著者
高田 みなみ 長江 美代子
出版者
日本赤十字豊田看護大学
雑誌
日本赤十字豊田看護大学紀要 (ISSN:13499556)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.121-131, 2012-03-31

統合的文献研究により、非接触文化である日本の看護の臨床場面において、成人患者に対するタッチングが有効に働く要因を探求した。選択基準に合致した20 の文献を分析した結果、タッチングの効果が有効に働く以下の5 つの要因が示唆された:1)人には生来接触欲求があり、自分が所属する社会に受け入れられる方法で満たしている、2)心理的不安が高い人ほどタッチングが有効に働いている、3)生来持っている依存傾向や対人不安が高いと身体接触をポジティブに受け入れる傾向がある、4)タッチングの部位とその効果を高めるための併存行動によって効果に差がある。患者は身体接触のニードを持っており、個々のニードを把握し、目的に合わせたタッチングを実施することがその効果につながる。