著者
隅河内 司
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 社会福祉学研究科篇 (ISSN:18834019)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-17, 2015-03-01

障害者相談支援により,市町村の障害者福祉事業を充実させるためには,社会資源の改善・開発を推進する実践として,生活問題を把握し,地域課題を明確化するとともに,それを解決する計画化・事業化に取り組む「実践課題の政策化」が必要である。本研究では,障害者相談支援システムにおける「実践課題の政策化」の現状について,そのシステムの中核となる基幹相談支援センターを対象にした調査をもとに探求した。結果としては,「一般的な相談」を含めた安定的な相談支援体制の構築,相談支援事業所等関係機関の緊密な連携のための環境づくりや技術向上に対する福祉専門職の意識と行動,自立支援協議会の活性化などの必要性が課題として明らかになった。今後,「実践課題の政策化」に向け,基幹相談支援センターの充実・強化が求められる。
著者
隅河内 司
出版者
田園調布学園大学
雑誌
田園調布学園大学紀要 = Bulletin of Den-en Chofu University (ISSN:18828205)
巻号頁・発行日
no.13, pp.81-99, 2019-03

2014 年(平成26 年)6 月に介護保険法が改正(2015 年4 月施行)された。この法改正では,2025 年を目途に,地域で誰もが安心して最期まで暮らせる社会の実現に向け,医療,介護,住まい,生活支援・介護予防を包括的に確保する「地域包括ケアシステム」の構築を目指している。このため,新たな事業として介護予防・日常生活支援総合事業(以下「総合事業」という。)及び生活支援体制整備事業が創設された。そして,これら事業において,助け合い活動や地域活動を進める上で中核的な役割を果たす生活支援コーディネーターを全国の市区町村全域と日常生活圏域に設置することになったのである。本研究では,相模原市の生活支援コーディネーターを対象に,その活動の現状を調査し,今後の可能性を探った。結果として,相模原市の生活支援コーディネーターの配置については,市人口・区域面積の規模や地区の特性,各高齢者支援センターの運営など地域実情の違いから地域差は見られるものの,市全体でみると,資源の開発を目的とした生活支援体制整備事業は着実に取り組まれており,地域づくりや生活支援等サービスの整備を図るための土台づくりは進んでいることが明らかになった。今後,市コーディネーターが活躍できるように,全ての高齢者の介護予防を含めた地域づくりや地域福祉を推進する視点を市の方針として明確に組織内で共有するとともに,地域づくり部会の運営や住民主体サービス補助制度の見直しを図るほか,小地域活動の活性化を図ることが求められている。