著者
近藤 尚己 石川 善樹 長友 亘 齋藤 順子
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

疾病予防行動の社会経済格差是正に向け、人の持つ認知バイアス効果を応用した行動科学アプローチの枠組みを整理したのち、実証研究を行った。健康チェックサービス事業者のデータを用いて、サービス利用の勧誘の際、従来の健康リスクの理解を促す方法と、サービスへの興味関心を引きやすい感性に訴える方法を用いた場合の利用者の属性を比較したところ、後者の方が社会的に不利な状況(無職者など)の割合が高かった。足立区と区内26のレストランと合同で行った、野菜増量メニュー注文者に対する50円割引キャンペーンの効果検証の結果、普段昼食に支払う価格が最も少ない人々でキャンペーンの効果が最も高まり、店舗の売り上げも増加した。
著者
吉田 浩子 齋藤 順子 金上 孝 小林 育夫 平澤 典保
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.319-333, 2015-05-15 (Released:2015-05-28)
参考文献数
24
被引用文献数
1 2

東京電力福島第一原子力発電所事故発生から約半年後の平成23年9月1日から2年間の,宮城県南部地域の子どもを対象とした光刺激ルミネッセンス線量計による被ばく線量調査結果を報告する。宮城県では自治体による被ばく線量調査は実施されていないため,本報はこの地域での唯一のまとまった調査報告である。併せて,屋内外滞在時間の調査結果も報告する。いずれの年齢でも自宅屋内に14~15時間と一番長く滞在しており,自宅と学校の屋内滞在時間を合わせると屋内に約21時間滞在していた。この結果は,個人の被ばく線量を解釈するうえで,また,被ばく線量低減策を講じるうえでもきわめて重要な情報である。
著者
島津 太一 小田原 幸 梶 有貴 深井 航太 今村 晴彦 齋藤 順子 湯脇 恵一 立道 昌幸
出版者
公益財団法人 産業医学振興財団
雑誌
産業医学レビュー (ISSN:13436805)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.117-153, 2022 (Released:2021-09-08)

実装科学とは、エビデンスに基づく介入を「どのように」すれば実装できるのか、という問いに対する知識体系を構築する学問領域といえる。本稿では、事業場における健康づくりの仮想的な事例をもとに、実装科学が実践にどのように役立つのかを解説する。つぎに、保健医療の分野で用いられる実装研究の要素について解説する。最後に、産業保健の領域で健康増進対策実施を促進するための、実装研究、あるいはその要素を持つ介入研究の紹介を行う。
著者
齋藤 順子
出版者
関西学院大学
雑誌
総合政策研究 (ISSN:1341996X)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.105-123, 2005-05-20

The purpose of this study was two-fold. The first was to examine job awareness among care managers and how they evaluate .themselves according to the theoretical knowledge and practical skills demanded of them. Secondly we looked at care managers from different backgrounds in terms of qualifications, such as nursing or care workers to see if there was a difference in job awareness and their focus regarding theoretical knowledge and practical skills. This research was based on answers to questionnaires sent 404 care managers who had been trained in Tohoku region. The content and analysis of the questionnaires was the same as that used by Watanabe (2002). As a result of the survey three points became clear. The first was that care managers were aware of need for a high level of technical skill but that the level of understanding on the part of the client was low. Secondly, there were very clear areas of expertise in which care managers were either very confident or, on the other hand, not confident at all. Thirdly, nurses evaluated themselves more highly according to theoretical knowledge and practical skills than care workers did. However, in the areas of interview, client strengths and client serf-determination there were no differences.