著者
桜井 芳生
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.No.13, 2013-10-01

この論文は「鹿児島大学法文学部紀要 人文学科論集」(第77号2013年p1-17)に掲載された論文を査読により加筆修正し、「九州地区国立大学教育系・文系研究論文集」Vol.1, No.1(2013/10)に採択されたものである。
著者
山田 高誌
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.No.5, 2018-03-31

本論文は, 18世紀後半のナポリの諸劇場と関わりをもった作曲家, 台本作家, 演奏家, それぞれの待遇の経年変化, キャリアの変化について, ナポリ銀行歴史文書館所蔵, 興行師による支払い文書史料113点の支払い文書全訳とともに, その労働条件, 職務を解明するものである.
著者
山田 高誌
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.No.3, 2022-03-31

本論は、18世紀後半、ナポリを中心とするナポリ王国下でのオペラ巡業とそれらを担った人々の実態について、特にカラーブリア州コゼンツァでの1777~78年のオペラ興行の契約文書(公証人史料)、プーリア州への巡業記録を基に解き明かすものである。またイタリア現地の最新研究動向を紹介しながら、17世紀から1799年までの期間についてのナポリ王国領域内(アブルッツォ州を除くモリーゼ、カンパニア、プーリア、バジリカータ、シチリア各州)各中小都市の音楽劇上演一覧を作成、分析を行うことで、南イタリアでは聖史オペラdramma sacroという世俗的宗教音楽劇の役割が大きかったことを示し、「オペラ巡業」を広い同時代文脈の中で改めて提示する。
著者
金城 克哉
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.No.11, 2014-03

本論は、ゲイ向け雑誌『G-men』誌に掲載された官能小説(「野郎小説」)に頻出する9つの男性器表現を述語との共起関係から特徴づけることを目的とするものである。従来このような性に関する言葉は学術的に研究されることがほとんどなかった。本論では因子分析により3つの因子を抽出し、また階層的クラスター分析によって9つの表現の類似度を示すことに成功している。セクシュアリティと言葉の関わりという点から、これまでなされていない新たな研究の可能性が示唆されたと言える。
著者
寺尾 智史
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.No.7, 2021-10-30

宮崎大学では、一般の大学では外国語教育の対象とされていない言語を母語とする留学生が、複数の日本人学生、自分以外の留学生に対して、自らの母語とそれをとりまく文化を日本語で教えるクラスを正規授業科目として開講している。「拡張型タンデムラーニング」の実践ともいうべきこのクラスのコーディネーションおよびファシリテーション担当者としての参与観察を通して、学ぶ側、そしてなによりレクチャーする留学生側にどのような異文化理解の互恵的深化が見られるかをまとめ、今後のさらなる展開の指針とする。
著者
花田 伸一
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.No.1, 2022-03-31

日本においては主に1990年代後半から地方創生や観光促進等の文脈とも深く関わりつつ、他国とは異なる独特な形での「地域アート」(ある地域名を冠した美術のイベント)が展開されており、佐賀県内においても同様の動きが複数見られる。本稿ではこれまでまとまった形での記録がほぼ残されていない佐賀県内における地域アートについて、特に2000年以降の事例に関する情報をできる限り整理した上で概観を試みる。 具体的には、佐賀市内の事例として、美術グループ「VAROC」(2004-12年)の活動、佐賀大学生が商店街と共同で取り組んだ『アートコンプレックス』(2008)および『呉福万博』(2009-12年)、『コミニカ展』(2011、12年)について、有田町内の事例として、『庭園陶彫展 CERAMIC SCULPUTURE IN GARDEN』(2005年)、『有田現代アートガーデンプレイス』(2006-13年)、『Media Butterfly in Arita』(2014、15年)について、それぞれ入手しえた資料をもとに情報を整理し、概観する。
著者
大山 貴稔
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1,2, pp.No.6, 2020-03-31

本稿は、葛谷彩・芝崎厚士編『「国際政治学」は終わったのか――日本からの応答』(ナカニシヤ出版、2018年11月)を俎上に載せ、同書が刊行されたことの意義と残された課題について検討するものである。まずは研究史を踏まえて本書の位置づけを確認し(第2節)、所収された論考に見られた論点を整理する(第3節)。そこから同書で扱われたこと/扱われなかったことを明らかにして、副題に掲げられた「日本からの応答」という切り口について批判的に考察を進めていく(第4節)。この考察を通して、本書では踏み込んで論及されなかった「日本における応答(歴史研究や地域研究における自己省察)」という論点を新たに提示したい。
著者
桑原 司 山口 健一
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.No.14, 2013-10-01

この論文は「経済学論集」(第80号2013年p115-125)に掲載された論文を査読により加筆修正し、「九州地区国立大学教育系・文系研究論文集」Vol.1, No.1(2013/10)に採択されたものである。
著者
寺尾 智史
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.No.7, 2021-10-30

宮崎大学では、一般の大学では外国語教育の対象とされていない言語を母語とする留学生が、複数の日本人学生、自分以外の留学生に対して、自らの母語とそれをとりまく文化を日本語で教えるクラスを正規授業科目として開講している。「拡張型タンデムラーニング」の実践ともいうべきこのクラスのコーディネーションおよびファシリテーション担当者としての参与観察を通して、学ぶ側、そしてなによりレクチャーする留学生側にどのような異文化理解の互恵的深化が見られるかをまとめ、今後のさらなる展開の指針とする。
著者
廣野 俊輔
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.No.10, 2014-10

本稿の目的は、東京都立府中療育センターで生起した身体障害者による抗議活動(府中療育センター闘争)の背景を、特に府中療育センターが置かれていた状況に焦点を当てつつ明らかにすることである。本稿では、これまでの研究が資料の中心としてきた当事者の手記や証言ではなく、府中療育センターが発行した資料をもとに、①府中療育センターには入所者の生活というよりは、家族を崩壊から救うという目的が重要視されていたこと、②府中療育センターに多様な障害者が無秩序に収容されていたこと、③労働条件の劣悪さを指摘し、闘争の背景をこれまでの研究とは異なる側面から明らかにした。
著者
半田 健 西田 晴香
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.No.10, 2023-03-31

本研究は、通常の学級において、児童の着席行動を対象に、ミステリーモチベーターを組み合わせた相互依存型集団随伴性の効果を検証した。 研究計画は、ベースライン期と支援期から構成されるABデザインを用いた。場面は、公立小学校の通常の学級であった。参加者は、4年生の児童39名であった。独立変数は、ミステリーモチベーターを組み合わせた相互依存型集団随伴性であった。標的行動は、児童の授業開始時の着席行動であり、「3時間目の開始を知らせるチャイムが鳴り終わった時点で着席している行動」と定義した。結果は、児童のチャイム終了時の離席者数が減少した。また、社会的妥当性も学級担任と特別支援教育コーディネーターから概ねポジティブな評価を得た。結論として、小学校の通常の学級における児童の着席行動に対して、ミステリーモチベーターを組み合わせた相互依存型集団随伴性の効果 が示された。課題として、間欠強化スケジュールを用いた手続きや学校行事を考慮した支援計画、教職経験の少ない学級担任でも実施可能な手続き、負の副次的効果を防ぐ手続きについて検討する必要性が指摘された。
著者
花田 伸一
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.No.1, 2022-03-31

日本においては主に1990年代後半から地方創生や観光促進等の文脈とも深く関わりつつ、他国とは異なる独特な形での「地域アート」(ある地域名を冠した美術のイベント)が展開されており、佐賀県内においても同様の動きが複数見られる。本稿ではこれまでまとまった形での記録がほぼ残されていない佐賀県内における地域アートについて、特に2000年以降の事例に関する情報をできる限り整理した上で概観を試みる。 具体的には、佐賀市内の事例として、美術グループ「VAROC」(2004-12年)の活動、佐賀大学生が商店街と共同で取り組んだ『アートコンプレックス』(2008)および『呉福万博』(2009-12年)、『コミニカ展』(2011、12年)について、有田町内の事例として、『庭園陶彫展 CERAMIC SCULPUTURE IN GARDEN』(2005年)、『有田現代アートガーデンプレイス』(2006-13年)、『Media Butterfly in Arita』(2014、15年)について、それぞれ入手しえた資料をもとに情報を整理し、概観する。
著者
森 善宣
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.No.2, 2014-03

1959年に開始された在日朝鮮人帰還事業は、日朝両政府が「人道」の名の下に推進したが、朝鮮半島をめぐるデタントと南北の軍事的対峙から、そこには各政府それぞれ独自の狙いが潜んでいた。本論は、中ロ・東欧諸国に加えて日本外務省の公開資料をもとに、この各政府の狙いを究明する。一方の日本政府は、植民地統治後に国内に残留した在日朝鮮人に対する歴史的な差別構造ゆえに、彼らを経済的に財政負担要因としてだけでなく政治的な危険要因と見なし、彼らを一掃しようとした。他方で後者は、朝鮮停戦後の「平和共存」政策の時代的な要請の中、支援国家である中ソとの関係悪化に対して自国の保全対策を講ずるため、帰還事業を突破口として日本との国交正常化を目指していた。在日朝鮮人を相互に送迎するところに国益が一致した両政府は、その悲劇的な結果を充分に予測しないまま事業を敢行したのである。
著者
山津 幸司
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.No.3, 2023-03-31

全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)における私立高等学校の躍進は目覚ましい。2022年8月に開催された第104回夏の甲子園大会に出場した49校のうち77.6%(38校)が私立であり、2008年以降の夏の甲子園優勝校はすべて私立であるなど、高校野球とりわけマスメディアからの注目度の高い夏の甲子園では私立の優勢は顕著である。一方、佐賀県では公立校が夏の甲子園大会で2度も優勝するなどその好成績が目立っている。佐賀県の夏の甲子園予選を分析対象とした先行研究では第94回から第103回までの10大会では私立が準優勝以上の成績をおさめる可能性は6.86倍と有意に高く、佐賀県においても私立優勢の傾向が報告されているが、この傾向がいつ頃からみられるのか、分析対象大会を増やしても同様の傾向が認められるのかを明らかにする必要が残されている。そこで、本研究の目的は、夏の甲子園予選佐賀県大会における全45大会を分析対象とし公立校と比べて私立の成績は優勢なのか、またいつから優勢になったのかを検証することとした。分析対象は、第60回(1978年)から第104回(2022年)までの夏の甲子園予選佐賀大会の全45大会の試合成績であった。その結果、45大会全体では私立の優勝率などが公立よりやや高いもののいずれも有意差はなく、私立の成績が優れているとはいえなかった。一方で、45大会を15大会毎に区切り3期に分けて分析したところ、最初の15大会と続く15大会では全体の結果と同様に私立が公立より優勢との結果は認められなかったが、最後の15大会では私立の優勝可能性は公立に比べて12.8倍であった。最後の15大会では他に準優勝以上、ベスト4複数回進出も有意に高い(優れている)ことが示された。以上のことから、佐賀県における夏の甲子園予選の全大会を分析してみると私立優勢とはいえないことが示された。一方で、最近の大会のみに限定した場合は私立の優勢は有意に顕著であり、佐賀県の夏の甲子園予選での私立優勢は最近認められるようになった傾向であることが明らかとなった。
著者
新谷 和幸
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.No.7, 2022-10-31

本稿の目的は,主権者教育の基盤として小学校社会科で社会構造の根幹となる共同体概念を習得・活用し,その意味と価値について学ぶ必要性を明示することである。人々の社会範疇が多様化しそのつながりが変化する中,民主主義社会のあり方が問われている。子どもたちが主権者・社会形成者として資質・能力を育み,その一員として社会問題を解決していく上で,人のつながりを介して行われる社会構造の意味や価値を捉えておくことが必要であった。そこで本稿では,共同体概念やそれに内在する関係価値に着目し,小学校社会科における主権者教育の基盤となる学習過程の構築,授業モデルの開発・実践を通して,児童の変容から本論の有効性を示した。
著者
森下 覚
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, 2020-10-30

本研究の目的は全国の教員養成系大学・学部を調査対象にして、学校体験活動の基礎データを集め、データ間の関連を検討することで、学校体験活動の現状と課題について明らかにすることであった。調査内容は、「実施の有無」「単位認定の有無」「名称」「参加学生数」「活動内容」「課題」についてであった。分析の結果、今回の調査対象となった大学・学部における学校体験活動の現状として、「インターンシップ」の語を含んだ名称で多く実施されており、参加学生の多くが小学校に参加し、教師の業務全般に関わる活動や子どもとの関わりがある活動に従事していることが示唆された。また、基礎データ間の関連を検討した結果、「私立大学の参加学生数の多い学校体験活動において、学校現場との連携上の課題が存在すること」や「学校体験活動に参加するための時間を確保の難しさが参加学生の確保を難しくしていること」、「国公立大学の学校体験活動において、活動上の課題や運営管理上の課題が存在すること」といった現状と課題の関連が示唆された。本論文は「九州地区国立大学教育系・文系研究論文集」Vol.7, No.1(2020/10)に査読を経て受理された。
著者
深見 聡 坂井 伸子
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1,2, pp.No.10, 2020-03-31

本研究の目的は、『十六夜日記』に登場する多くの地名詠の中から、これまで注目されてこなかった馴染みの薄い地名を詠み込んだ和歌を分析し、その特徴を明らかにすることである。鎌倉時代に阿仏尼が京都から鎌倉までの行程を描いた紀行文である『十六夜日記』の中で、特に地名詠の集中している「路次の記」を考察の対象とする。表現技巧の分析や先行歌との関係性を具体的に検討することにより、これまで注目されてこなかった地名詠にも、阿仏尼の心情や歌道家としての技能、当時の東海道の最新の様子などが盛り込まれていることがわかった。また、先行歌との影響関係からは、為家歌との関連性からその影響力が十分に看取される。さらには、鎌倉・宇都宮といった東国歌壇との影響関係にも注目され、それらの和歌には阿仏尼独自の世界を打ち出そうとする姿勢が見られることが明らかになった。
著者
張 小英
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 = The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.No.1, 2018-03-31

アカデミック・ディベートを行う際、主張の根拠として、出版された文献から証拠資料を引用し、議論を行わなければならない。証拠資料を引用するにあたり、証拠能力(出典の明示、原典からの直接引用、不正引用に当たらないこと)と証明力(証拠資料自体の信憑性、証明しようとする主張との関連性)を判断する必要がある。本研究は、ディベート大会の文字化資料に基づく証拠能力と証明力の検証(張, 2017)に引き続いて、アンケート調査を通じて、証拠資料の使用実態の究明を目的とした。証拠能力に関して、それぞれ「ディベーターが認識している明示すべき出典の項目」「孫引きの使用状況」「不正引用の原因」の三つに分類して考察を進めた。さらに、証明力における証拠資料の「信憑性」と「主張との関連性」の判断について、ディベーターに自己評価回答に考察を加えた。