著者
井上 未来
出版者
佛教大学
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.42-47, 2008-03-25
著者
木元 栄子
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.43, pp.63-68, 2019-03-20

この小論の目的は,精神障害・発達障害者(以下精神障害者とする)の「キャリアの自立」を促進する方法について「ジェンダー」の視点から明らかにするために,関連する文献を概観することにある。結果,女性障害者において「女性」と「障害者」の「複合差別」について当事者自身が差別に気づいていないこと,また障害者に対する女性差別は男性差別にもつながるとまとめた。精神障害者発達障害者ジェンダーキャリア自立
著者
西丸 良一
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.31, pp.14-23, 2007-03-25

本稿では,高校→大学の移行期に焦点をあて,浪人することが現役時よりも学力を高め,より難易度の高い大学に進学する効果をどれ程もつのか分析する。分析の結果,浪人することは,現役で大学に入学するよりも,大学難易度をより高める効果が確認された。だが,二浪以上すると大学難易度が低くなり,同じ高校ランクであっても,現役で大学に入学した者より低い結果となった。さらに,二浪以上の大学難易度の低下が,高校ランクAとB,C,Dとで大きく二極化している。二浪以上は,さらに受験勉強する時間が多い分,それに比例して学力が上がるわけではなかった。そこには意欲の減少が考えられ,その意欲を維持できるものは,やはり高校ランクが高い者,もしくはそれと因果関係にある社会階層の高い者である可能性が示唆された。浪人大学受験高校社会階層
著者
山本 奈生
出版者
佛教大学
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.41-54, 2015-03-20

本稿は安倍政権下における「教育再生実行会議」の第五次提言を踏まえて,文科省で開催されている「実践的な職業訓練を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議」で行われた,冨山和彦委員の大学構想を批判的に考察する時事評論である。 経営コンサルタントである冨山委員は,独自の経済的世界観を大学や学問といった領域に敷衍して適用し,グローバル型大学とローカル型大学のいずれかに全ての大学は変わるべきであり,ローカル大学において学術的な一般教養や専門学知を教える必要はなく,それらは国際競争を勝ち抜くためにグローバル型大学において教授すべきであるとの持論を展開した。本稿はこうした言説に対する内在的な批判と外在的批判の二種類について検討し,大学の分類を経済的尺度のみによって行うことの問題点や,社会的公正さと人間の自由の観点からみて,当該報告の問題性がどの部分にあるのかを指摘した。
著者
白石 哲郎
出版者
佛教大学
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-16, 2015-03-20

人類学者であるC. ギアーツが先鞭をつけた「解釈学的転回」は,とりわけ文化を分析の主軸に据える後期近代の社会科学者に多大な影響をもたらし,「文化的転回」の潮流を生む契機となった。「社会的なものから文化的なものへ」というパラダイム・シフトは,意味の社会学(意味学派)をはじめ,同時期に台頭した他の人文・社会科学にも共通して認められる傾向である。一方で,文化的転回と通底する問題群に関し,いちはやく定式化に努めた社会学者がT. パーソンズであった。彼自身が「文化の社会学」の名でさらなる純化を志向した行為システム論は,「文化システムと社会システムの相互依存と相互浸透の分析」に動機づけられており,その問題関心自体は,普遍的な妥当性をもつものとして評価すべきである。 しかしながら,社会構造の均衡を重視する機能主義的パラダイムに立脚しているがゆえに,また分析的リアリズムの姿勢に徹しているがゆえに,パーソンズの文化概念は「二重の現実遊離性」を孕んでおり,文化と社会をめぐる今日的状況の分析にそのまま援用することは困難である。 本稿の目的は,「文化的転回」を構成する三つの次元のうち,文化の概念規定次元からパーソンズの「文化の社会学」を再定式化することにある。本論では第一に,ギアーツにも影響を与えたS. K. ランガーやE. カッシーラーのシンボル概念に関して,社会科学における文化概念としての有効性を吟味し,第二に,カルチュラル・スタディーズの抗争的かつ流動的な文化理解を摂取することで両名のシンボル概念のさらなる補完を試みる。このような段階的,連続的な取り組みは,パーソンズの文化概念が抱える陥穽の超克を企図したものである。
著者
西丸 良一
出版者
佛教大学
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.57-61, 2006-03-25
著者
大橋 松行
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.43, pp.79-82, 2019-03-20
著者
村田 奈津江
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.45, pp.13-25, 2021-03-20

わが国の戦後の看護教育は,GHQ占領下において看護婦1)の身分や質の向上がはかられた。1952(昭和27)年には高知女子大学でわが国初の大学教育が開始となる。しかしその後の大学教育は進まず,1991(平成3)年まではわずか11校に過ぎなかった。その一方で高度経済成長期に入ると看護高等教育は私立女子短期大学で発展した。それは急速な経済成長に伴う社会変化により看護婦不足が生じたためである。その対策として,短期間での養成が求められ高等学校での養成も始まった。1990年代に入ると高齢化社会に伴う看護人材の需要や大学創設の規制緩和によって看護系大学数は急増していった。その後,大学看護教育に新たな問題が生じ,看護の本質を目指した大学教育であったが,私立大学の生き残りをかけた大学経営の一環となっている。また,看護界も学士ナースが増えることこそが看護の質の向上であると捉えているように思われる。看護大学看護教育女子教育大学教育大学政策
著者
白石 哲郎
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.40, pp.25-42, 2016-03-20

ここ四半世紀の間で,文化を考察の主軸に据える「文化的転回」が広がりをみせている。それは後期近代の社会科学に興った「知の地殻変動」であり,社会関係や社会構造を不断に組織化していく文化の「自律性」に焦点化する。係る学際的潮勢は,従来の実証主義的アプローチからの脱却を企図しており,包括的な概念図式を客観主義的に仮構し,人間的事象一般に演繹するパーソンズの社会学からは距離を置く傾向にある。しかしながら,越境化の日常性をも射程に入れた,文化と社会との「脱領土的な相互関係」を分析の主題に置く「文化の社会理論」を構築していくにあたって,文化による社会的な説明力を前景化する反面,社会による文化的な説明力を後景化してしまう文化的転回への全面準拠には慎重でなければならない。翻って,パーソンズが60年代に構想した「文化の社会学」は,初発から「文化と社会,両システム間の相互依存および相互浸透の分析」を一義的な目的としていた。この点にこそ,文化‐社会間の今日的関係の分析に有効なモデルの抽出先として,パーソンズの文化理論を特定化する必要性が認められるのである。ただしそれは同時に,文化による社会的構制をシステムの統合に還元する傾向ゆえに,「動態的自律性」――社会が文化によって内側から根底的に変成される「内破」の特質――が問えないという重大な陥穽もかかえている。「秩序化」という「静態的自律性」への偏重は,価値ないし規範の内面化と制度化のメカニズムに重点を置く構造‐機能分析の立場からも明らかなように,パーソンズ生涯の学問的関心が,「社会の秩序はいかにして可能か」にあったことを鑑みれば無理からぬことといえる。われわれが直面するアポリアの克服のためには,文化的転回によって批判的に基礎づける仕方で,彼の文化理論を脱構築しなければならない。本稿では,文化的転回に関して,「方法論」,「(文化の)概念規定」,「理論構成」の面でその輪郭をできるかぎり概括的に描出したうえで,「文化的社会学」(新機能主義の文化理論)および「文化の社会学」(正統派機能主義の文化理論)とのリンクを試みた。その結果,新機能主義がかなりの程度,文化的転回に親和的なコミットメントをみせていることが明らかとなった。この事実は,最大限の譲歩ともいうべき接近の仕方ゆえに,「相互浸透の追究」というパーソンズの文化理論の特長がスポイルされてしまう可能性を孕んでいる。われわれが目指すべきは新機能主義への追従ではなく,あくまでパーソンズに看取できる「不変的に妥当な視点」を継承するかたちで,彼の「文化の社会学」を文化的転回の見地から建設的に解体せしめることである。このような「再定式化」と仮に呼ぶべき思考実践は,グローバル化が徹底された現代の相互浸透分析にも耐え得る理論的枠組を導出するうえで,その基調をなすという部分に戦略的意義が見出されるのである。文化的転回文化の動態的自律性文化的社会学文化の社会学再定式化
著者
吉田 有希
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.45, pp.71-75, 2021-03-20

不登校の児童・生徒の数は年々増加傾向にあり,大きな社会問題のひとつとなっている。教育学や心理学,福祉や精神医学分野における不登校研究は数多くみられるが,社会学の視点から考察された不登校研究は,あまり蓄積がなされていない。そこで,今日までに国内の社会学分野において不登校がどのように研究されてきたのかを,(1)社会学分野における不登校の捉えられ方,(2)不登校当事者からの視点,(3)不登校当事者の周辺人物からの視点,の3つのカテゴリにわけて整理した。そのうえで,今後社会学分野でどのような不登校研究が求められていくのかを考察していく。不登校問題不登校当事者社会意識

1 0 0 0 IR 「混沌」の闇

著者
高橋 憲昭
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-2, 1988-03-31
著者
大束 貢生 柴田 和子 富川 拓 古川 秀夫 山田 一隆
出版者
佛教大学社会学研究会
雑誌
佛大社会学 (ISSN:03859592)
巻号頁・発行日
no.44, pp.44-53, 2020-03-20

この小論の目的は,日本においてサービス・ラーニングが「評価」や「道徳教育」,「キャリア教育」との関連においてどのように語られてきたか,先行研究から概観することにある。先行研究を概観したところ,「サービス・ラーニングと評価」に関連する論文では,自己評価ツールの開発やそれを基にした学生の学習効果を明らかにすることが目的とされたが,実例が蓄積された2013年以降は,サービス・ラーニングの評価枠組みを再度振り返り,検討することの必要性や具体的な取り組みのために必要なシステムの構築が検討されつつあった。「サービス・ラーニングと道徳教育」に関連する論文では,サービス・ラーニングと関連させて道徳的理解や道徳的感情,道徳的反省に関する考察がなされていた。また,人格教育の一手法として実施されているサービス・ラーニングについての研究も行われていた。「サービス・ラーニングとキャリア教育」に関連する論文では,キャリア教育におけるボランティア,サービス・ラーニング,インターンシップの位置づけに関する考察等が行なわれていた。サービス・ラーニング評価道徳教育キャリア教育