著者
菊池 直子
出版者
岩手県立大学
雑誌
岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集 (ISSN:13489720)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.29-37, 2001-03-01
被引用文献数
1

The fatigue distribution in a brassiere is considered to be affected by the deformation resulting from wearing. To clarify the tendency of brassieres to deform, by using the circular stamping method, circular areas of two sample frames were studied as test subjects took up six different postures. The following results were obtained. 1) In sample 1, the areas at the strap joints and close to the center of the back expanded, regardless of the posture. In sample 2, the area of each circle expanded or shrank when a change in posture deformed the skin; and close to the center of the back, the area only became larger regardless of the posture, which is similar to the effect seen in sample 1. Since a brassiere is subject to a remarkable amount of fatigue at the strap joints and the center of the back, the fatigue may be attributable to frame configuration factors, including the method used to attach the strap and the small width of the frame close to the center of the back. 2) Anteflexion enlarged the area remarkably at the lower part of a frame. This posture may be a factor that greatly increases frame fatigue. 3) Elevation of the right or left arm showed a tendency to enlarge the area on the elevated side and reduce the area on the opposite side. A sideways rotation showed a tendency to reduce the size of the area on the side of rotation and increase it on the opposite side. However, the distribution of areal changes as a subject moved from a normal standing posture to every one of the other postures did not match the fatigue distribution. These postures therefore have almost no effect on the fatigue distribution.
著者
川崎 雅志 坂本 拓子 高橋 留美子 西田 友美子 狩野 美穂 昆 良枝 菅原 千晶
出版者
岩手県立大学
雑誌
岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集 (ISSN:13489720)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.7-12, 2006-03

血漿および肝臓脂質レベルに対するソバ茶摂取の作用をコレステロール無添加食(実験1)およびコレステロール負荷食(実験2)を与えたウイスターラットにおいて検討した。コレステロール無添加食摂取時,標準濃度(2g/100ml)ソバ茶の摂取により,血漿超低密度リポたんぱく質(VLDL)+低密度リポたんぱく質(LDL)コレステロール濃度が有意に低下した。しかし,コレステロール負荷食摂取時には,標準濃度ソバ茶の摂取による血漿(VLDL+LDL)コレステロール濃度に対する有意な差はみられなかった。コレステロール負荷食摂取時には,標準濃度ソバ茶の摂取により,肝臓トリグリセリド含量が有意に減少した。これらの結果より,標準濃度ソバ茶の摂取によって,コレステロール無添加食摂取時に血漿(VLDL+LDL)コレステロール濃度を低下させることによる血漿コレステロール濃度低下効果がみられ,また,コレステロール負荷食摂取によって蓄積された肝臓トリグリセリド含量を抑制することが示唆された。
著者
ISHIBASHI Keitaro
出版者
岩手県立大学
雑誌
岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集 (ISSN:13489720)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.19-24, 2006-03

トマス・ドゥルー作『サフォーク公爵夫人の生涯』(1623-1624)に関する批評は多くない。その批評史は、アーヴィング・リブナーのものを要約するだけで十分である。リブナーによれば、本劇はカトリックの主教を批判するだけのエピソード主体のメロドラマで、1620年代のものとしては「アナクロニスティック」な伝記劇にすぎない。それにしても、なぜ劇作家は、そのような流行遅れの伝記劇を再現したのだろうか。この疑問に答えるために、イングランド国王ジェイムズ一世の義理の息子で、大陸のプロテスタント主義の指導者として期待されたパラタイン選挙候フレデリック五世とみなされている、劇中のポーランド国王パラタインに着目したい。この人物に注意を払うのなら、当時のイングランドが抱えていた政治的状況が明らかになる。すなわち、カトリック主義の女王メアリの権威に公然と反対するパラタインの挑戦的な姿勢には、ジェイムズのスペイン融和政策に反対し、武力でカトリック勢力を根絶しようとする、イングランドの好戦的なプロテスタント主義者の政治的主張が映し出されているのである。
著者
泉山 若菜 金澤 奈津美 小濱 広子 篠木 千佳 摂待 詩織 千葉 さゆり 川崎 雅志
出版者
岩手県立大学
雑誌
岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集 (ISSN:13489720)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.23-30, 2015-03

異なる種類の食餌摂取の血清および肝臓脂質レベルに対する影響をラットにおいて検討した。ラットには,実験食として日本料理,西洋料理,中華料理を,ヒトが一般に摂取している食事を組み合わせてメニューとし,カロリーを等価として与えた。副睾丸脂肪組織の絶対重量は,3 食の間で有意な違いはみられなかったが,相対重量が,日本食摂取に比べて洋食摂取によって有意に増加し,中華食摂取によって増加の傾向を示した。血清トリグリセリド濃度ならびに肝臓トリグリセリド含量が,洋食摂取によって日本食摂取に比べて有意に増加し,中華食摂取に比べて増加の傾向を示した。肝臓コレステロール含量が,洋食ならびに中華食摂取によって日本食摂取に比べて有意に増加した。日本料理,西洋料理,中華料理から調製した異なる種類の食餌摂取により血清および肝臓脂質レベルに対して異なる作用がみられ,こうした異なる作用は,少なくとも一部としてそれぞれの食餌の成分組成の違いによるものであることが示唆された。食品の作用は様々な成分の栄養的多様性により現れることが考えられ,バランスのとれた食事を摂ることが重要である。
著者
高橋 富士雄
出版者
岩手県立大学
雑誌
岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集 (ISSN:13489720)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.13-23, 2007-03
被引用文献数
1

骨粗鬆症の予防を目的に、特にその予防に関わりの深い食事に注目し、成長期の子供とその母親を対象に身体状況あるいは食物摂取状況等について調査した。今回は岩手県内の県南部地域のG-中学校、県央部地域のI-、J-およびK-中学校、県北部地域のN-中学校の5ヵ所の中学校の2年生とその母親を対象に実施した。得られた主な結果は次の通りである。1)全ての中学校の男子および女子生徒の骨密度は何れも良好な状況であった。また、母親ではG-中学校男女の母親、I-中学校男子の母親およびJ-中学校女子の母親の骨密度が同年齢の基準値に比べ上回った。2)調査した中学校の朝食の欠食率は2.0〜5.7%であった。同時に実施した睡眠時間等の調査から、朝の欠食や食欲がない理由として、睡眠時間が必ずしも直接的に関連するとは言えず、その他の生活面での要因が関わるものと推察される。3)「好きな料理は何か」を調べたところ、生徒は肉料理を好む割合が突出し、続いて麺類、一方、母親では野菜料理の割合が顕著に高く、続いては肉料理と魚料理である。「よく食べる菓子類」について調べたところ、生徒がよく食べる菓子類としてはポテトチップス類等のスナック菓子類、チョコレート類の割合が顕著に高く、母親ではセンベイ類、スナック菓子類、パン類、チョコレート類がよく食べられている。これらの結果より生徒と母親間では料理あるいは菓子類の嗜好に明らかな違いが確認された。4)栄養素等摂取状況の調査から、生徒とその母親、すなわち親子間においては主要栄養素(炭水化物、たんぱく質および脂質)の摂取傾向が類似するということが認められた。5)食品群別摂取状況の調査から、多くの食品群で、中学校男子とその母親問および中学校女子とその母親間の摂取充足率が類似の傾向を示していることが認められ、その他にも幾つかの興味ある結果が得られた。