9 0 0 0 OA II. 精米

著者
野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.89-93, 1975-02-15 (Released:2011-11-04)

今回は酒造りではややもすると見過ごされやすい「精米」について, 広範な文献をもとに今昔を解説して頂いた。「昔と今の酒造法の最大の相違は精米歩合の差である」という結語までの論の展開に魅せられてしまうであろう。
著者
野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.640-644, 1974-10-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
27

米の価格は清酒の製造原価の60%以上を占めている。米価の大幅上昇, アル添・三増の減少によりこの比率は今後さらに高くなるであろう。清酒業はこれまで価格の高い米をに尊重してきたが, コストダウンのためには米についてもう一度よく考えてみる必要があろう。最近の研究の結果をもふまえて, 筆者は米に対する新しい考え方を説いている。特に精米操作の重要性など深く考える必要があろう。
著者
野白 喜久雄 百瀬 洋夫
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.88-91, 1970-02-15 (Released:2011-11-04)
被引用文献数
5 5

火落ちを防止するためには, その根本原因である火落菌の性質を熟知する必要がある。そこで清酒に関係する乳酸菌について研究されている筆者に, 火落菌の種類と清酒中の挙動について解説していただくと同時に, 火落防止に対する基本的考え方を示していただいた。

1 0 0 0 醸造学

著者
野白喜久雄 [ほか] 編
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1993

1 0 0 0 OA 稲麹と酒造り

著者
小泉 武夫 鈴木 昌治 野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.476-478, 1984-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
5

古い文献によれば, 稲贅花 (オンクワ) と呼ばれる稲穂の上に生ずる稲麹を素種として麹造りを行なっていたという。種麹の変遷とも関連して, この稲麹が酒造りに果たした役割は興味のあるところである。最近, 稲麹について調査研究をされた筆者にその周辺を解説していただいた。
著者
原 昌道 深田 雄一 野崎 英雄 小幡 孝之 野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.569-573, 1976-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
11

アルコール耐性の著しく強い協会7号酵母の変異株 (6-4-C, 26-3-C) と親株 (協会7号) を用いて総米1.2kgと20kgの仕込を行った。1. アルコール無添加で36日間清酒醪を発酵した場合, 変異株醪の酵母はほとんど死滅せず, アルコールが20%以上生成し, 粕歩合も小さかった。他方, 親株の醪は24日預より急激な酵母の死滅がみられ, アルコールの生成は18.6%で停止した。また留後20日目にアルコールが20%になるようにアル添した場合, 親株の醪では酵母は急激に死滅したが, 変異株の醪にはこのような現象はなかった。2. 変異株の発酵末期 (留後20日以降) の成分ならびに製成酒の成分は親株のそれと比較して, formol-Nが小さく, pHが低く, 酸がやや多く, ITT値が大きく, 色が薄く, ピルビン酸含量が多かった。また製成酒の貯蔵着色が小さかった。3. 変異株の酒は親株の酒に比して火落菌の繁殖が悪かった。
著者
角田 潔和 小泉 武夫 小玉 健吉 野白 喜久雄
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.951-955, 1987
被引用文献数
1 1

(1) 樹液酵母1670株を用いてプロテアーゼを菌体外に分泌する酵母のスクリーニングを行った.<br> (2) 二次スタリーニングを通過した菌体外プロテアーゼ分泌株32株を供試して培養濾液中のプロテアーゼを測定したところ,いずれの株も酸性で働くプロテアーゼの分泌が最も高かった.これに対して中性で働くプロテアーゼの分泌はわずかであり,アルカリ性におけるプロテアーゼは痕跡程度の分泌であった.これらの供試株中から最も酸性で働くプロテアーゼの強い1株を得,最終目的株とした.<br> (3) この最終目的株<i>Candida</i> sp. KSY-188-5について菌学的諸性質を検討し,偽菌糸形成能,炭素源の醗酵性,資化性,赤色油滴状物質の発現および色素の溶出等より,本株を<i>Candida pulcherrima</i>と同定した.
著者
鈴木 昌治 小泉 武夫 野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.367-373, 1986-06-15 (Released:2011-11-29)
参考文献数
28
被引用文献数
1

吟醸香の生成機作, 特に発酵条件との関係については未だ不明な点も多く, 本稿でも, これから解明されるべき問題とされているところも多いが, 実験事実に勝るものはない。著者らは吟醸もろみの芳香生成の動的変化を適確かつ詳細に分析した。吟醸造りに与える示唆も非常に多い。関心ある読者の方々に一読をおすすめする。
著者
池見 元宏 斎藤 久一 小泉 武夫 野白 喜久雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.831-834, 1981-12-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
21
被引用文献数
1

1. 秋田県産市販清酒特級酒5点 (本醸造酒3点, 純米酒1点, 吟醸酒1点), 1級酒7点 (本醸造酒3点, 純米酒1点, 純米吟醸酒1点, 普通1級2点), 2級酒6点 (いずれも普通酒) の合計18点を試料として各種タイプ別清酒の成分比較を行った。2. 一般成分の分析から純米酒, 本醸造酒は味の濃醇な清酒, 2級酒はアミノ酸度が少く, 糖分, 日本酒度が高い淡れい甘口型であることなどを知った。3. 微量成分としては3ーデオキシグルコソン値, アルデヒド量, フーゼル油, エステル, ケト酸, フェリシアナイド還元値を比較したところ, その含有量には清酒のタイプ別により特徴的差が見られた。4. 有機酸の組成では純米酒にコハク酸, リンゴ酸が多いこと, アミノ酸組成でも清酒のタイプ別でその構成比が異なることを知った。5. 香気成分では吟醸酒が高級アルコール類およびエステル類ともに多量で, 級別では特級<1級<2級酒の順位であり, 高級酒に香気成分が高い傾向にあることを知った。
著者
鈴木 昌治 小泉 武夫 野白 喜久雄
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.439-442, 1984

水田の稲穂にしばしばみられる糸状菌の菌叢「稲麹」を, 昔, 一部の酒造蔵では種麹として使用し米麹を得, これで清酒を仕込んだという記録を古文書から多く見出したので, このことについて検討したところ次のような所見を得た。<BR>1) 福島県, 埼玉県, 東京都の水田から稲麹を採取してきて, そこから糸状菌を純粋分離したところ, 分離された菌の大半は<I>U. virens</I>で, それに混じって<I>Aspergillus</I>属も多数分離された。 この両菌以外の糸状菌はほとんど分離されなかった。<BR>2) 分離した<I>Aspergillus</I>属について, その形態的, 生理的性質の検討を多項目にわたって行ったところ, アニスアルデヒド培地上での胞子の変色, 梗子の形や状態, 頂のうの型, 胞子の大きさ, 菌叢の色調, アフラトキシンの生成などにおいて<I>A. oryzae</I>の性質を示した。