著者
横山 明彦 ATTAVIRIYANUPAP Pathom
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

欧米を中心とする世界各国において、電力自由化が進められており、その一環として競争的電力市場が創設されている。代表的な例としては、米国のPJM ISOやNY ISOのエネルギー市場。日本では2005年4月より電力自由化の一層の進展が始まり、日本卸電力取引所等が開設された。電力自由化においては、全国各地で新規参入が増えて地域間の電力取引が活発になると、これまでの電気の流れ(電力潮流)が大きく変化し、予測が難しくなる。地域によっては送電能力が不足して送電系統が混雑し、意図した電力取引ができなくなってしまう。電気料金が高くなる原因の一つと考えられる。現在NY ISO等がこのような問題で苦しんでいる。また、電力系統における設備に事故が起こった場合も停電が起こり易くなる。電力供給信頼性に影響を与えるものと懸念されている。「価格高騰」及び「供給信頼度」問題を解法するために、送電系統を拡充することが方法の一つと考えられる。しかしながら、送電線新設には多額のコストと時間がかかるため、投資者にはリスクがある。また場所がかかるため、重要な環境問題でもある。本研究では、「価格引き下げ」と「安定供給」を目指して、電力自由化における様々な送電系統拡充方法を分析し、最適な送電系統拡充方法を選択する。送電系統拡充方法としては、「送電線の新設」、「FACTS機器の投入」、「現在系統のまま」3つの方法がある。各方法においては様々な不確実性(需給計画、発電計画・運用、設備の事故等)の影響も考慮する。以上を検証するために、計算機シミュレーションのための数式モデルを作成し、シミュレーションを行い、結果分析を行った。