著者
板橋 慶造 石川 正
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.33-39, 1984-01-01 (Released:2017-10-05)

日本原子力研究所技術情報部では,那珂地区核融合研究センター内に「研究情報センター」を設置するにあたり,その業務を効率的に処理するため,オフィスコンピュータによる図書館システムを導入した。このシステムは会計処理を除く窓口業務中心のトータルシステムであり,図書,レポート,雑誌,パンフレットを対象としている。その結果,OCRハンドスキャナーの導入により蔵書点検作業が大幅に軽減されただけでなく,窓口業務も利用者の手書き作業が不要になるなど省力化され,図書館のイメージアップにもつながる等の効果が見られた。
著者
越山 了一 川越 俊次郎 大塚 勝一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.28, no.11, pp.529-532, 1978

神奈川県資料室研究会(神資研)では,京浜地区にある専門情報機関のうち,82機関を収録した「情報源マップ-首都圏版-」を作成した。"マップ"というのは地図入りだからである。これまでも専門情報機関のリストはあったが,地図入りのものはなく,この点が本書の最大の特徴である。収録した82機関は,神資研の会員がこれまで主として利用した機関である。それぞれが特徴を持ち,全体として広い分野をカバーしている。ほとんどが無料で利用できる公開機関であることも特色の一つである。その内容は,道順,複写の可否・価格まで記載してある。本書は作り方が簡単な割には有用度が高い。首都圏版以外の情報源マップの作成が望まれる。
著者
長山 泰介
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.431-435, 1983-09-01 (Released:2017-10-05)
被引用文献数
3

情報という言葉は今日広く使われるようになっており,この言葉の起源を調べた。森鴎外が明治20年前後クラウゼビィツの「戦争論」の翻訳に造語したのが最初と思われる。この言葉を用いた背景には福沢諭吉の思想も影響あったと思われる。その後軍事用語として用いられ,鴎外の小説にも出てくるが,一般の辞書に出てくるのは大正の終りから昭和にかけてである。軍事用語としては諜報の意味も含まれていたが,戦後は薄れた。一般に漢字という表意文字の組合せは,言葉から概念を規定することがあるので,情報という語の意味を漢字からも調べた。現在は各分野で学術用語としても多様に使われている。
著者
佐藤 隆司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.215-224, 1978-06-01 (Released:2017-10-20)

科学者社会のコミュニケーションの公器としての学術雑誌が,明治以降いかなる形で出現し,どんな変遷をとってきたかを,論文・ニュース・文献紹介等記事内容と,和洋抄録・目次の有無・著者名・論文名のつけ方・引用文献のつけ方等書誌的形式的事項との経年変化を明治以降いち早く生れ今日まで続いている代表的学会誌4誌と一般科学誌1誌について調べてみた。記事内容の変化,引用文献を附すのが一般的になることなどから,1920〜1935項に学術雑誌にふさわしい形になることが指摘される。
著者
門條 司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.395-403, 1984

日本における化学系データベース作成活動について,1983年4月から11月にかけて現状調査を行なった。その結果判明したデータベースの種類,提供媒体の種別,文書情報や数値情報などの情報タイプの種別,データベース作成機関の分類,データベースの利用資格に関する制限の有無などについて述べた。あわせて,日本における化学系データベースの特徴と,それらの作成,維持および流通にまつわる問題点等についてふれる。調査は主にアンケート調査を中心に行なった。その結果では,少くとも58種類のデータベースがあり,コンピュータ非可読形式で収集されたデータまでも含めると少くとも86種類はあることがわかった。また,これらのほとんどが公的性格の機関で作られており,民間人に対し利用上の制限があるものが全体の30%程度あること,これらのデータベースの過半数がいわゆるファクト・データベースであることなどもわかった。