著者
Hanley Sharon 櫻木 範明 伊藤 善也 玉腰 暁子 大島 寿美子 山本 憲志 岸 玲子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

幼児期に身につけた生活習慣は成人期に持ち越され、その内容によってはがんのリスクを高める行動に繋がる。本研究の目的は、学童の健康教育の歴史が長い英国・豪州のがん教育を参考に、小中学生向けの教材を開発する。両国では、効果的な教材の開発の為に保健医療省と教育省が連携している。英国では小児期の肥満が問題となり、保育園から食生活と運動習慣が健康教育に含まれている。気候のよい豪州では、屋外での活動は一般的であるが、皮膚がんのリスクが増加する為、紫外線への曝露を避けるように学校単位で指導される。どちらの国でも、学校単位でのHPV教育が効果的に行われている。現在、英国の教材を日本で使えるよう翻訳を進めている。
著者
Hanley Sharon
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

若い女性の子宮頸がんが増加しており、この多くの女性達は子宮頸癌検診を受けていない。本研究は、受診率向上へのHPV自己採取検査(SS)の有効性を検討した。検診受診者のSS道具の受入れや安全性に関する実現可能性の研究と、30歳未満の道具の受入れに関する質的研究を行った。職場健診で、医師による子宮頸癌検診とHPV検査の前に受けたSSは、痛みと恥ずかしさが有意に少なく、よりリラックスでき、指示も分りやすいと回答した。安全性への懸念は報告されていない。しかし、道具が注射器や台所用品のようだとの若い女性の感想があり、小さめの道具が好まれる傾向があった為、これからより小さい道具を用いた研究を行う予定である。
著者
Hanley Sharon 松岡 悦子 櫻木 範明 伊藤 善也 玉腰 暁子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

2017年度は、日本における子宮頸がん検診受診率向上を目的として、諸外国で行われている自己採取HPV検査の必要性やその普及状況を一般市民や専門家に認識していただくために国際シンポジウムを4つ開催し、学会発表を7回行った。国際シンポジウムのひとつとして、昨年と同様に8月25日に北海道大学において第2回国際シンポジウム 「子宮頸がん予防の戦略: 検診とワクチンー-教育と啓発による女性の認識向上を目指して」を開催した。講師として招いたのはロンドン大学のルーイズ・カドマン氏(Research Nurse Consultant、Wolfson Institute of Preventative Medicine)である。彼女はロンドン在住のアジア系女性を対象に、本研究でも使用するHPV検査用自己採取器具、Evalyn Brushの受け入れに関する比較研究を担当した。また、カナダでコルポー外来を受診した1000人以上を対象に、本研究でも使用する自己採取用のHerSwabを用いたときと医師採取のときのHPV検査の検査結果一致率を検討した臨床試験の研究代表者であるエドアルド・フランコ教授(マーギル大学)を招待した。道内外の一般市民、留学生や専門家がおよそ90名参加した。さらに、2017年から自己採取HPV検査を正式に国家検診プログラムを導入するオーストラリアのケートシムズ博士を招き、オーストラリアの自己採取検査におけるHPV検査の基準や方法について情報収集を行った。その結果、PCR法を用いた検査や偽陰性を最小化するために内部コントロールを用いる検査を利用できることや本研究で使用する予定であったHybrid Capture 2はオーストラリアでは認可されなかったことが明らかになった。そこで、本研究でもHybrid Capture 2の代わりに別のHPV検査を使用することを検討した。