著者
木村 秀次
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. II, 人文・社会科学編 (ISSN:13427415)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.145-155, 2001-02-28

中村正直訳『西国立志編』(明治四年・一八七一)には、「記号」という語が散見する。その「記号」のほとんどが、'motto' (モットー)の訳語として用いられており、現在の一般的な意味とは異なるものである。「目次」に記した手順のもとに調査したところ、この場合の「記号」は、やはり過去の諸分野の文献に見える「記号」とも意味にずれのある、特異なものであることが確認される。中村正直が何に基づいて、'motto'の訳語として「記号」という語を選んだのかについては、現在十分明らかにしえない。今後、更に調査を重ね、考察を進めるつもりであるが、本稿では、限られた文献を対象に調査した結果を中間的に報告する。なお、『西国立志編』には、同じく'motto'の訳語として、「標識」、「表識」などの訳語も用いられている。最後に、これらの語に関して若干触れる。
著者
佐々木 充
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. II, 人文・社会科学編 (ISSN:13427415)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.157-164, 2001-02-28

筆者は、同じ表題で、すでに六つの論文を公にしているが、「ある詩語の水脈」「北原白秋の場合」「三木露風の場合」「薄田泣董と蒲原有明の場合」「山村暮鳥の場合」「川路柳虹の場合」とそれぞれに副題を付して、区別してある。室生犀星の「したたりやまぬ日のひかり/うつうつまはる水車」(「寂しき春」)という表現に集約的に完成されるところの、水ではなく光を、したたるものとして捉えるという、特異な発想による詩語の出没の跡を追う一連の試みである。今回は萩原朔太郎と室生犀星を対象とする。テキストは『萩原朔太郎全集』(全十五巻 筑摩書房 昭和50年5月25日〜昭和53年4月25日)『定本室生犀星全詩集』(全三巻 冬樹社 昭和53年11月20日)であるが、犀星については『室生犀星全集』(全十二巻 別巻二 新潮社 昭和39年3月25日〜昭和43年1月30日)を併せ見た。
著者
水野 修孝 孟 仲芳 金 士友
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. II, 人文・社会科学編 (ISSN:13427415)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.137-169, 1997-02-28

前回は巨視的な視点で3人の音楽家の基本的な方法意識と述べたのであるが,今回は,前回に基づいてより具体的な問題に迫っていきたいと思う。今回は陳明志に代って同じく私の研究室の共同研究者である作曲家の金士友と前回につづいて中国琵琶の孟仲芳とでそれぞれの直面している問題に深入りして行きたい。(水野修孝)
著者
西垣 知佳子 リーシュマン サンドラ
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. II, 人文・社会科学編 (ISSN:13427415)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.87-99, 2000-02-29

The purpose of this study was to examine English composition writing to identify the gap between students' initial writing level and their target level. Data about this gap for a specific group of students, or 'needs analysis', provides teachers with the necessary information to create the appropriate course instruction to meet the needs of the students. 17 students, who took part in this study, were enrolled in English Composition I in the English Department of the Faculty of Education at Chiba University. The target level of this student composition class was to produce essays (write compositions) which meet the expectations of a Western academic writing context. Students' compositions were examined in terms of four categories of writing knowledge: content knowledge, language system knowledge, context knowledge, and writing process knowledge. Reviewing the students' compositions, it was learned that few students had even a rudimentary understanding of the expectations, codes and writing process of Western academic writing. They seemed unfamiliar with basic elements of writing involved in the four categories of writing knowledge. Finally, on the basis of the results obtained, course objectives for this specific group of students were suggested.