づいて利用者に対して望ましいコンテンツの推薦を行うシステムを提案する.The web-based bookmark management service called social bookmark has recently come to be widely used. In the social bookmark, a user can add one or more keywords called `tags' to their own bookmark for future use. The tag information gathering from a lot of users allows us to classify the web contents including database of social bookmark. This classification method is known as Folksonomy. Furthermore, we can qualify the tag information as the effective meta-data for search and recommendation use. However, a user hardly adds tags considering other user's convenience. Because of this behavior, a user will be not satisfied with the way to classify web contents by the name of tags. In this paper, we assume that the essential information of tags are not tag names, but classifications of web contents by tags. Based on this assumption, we have proposed the content recommendation system based on the similarities between the classifications.
著者
渡邉 玲児 宮田 高道 稲積 泰宏 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.9, pp.1645-1648, 2010-09-01

本研究では,Web画像データベースによる画質改善法とTV正則化法を用いた復元法を組み合わせ,画像のテクスチャ成分を復元しつつ,かつブロックノイズの発生を抑える手法を提案する.実験結果により,提案手法が画質改善に有効なことを示す.
著者
稲積 泰宏 吉田 俊之 酒井 善則 堀田 裕弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.1130-1142, 2002-07-01
被引用文献数
29

リアルタイム動画像通信に関するアプリケーションが普及する一方で,ユーザ数やユーザ当りの需要帯域の増大等によって帯域の確保が困難となっていることを背景として,動画像を利用可能なビットレートに再符号化して伝送するトランスコーダの必要性が高まっている.ユーザから見たサービス品質を可能な限り高く保つためには,動画像の空間・時間方向の情報をバランス良く削減する画質評価基準が必要がある.従来のトランスコーダは主に2乗誤差に基づく制御が行われているが,2乗誤差はユーザが視・知覚する動画像品質(主観評価品質)を直接に表しているとはいえない.そこで本論文では,ビデオサーバに蓄えられた動画像(原画像)を指定されたビットレートで再符号化する際に,主観評価品質を最大化するフレームレート(最適フレームレート)の推定手法を提案する.本手法は,多くの主観評価実験による平均オピニオン評点(MOS:Mean Opinion Score)を少数のパラメータを含む関数で近似し,原画像から得られる特徴量を用いて関数のパラメータを推定する.この関数に対して指定されたビットレートを与え,その最大点を求めることによって最適フレームレートを得る.提案法を用いてopen dataに対する最適フレームレートを区間推定した結果,平均誤差4frames/s程度で推定可能なことを確認している.
著者
富永 英義 MUSMANN H. JUDICE C. KUNT M. CHIARIGLIONE エル 小舘 亮之 児玉 明 安田 浩 小松 尚久 相沢 清晴 田崎 三郎 酒井 善則 安田 靖彦 JOZAWA Hirohisa YABUSAKI Masami MIKI Toshio SAKURAI Yasuhisa FUKUDA Toshio ALGAZI V. SHAFER R. KOMIYA Kazumi ALGAZI V PROF.H. Musm SHAFER R. 羽鳥 光俊 原島 博 辻井 重男 花村 剛
出版者
早稲田大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

前年度の活動の成果として得られた、シンタックス、ツール、アルゴリズム、プロファイルという4つの異なる要素から構成するフレームワークを基本構造とし、今年度は,主に,具体的要素技術の比較および評価,確認実験モデルの作成,動画像ドキュメントアーキテクチャの概念に基づく符号化方式の具体化作業を行なった。まず、具体的要素技術の比較評価テストについて。Functionality、テスト画像クラス、ビットレートによって評価対象を分類し、比較評価テストを行なった。ただし、テストの際、基準となる比較対象(アンカー)として、CIFフォーマットを用いたMPEG1およびCIFあるいはQCIFを用いたH.263を使用した。比較評価の結果、10kbpsを中心とした低ビットレート範囲ではビットレートが高くなるほどアンカーおよびブロックベース手法の結果が良好であること、低ビットレートにおいてはフレームレートの設定がその画質評価結果を大きく左右する要因であること、Content based functionaliesを有する方式はアルゴリズムの種類が増大し要素としての評価が難しい傾向を示すこと、が主に明らかとなった。良好な性能を示す要素技術の候補としては、long term memory, short term memoryを併用する手法、イントラフレームにウェーブレットを適用する手法、グローバル動き補償とローカルアフィン動き補償の組合わせ、ブロック分割手法、matching pursuits手法等が挙げられた。次に、確認実験モデルの作成について。長期に渡る議論の結果、確認実験モデルとしてはビテオオブジェクト平面という概念で表される複数のビテオコンテントを入力情報源として適用可能なモデルが選択された。この確認モデルは、H.263の拡張動きベクトルおよびアドバンスト予測方式を採用すること、2値形状は4分木符号化、多値形状は4分木符号化+VQを使用すること、コンテント境界はpaddingを行って符号化することを主な条件として作成されることとなった。最後に、動画像ドキュメントアーキテクチャの概念に基づく符号化方式の具体化について。メディアの統合的扱いが可能なフォーマットおよび既存データの再利用機能が将来のマルチメディア情報環境において特に重要であるという観点から、文書の編集加工処理を構造的に行なうデータアーキテクチャであるODAの概念をビデオ・ドキュメントアーキテクチャ(VDA)として動画像符号化への適用を試みた。まず、ビデオコンテントをカメラの光軸に垂直な単一の静止平面(背景のみ)と仮定しこれを入力としてカメラパラメータを分離符号化する方式を検討した。続いて、αマップと原画像情報を入力として、VDAの概念に基づいたプロセッサブル符号化方式を検討した(H.263を基本とし、任意形状に対応した直交変換、αマップ符号化、コンテント・時間単位データ多重化を主に加えた構成)。実験の結果、前者の方式は正確なカメラパラメータが計測できる場合約50[dB]の平均SNRで複号化できる能力をもち、検出するパラメータ誤差が蓄積するに従ってこの値が急激に減少する傾向を子示すことが分かった。また、攻守の方式については、カメラ操作およびビデオコンテントの移動・消去・表示優先度・追加等の編集シミュレーションを行ない、意図した動画像の編集加工機能・データ再利用機能がVDAモデルにより効果的に実現されていることを確認した。また、簡単な加工用データ操作記述言語を試作することにより、編集処理の迅速性、内容の可読性が大きく向上されることを示した。今後は、画像合成を行なう際のMapping処理の高速化、ビテオコンテントのデータのバッファリング処理、透明度を考慮したαマップ符号化、ランダムアクセス機能の実現手法・ドキュメントアーキテクチャの概念で扱えるメディア範囲の拡張などが課題として挙げられた。
著者
酒井 善則 山岡 克式 小林 亜樹
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は検索しやすく効率良いCDNをインターネット上で実現するために、コンテンツを主体とした新しい分散制御形コンテンツ配信ネットワークの基本的アーキテクチャを確立することを目的としている。本研究の主なポイントは、(1)メタ情報をもとにコンテンツの蓄積するサーバを検索する方式の開発、(2)コンテンツあるいはメタ情報が自律的に漂流するアルゴリズムの実現、(3)遅延の小さいリアルタイムメディア転送方式の実現、(4)コンテンツを媒介とした課金・集金方式の実現、の4点である。(1)についてはメタ情報をもとにしたクエリを確率的にネットワークにフラッディングして検索する手法を開発して、その有効性を確かめた。(2)については、コンテンツに検索履歴のリーク積分値を人気値として付加して、人気値の大小によりキャッシュで消去するコンテンツを決定し、かつコンテンツコピーを蓄積するたびに人気値を分割して付加するアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムを用いることにより実効的にコンテンツの人気を推定して、かつ蓄積ノード間で情報をやりとりすること無しに、コンテンツを介してノード間の協調が可能であることを示した。(3)については、ネットワーク内ノードが再送要求パケットを観測することにより、自らの判断でプロトコルを中継して再送遅延を小さくでき、結果的に遅延オーバーによるパケット損失が小さくなることを明らかにした。(4)については匿名課金および販売の可能なプロトコルを開発した。なお、本研究成果については実験システムを試作して、各提案アルゴリズムの有効性を明らかにした。
著者
西原 功 吉田 俊之 酒井 善則
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.148-156, 1999-01-20
被引用文献数
32 1

The block matching technique, which is the most widely utilized technique for motion vectors(MVs), often estimates noisy MVs in matching blocks(MBs), which have less variation in brightness or contain a single edge. To improve accuracy and coherence of MVs, this paper proposes a new estimation technique. This technique comprises MB classification based on a reliability metric for MVs, MB integration, and recalculation of MVs for integrated MBs. Several examples have shown that it can accurately estimate MVs even for flat or edge MBs due to the integration. It was applied to an MPEG encoder and a retrieval system for motion pictures. An evaluation of the coding and retrieval efficiencies demonstrated the validity of the proposed approach.
著者
藤崎 宣彦 宮田 高道 稲積 泰宏 小林 亜樹 山岡 克式 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.608, pp.95-100, 2006-02-20
参考文献数
12
被引用文献数
5

あいまいな記憶からキーワードを用いず動画像検索を行う画像内容検索では,クエリ作成,及び,ユーザインタフェースが重要である.これに対し,我々は,静止画像検索において,候補画像の自動生成を行う適合性フィードバックによって,簡単な操作でのクエリ作成を可能とするユーザインタフェースを,提案してきた.本稿では,これを動画像検索に適用するために,動きの特徴量として縦横方向の動きの大きさをインタフェースに導入し,これからクエリを生成,また,動きベクトルのヒストグラム空間でのマッチング手法を用いた動画像検索システムを提案する.提案システムでは,所望の動画像に似ているものを提示される候補画像の中から選択することの繰り返しにより,属性情報が絞り込まれ,クエリを作成する.提案手法を実装した試作システムにより,動画像検索においても,選択式の簡単なインタフェースを持つシステムが有効であることを確認した.
著者
小林 亜樹 吉田 俊之 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.306, pp.19-24, 1998-09-25
参考文献数
3

コンピュータ上で画像を扱うことが一般化する中、画像データベース上での検索要求が高まっている。われわれは、比較画像の提示と類似度高低による選択入力という、利用者が容易に操作可能なインタラクションを通じて画像検索を行う方式を提案してきた。本稿では、特徴量空間における目標画像との距離分布(類似度分布)にマハラノビス距離を想定し、このパラメータを推定する手法について述べる。本方式による画像検索は、順位付けした検索結果提示、および特徴量間にある一定の相関までも表現可能といった特徴がある。まず、特徴量と特徴量空間について説明した後、本方式における画像検索の概要と、各パラメータの推定原理について述べる。その後、実際の検索システムに応用するにあたり、インタラクティブな操作に必要な比較画像についての条件やパラメータの推定手順を提案する。最後に、想定類似度分布にパラメータ推定手順を適用したシミュレーション結果を示し、本手順の機能を確認する。