著者
間遠 一成 潮 真也 万本 潤 間崎 武郎 石井 敬基 増田 英樹 高山 忠利
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.339-341, 2008 (Released:2008-10-02)
参考文献数
5
被引用文献数
4 2

直腸異物は,性的嗜好や事故により肛門から器具などが挿入され,抜去不可能となったものである.近年普及したPET(Polyethylene terephthalate)ボトルを挿入した症例に対する,安全な経肛門的摘出術の工夫を紹介する. 症例は61歳男性.入浴中に胴部で切断したPETボトルの上に尻餅をつき,異物が肛門から挿入された.用手的,内視鏡的には摘出困難で,腰椎麻酔下に摘出を試みたが,胴部で切断されたPETボトルの切断面は直腸粘膜に食込み,摘出困難であった.そこで胴部に2∼3cmの間隔で割を数本入れ,胴部を内側に折り畳むことで円錐状に形成したところ滑らかに摘出できた.異物は直径5cm,長さ6.7cmであり,合併症は認めなかった. 治療は一般的に内視鏡や経肛門的摘出術だが,難渋する場合も少なくない.我々の検索する限り,PETボトルによる直腸異物の報告はこれが初めてである.
著者
間遠 一成 潮 真也 万本 潤 間崎 武郎 石井 敬基 増田 英樹 高山 忠利
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.339-341, 2008-06-01
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

直腸異物は,性的嗜好や事故により肛門から器具などが挿入され,抜去不可能となったものである.近年普及したPET(Polyethylene terephthalate)ボトルを挿入した症例に対する,安全な経肛門的摘出術の工夫を紹介する.<br> 症例は61歳男性.入浴中に胴部で切断したPETボトルの上に尻餅をつき,異物が肛門から挿入された.用手的,内視鏡的には摘出困難で,腰椎麻酔下に摘出を試みたが,胴部で切断されたPETボトルの切断面は直腸粘膜に食込み,摘出困難であった.そこで胴部に2∼3cmの間隔で割を数本入れ,胴部を内側に折り畳むことで円錐状に形成したところ滑らかに摘出できた.異物は直径5cm,長さ6.7cmであり,合併症は認めなかった.<br> 治療は一般的に内視鏡や経肛門的摘出術だが,難渋する場合も少なくない.我々の検索する限り,PETボトルによる直腸異物の報告はこれが初めてである.<br>
著者
服部 桜子 阿部 勇人 山崎 慎太郎 高根 希世子 松野 順敬 吉田 直 檜垣 時夫 高山 忠利 下田 勝巳 仲沢 弘明
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.944-948, 2015

症例は36歳女性.横隔膜に浸潤する径11cmの巨大な肝原発性卵黄囊腫に対し肝部分切除および横隔膜合併切除を施行した.術後2カ月に横隔膜下に局所再発を認めたため,広範な横隔膜合併切除を伴う再肝切除を予定した.横隔膜欠損孔の単純閉鎖が困難であったため,5cm×5cmの欠損孔に対し右大腿筋膜を用いて再建を行い良好な結果を得た.大腿筋膜は遊離移植片として短時間で簡便に採取できる生体材料であり,人工材料と比較して感染に強く,機能欠損も認めないため,有用な再建材料の一つである.広範な横隔膜合併切除が必要な際に,大腿筋膜による横隔膜再建術は一般外科医にも行える有効な手段の一つと考えられたため,若干の文献的考察を加え報告する.
著者
北原 拓也 久保 恭仁 吉澤 海 安部 宏 会澤 亮一 松岡 美佳 相澤 良夫 砂川 恵伸 高山 忠利 幕内 雅敏
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.229-237, 2009 (Released:2009-06-03)
参考文献数
14
被引用文献数
3 3

Peliosis hepatis(肝紫斑病)は,類洞の拡張と肝内に多発する血液の貯留腔を認めるまれな疾患で,WHOの肝腫瘍の組織学的分類では腫瘍類似病変に分類されている.本邦では腫瘍との鑑別に苦慮した症例の報告が散見されるが,肝全域にわたってPeliosis hepatisが発生,進展し,致命的な転帰となった症例は,過去にわずか1例が報告されているのみである.今回我々は,特徴ある組織学的所見を呈し,経過観察中に突然病態が悪化し急速に致命的な経過をたどった,肝全域にわたる特発性Peliosis hepatisの極めてまれな1例を経験したので報告する.
著者
中山 壽之 高山 忠利
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

安全で事故のない外科手術を供給するために、効率的手術手技の習得法を検討した。術者と第一助手の双方向、臓器近接部から手術野をビデオ撮影しマルチ画面再生することにより合目的な教育法を策定した。手術ビデオの一部は外科学会や日本肝胆膵外科学会から公開されている。