著者
上田 直生 ラガワン ベンカテッシュ
雑誌
情報学 (ISSN:13494511)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, 2009

京都市中心部で伝統的に使われている「上ル」「下ル」等の住所は、正式な郵便の住所ではなく、伝統的に使われている住所であり、明確なルールや管理団体が存在しない。このため、これまで正式な住所データベースには掲載されておらず、GISやITのシステムで京都の住所を扱うことは非常に困難であった。そこで、京都の住所の現状についてフィールド調査を行い、これらのジオコード(住所から緯度経度への変換)を行うサービスを開発した。
著者
南 徹
雑誌
情報学 (ISSN:13494511)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.23-31, 2011

全米2位の大型書店チェーン「ボーダーズ」が倒産して、2010年末の640あまりの店舗が約9カ月後の2011年9月には全て閉店した。一方、米国では全米1位の「バーンズ&ノーブル」が約700店舗を展開しているものの、ボーダーズの閉店によって書店チェーンの店舗が消えた地域が点在すると推測される。それらの地域に住む多くの読者は、オンライン書店、電子書籍の利用を強いられることになる。受け皿ともいえるバーンズ&ノーブル、アマゾンの動向を考察し、同時に電子書籍ブームとされる日本の読書環境の現状を概観したが、電子書籍ストアの乱立など整備は進んでいない。
著者
川瀬 綾子 北 克一
雑誌
情報学 (ISSN:13494511)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.75-85, 2018

TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)が公立図書館の運営を担い5年が経過した。そして、2017年4月1日に、JR延岡駅前に建設中の複合商業施設「エンクロス」内に図書室(仮称:蔵書2万冊程度)が開室予定であった。しかし、新市長は「エンクロス」委託運営の費用対効果費を検討のため、「エンクロス」オープンの延期を表明した。一方、市議会では関連条例改正案が否決、市長は「エンクロス」事業継続要請を受け入れた。本稿では「序章:延岡駅前図書室(仮称)の開館延期騒動」において、この「エンクロス」開館中止/続行問題を整理する。そして、2017年4月13日に第6の「ツタヤ図書館」ともいえる「図書空間」(蔵書2万冊程度)が、JR延岡駅前の複合施設「エンクロス」内にオープンした。「エンクロス」は、「市民活動でまちの中心に、にぎわいを創る」を基本コンセプトに据えた複合施設である。この施設全般の企画・運営をCCCが担っている。本稿では、この「エンクロス」内に設けられた「図書空間」の特徴について、過去の5館の「ツタヤ図書館」と運営コンセプトにおいて大きく異なる点につき論じる。
著者
村上 幸二 村上 晴美
雑誌
情報学 (ISSN:13494511)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, 2007

件名標目は言葉から目録情報にアクセスするための重要なツールとしてあげられるが,我が国には主要な2つの件名標目表が存在する。本研究では,NDCカテゴリを用いて基本件名標目表(BSH)と国立国会図書館件名標目表(NDLSH)を統合した手法を提示し,同手法を実装した主題検索システムを開発した。提案する手法は3段階で構成する。第1段階はパターンマッチに基づくキーワード入力型検索機能である。第2段階はNDCカテゴリのブラウジング機能である。第3段階は関連するNDCカテゴリの提示機能である。特に第3段階では,第1段階でのノーヒット問題,第2段階でのカテゴリ選択ミスの問題といった弱点を補うための関連カテゴリ提示機能を実装した。
著者
荒巻 勝 ラガワン ベンカテッシュ 米澤 剛
雑誌
情報学 (ISSN:13494511)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.1-12, 2017

日本の人口は減少を続けており少子高齢化の時代に突入している.少子高齢化社会の中で生涯を通して充実した質の高い人生を送るためには,より質の高い生活環境の整備がもとめられる.一方,日本は国内総生産(GDP)で世界第3位の経済大国であるにもかかわらず,メディアでは格差社会や子供の貧困などの問題を取り上げており,経済成長が必ずしも社会の発展や国民の満足度,ウェルビーイングにつながっているという実感がないという状況にある.本研究では大阪を対象としてウェルビーイングの観点から評価を行い,より良い生活環境改善とウェルビーイング実現に向け大阪の特徴を明らかにすることを目的とした.評価に当たっては,人間の安全保障指数(HSI)を用いた.HSIは,国民一人ひとりのウェルビーイング実現が国民一人当たりのGDPよりはるかに重要であるということを評価する指標のプロトタイプである.HSIは経済指数,環境指数,社会指数の3つのコンポーネント指数の幾何平均により算出される.本研究では持続可能なデータ(日本国内のオープンデータ)を用いて日本の都道府県の中での大阪の評価・分析を実施した.
著者
川瀬 綾子 森 美由紀 北 克一
雑誌
情報学 (ISSN:13494511)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.82-92, 2016

Amazon.comの日本法人であるアマゾン・ジャパンでは、ECサイト上で独自の分類体系により様々な商品をカテゴライズし、販売を行っている。そして、その売上は国内の電子商取引では最大手となっている。一方、日本のリアル書店チェーンとして最大手であるCCCは蔦屋書店で培ってきた「独自の分類体系(ライフスタイル分類)」を基に、武雄市図書館や海老名市立中央図書館等の分類体系を構築し、運営にあたっている。本稿では、この2件の分類区分を比較し、その差異を考察する。
著者
村上 泰子 米谷 優子 川瀬 綾子 北 克一
雑誌
情報学 (ISSN:13494511)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.94-100, 2015

日本図書館協会分類委員会により、『日本十進分類法新訂10版』が2014年12月発行された。1995年8月の『日本十進分類法新訂9版』の刊行以降、概ね20年ぶりの日本十進分類法の改訂である。今後の日本図書館界の主題組織化を担う『日本十進分類法新訂10版』のうち、本稿では、「6類産業」について、検討を進めた。
著者
北 克一
雑誌
情報学 (ISSN:13494511)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.89, 2015

本書は著者、クレイグ・モドのサイト(http://craigmod.com)に、2010年から2012年にかけて掲載されたエッセイを翻訳出版した書である。……