著者
柿内 秀樹
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.537-541, 2018 (Released:2020-04-02)
参考文献数
13
被引用文献数
4 3

環境中には天然起源のトリチウムと人為起源のトリチウムが存在する。まずトリチウムの基礎的な知見を整理するとともに人為起源のこれまでのトリチウムについて概観する。またトリチウムは水素の同位体であるため,環境中に広く分布している。この環境中のトリチウムを分析するための手法について現状を紹介する。
著者
吉田 正
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.555-558, 2011 (Released:2019-09-06)
参考文献数
7

福島第一発電所の冷温停止に向けての課題は崩壊熱との闘いにつきるといえよう。崩壊熱は,核分裂で生じた核分裂生成物のβ崩壊に伴うFP崩壊熱と,核燃料であるウランより重いアクチニド核種のα崩壊またはβ崩壊に伴い発生するアクチニド崩壊熱に大別される。崩壊熱の計算にはいくつかの方法があり,かつその信頼性も高い。計算に当たっては,その方法を吟味し,停止後の原子炉の状況を見極めた評価・計算を行う必要がある。
著者
波多野 雄治
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.713-717, 2021 (Released:2021-10-10)
参考文献数
20

軽水炉,重水炉,核融合炉におけるトリチウム発生機構,トリチウム取扱量および放出量,トリチウム分離の原理や福島第一原子力発電所処理水へ適用する際の問題点について解説した。トリチウムについて考える際には定量的な議論が不可欠であることから,できるだけ具体的な数値を示した。数値を比較しながら読んでいただけると幸いである。
著者
岡本 孝司
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.27-31, 2012 (Released:2019-09-06)
参考文献数
5

原子力発電所の安全を担保する思想は深層防護である。東日本大震災による発電所への影響を深層防護に従い検討を行うと,いかなる場合においても,電源を供給できるようにすることが必須であることが見えてくる。全交流電源喪失,全交流電源系統喪失,全電源喪失など,発生確率とリスクに応じて,電源に対する対策を考えていくことが重要である。わずかな電源容量であっても,ある程度の時間は稼ぐことができる。事象を整理し,俯瞰的に評価することで,プラント全体のリスクを低減していくことが重要である。
著者
渡辺 満久
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.577-581, 2013 (Released:2019-10-31)
参考文献数
8

安全な原子力施設は再稼働してもよいが,原子力規制委員会による厳しい安全審査が必要である。現状では地盤のズレへの対応は困難であり,これに厳しく対処した敦賀原子力発電所における規制委員会の対応は全く適切であった。ただし,問題を敷地内活断層に矮小化するのではなく,周辺活断層の性状や敷地で起こりうる現象を正しく評価することが重要である。下北半島の原子力施設の安全審査などにおいて,規制委員会の真価が問われる。
著者
吉田 英爾 柳澤 宏昌 田辺 雅幸 森本 泰臣 伊地知 雅典 小池 大介 Paul Boyadjian Tamas Liszkai
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.580-584, 2021 (Released:2021-08-10)

NuScale社が開発している小型モジュール炉(SMR)は,2020年8月にNRCがFSERを発行し,米国における標準設計認証を取得している。NuScale SMRは受動安全系を備えており,設計基準事故のみならず設計基準を超過する事故においても運転員操作に頼らずに事故収束が可能で,また公衆への社会的リスクも大幅に低減できる,革新的な軽水炉である。米国においては,従来の軽水炉との違いを考慮し,適用規定の除外等,合理的に許認可プロセスを進めている。本報では,NuScale SMRの特徴と,日本国内導入に向けた安全規制の在り方についての課題を提起している。