著者
高橋 寿奈 瀬山 由美子
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = Bulletin of Nara Gakuen University (ISSN:2188918X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.121-126, 2017-09

現在の「ゆとり世代」と一般的にいわれる教育を受けた年代の看護学生は、核家族化、IT化がすすんだ社会の中で育ち、異世代や実際の対面式の交流が少ない世代であるといえる。この「ゆとり世代」としての教育を受けてきた看護学生に、臨地実習での受け持ち患者とのコミュニケーション時に「コミュニケーションをとる時に気をつけていたこと」と、「コミュニケーション中に受け持ち患者が不快だと感じていると看護学生自身が感じたこと」の調査を行った。その結果、その世代に特徴的な自己評価の高さと自己肯定感の低さが示された。これより、看護学生のコミュニケーションにおける受け持ち患者と関わりについて、「ゆとり世代」の学生の特徴に合わせ、個々の経験が増えるように「実践」する機会を増やしながら自信をもたせる指導方法を検討していく必要がある。また、異世代との交流の機会を「実践の場」として増やせるようにすることも必要であり、それらを課題とした。