著者
高橋 典嗣 吉川 真
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.228-233, 2013-12-25 (Released:2017-08-25)

ロシア,ウラル地域チェリャビンスク州に隕石が落下し,天体衝突による自然災害が発生した.隕石落下から43日後の3月30日に出発し,現地に赴いた.チェバルクリ湖の氷上には隕石落下の傷跡が,市街地には被害状況が残されていた.現地では,隕石爆発地点の計測,隕石落下地域の推定と隕石が採集された場所の確認,市街地の被害状況等を視察した.調査の過程で隕石を含む貴重な関連資料を収集することができた.本稿では調査全般について,及び調査で得られた知見について報告する.
著者
高橋 典嗣
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.123-128, 2017

<p>地球に衝突すると大規模な環境変化が危惧される直径1 km以上の地球接近小惑星(Near Earth Asteroids : NEA)の衝突を事前に察知するため,そのすべてを検出して軌道を決めることを目標にスペースガードの観測が始められた.現在は,そのほとんどが検出されたと推察され,新たな目標に「大都市に衝突すると壊滅してしまう自然災害となる直径150 m以上で地球に0.05 AU(約784万km)以内に近づくNEAを潜在的に危険な小惑星(Potentially Hazardous Asteroids : PHA)と定義し,そのすべてを検出すること」と改められた.その直後,2013年2月15日にロシアのチェリャビンスク州に落下し,大きな自然災害を発生させた小惑星の直径は,僅か17 mであった.小惑星衝突による自然災害から地球を守るため,地球に接近するより小さな小惑星(Small PHA : SPHA)の観測,新たなリスク評価,具体的な対策の検討が求められている.</p>
著者
山崎 良雄 高橋 典嗣 垣内 信子 高橋 和子 間々田 和彦 田仲 永和
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.469-470, 2004

私たちの地球は、太陽系の第三惑星として、太陽やその他の惑星とともに、約45億年前に誕生した。この間、大地にはさまざまな動物や植物が繁栄し、進化をとげてきた。現在の地球は太陽系の他の惑星とちがい、「水の惑星」と呼ばれるように、生命に最適な環境がそなわっている。この地球のことをもっと知り、より地球の大切さを実感してもらうことをねらいとし、毎年学校で健康診断をするように、夏至の日を「地球の健康診断の日」とし、世界規模で地球の診断の試みを啓発普及していきたい。
著者
高橋 典嗣 山崎 良雄 庄司 涼 鈴木 愛理 吉川 真
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.35, pp.281-282, 2011

科学衛星「はやふさ」の成果は、地球帰還後に多くの人々に知られ、社会から賞賛されるようになった。その人気は何なのか、どのような人々が支えているのか、はやぶさ地球帰還1周年記念講演会の参加者から、その動向をさぐることにした。
著者
高橋 典嗣 富川 奈津子 山崎 良雄 富川 奈津子 冨川 奈津子 フカワ ナツコ FUKAWA Natsuko 山崎 良雄 ヤマザキ ヨシオ YAMAZAKI Yoshio
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.20, pp.16-48, 2010-03

2009年7月22日に皆既日食が日本のトカラ列島、硫黄島、南太平洋で見られ、国内各地では部分日食が観察された。この機会に、最も荘厳な自然現象の一つである皆既日食を多くの児童生徒に観測体験してもらうことをねらいとした科学体験活動「日食観測体験授業」を企画した。授業の実践に向け、学習方法の検討、学習内容の検討を行い、学習環境システムを構築した。授業は、中国(嘉興市第五高級中学)から千葉(千葉大学)、東京(町田市立南第一小学校)、神奈川(南足柄市立福沢小学校)の各観測点をインターネットで結び、各会場に集まった301名の児童生徒を対象に行った。皆既日食当日の中国の天候は雨天で、太陽コロナの観測はできなかった。しかし、皆既中に真っ暗になることや皆既中の様子を体験する科学体験活動は成功し、参加した児童生徒の科学への興味関心を高めることができた。