著者
青柳 悦子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

現在、自由化と市民社会の構築がめざましい勢いで進展しているマグレブ地域(アルジェリア、チュニジア、モロッコ)で新たに展開されつつある、フランス語を中心とする表現活動に注目し、21世紀における社会変革と文化創出の関係を照らし出す。とりわけ、アルジェリアで近年活発化した、比較的若い世代による日本式マンガを用いた創作活動に注目し、グローバル性とローカル性を併せ持ちつつ社会的共生意識を涵養する新たな大衆的表現活動として、その特質と意義を分析する。さらに、文学など他の表現ジャンルとの関係も含めた総合的な研究と、現地の文化活動の発展への寄与をめざす。
著者
青柳 悦子
出版者
筑波大学大学院人文社会科学研究科 文芸・言語専攻
雑誌
文藝言語研究 = Studies in language and literature (ISSN:21899304)
巻号頁・発行日
no.71, pp.1-69, 2017

本論文は、文部科学省科学研究費基盤研究(C) 平成26-30年度「21世紀的視座から見る北アフリカ(チュニジア・アルジェリア)の現代文学状況」(研究代表者・青柳悦子),同(A) 平成24-29年度「アラビアンナイトの形成過程とオリエンタリズム的文学空間創出メカニズムの解明」(研究代表者・西尾哲夫),同(B) 平成26-29年度「アラブ=ベルベル文学の比較地域文化的研究体制の構築」(研究代表者・鵜戸聡)の補助を受けた研究成果の一部である.Ⅰ.はじめに\Ⅱ.予備的考察\ 1.小説における過去形と現在形の併用\ 2.フランス語の現在形の機能について\Ⅲ.『貧者の息子』の語りにおける現在形\ 1.語り手表出の現在形 [A]\ 1)語り手の存在と物語行為そのものの強調\ 2)過去と現在、物語内容と物語行為との接続\ 3)不可知の強調\ 2.一般的真理の現在形 [B]\ 1)格言的な一般論の頻出\ 2)ローカルな物語内容から普遍的な人間論へ\ 3)onの活用――場面をもとにした一般論の提示\ 4)真理の反転――フェラウンの相対主義\ 3.物語叙述の現在形 [C]\ 1)眼前描写の機能の拡張と語り手の位相\ 2)揺動的な叙述態勢――一貫した叙述態勢をとるスイユ版との比較\ 3)現在形の物語叙述への移行\ a.語り手の表出を契機として\ b.登場人物の主観性や知覚を契機として\ c.自由話法との接続\Ⅳ.おわりに
著者
青柳 悦子
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究 文藝篇 (ISSN:03877523)
巻号頁・発行日
no.48, pp.35-108, 2005

『千夜一夜』(『アラビアン・ナイト』)の物語は,童話や映画,アニメーションなどさまざまなジャンルで無数の作品を生み出している.たとえば絵本や漫画で「シンドバードの冒険」や「アラジン」の物語に慣れ親しんだものが,『千夜一夜』の原作 ...
著者
青柳 悦子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

アルジェリアの現代文学状況について、アルジェリアの歴史、社会背景、文学史的背景、出版状況、作家の現状、作品内容、研究状況などからその特徴を把握した。文献研究と現地調査とを平行しておこない、生きた文学状況を照らし出すとともにその問題点の析出に努めた。アルジェリアの主要な作家のなかからとりわけ重要と思われるムルド・フェラウーンの作品を分析して、これまで指摘されていなかった価値を明らかにするとともに、アルジェリア文学研究をめぐる問題を指摘した。
著者
青柳 悦子
出版者
筑波大学現代語文化学系
雑誌
言語文化論集 (ISSN:03867765)
巻号頁・発行日
no.65, pp.117-170, 2004

物語るという言語行為は、記述的な言語行為や日常における行為遂行的な言語行為など、その他の言語行為とどのように違っているのだろうか。<物語言語>はどのような特質をもっているのだろうか。 ...