著者
田中 昭二 JefferyChiYinNg 中尾 恵子 岩舘 祐一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.41-45, 2000
参考文献数
6

本稿では, 著者等が開発した写真を名画の構図を利用して自動撮影するロボット, Cyber Photographerに関して述べる.Cyber Photographerは, 装備したビデオカメラを360°回転させ, 回転中のビデオ映像から周囲画像を作成し, 作成した周囲画像から人間が注目しそうな領域を抽出する.そして, 抽出された領域をバランス良く画かくに納めるための最適な構図をDBから取得し, 抽出領域を周囲画像から切り取ることにより写真を作成する.Cyber Photographerには, 名画約200点以上の構図情報を格納したDBが備えられており, 上記抽出領域の形と名画の被写体の形とのマッチングを行い, 最も類似したものを上記最適な構図情報を持つ名画とする.本ロボットの有効性を評価するために行った実験では, ロボットは一般の素人よりもバランスの良い写真を撮影することができた.
著者
田淵 久晃 田山 忠行
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.79-84, 2002
参考文献数
7

本研究では,顔の人物と表情の認識にどのような空間周波数成分が関わるかを調べた。我々は. root-mean-sauare (RMS)コントラスト感度とSN比(signal-to-noise ratio; S/N)を測定した。さらに理想的受信者の信号エネルギーをコンピュータ・シミュレーションで算出し,理想的受信者の信号エネルギーと,実験から得られた被験者の信号エネルギーとの割合から効率(Efficiency)を算出した。これらのデータは,顔画像は約20c/fwで最大感度を持つ単一のガウシャン・チャンネルによって処理されることを示唆する。
著者
児玉 明 富永 英義
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.73-78, 1997
参考文献数
27

我々はマルチメディアサービスの統合化を目指した構造化データとして, マルチメディアブロシーディングパッケージを提案している.本稿では, 情報冷蔵庫システム及びMPにおける各種メディア情報を統括する利用者側の機能性を考慮した構造化方式として, スケーラビリティの概念を適用し, さらなる拡張概念として"マルチメディアスケーラビリティ"を提案した.また, マルチメディアプロシーディングパッケージの構造化の要求条件を受け, 提供できる機能及び情報構成方式としてスケーラビリティプロファイルを提案した.プロファイルによるMPの実現機能について述べ, プロファイルを利用した情報の編集, 加工の例として, 画像情報におけるスケーラビリティを利用した情報変換手法を取り上げ, プロファイルを利用することの有効性を示した.
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.41, pp.13-18, 2000-07-07

本報告では、米国における主に映像制作への応用を目的とした、PCクラスターの使用状況に関する概要について紹介する。従来は、高価なグラフィクスワークステーションが主体であったコンテンツ制作の分野においても、高性能かつ安価になった、パーソナルコンピュータが使用されるようになり、それを百台規模で結合した、PCクラスターは今後有望な映像制作システムとなると考えられる。ここでは、ビデオウォールで有名なPurdue大学、TVシリーズをPCクラスターで制作している、Foundation Imaging、PCクラスターのメッカである、カルフォルニア工科大学、およびPCクラスターを有効活用しているカルフォルニア大学アーバイン校について報告する。
著者
伊藤 英明
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.31-33, 2001

2000年3月31日、有珠山は22年振りに噴火した。地震が続くなかで3月29日に「緊急火山情報1号」による噴火予知情報が出されたこともあり、報道機関各社は大量の報道機材を現場に運び込み、噴火の瞬間を捉えようと生中継体制を整えた。災害報道現場にはあらゆる事態に迅速・的確に対応するために様々な機材が持ち込まれるが、確実な動作常態が最優先される事から、高機能、多機能よりも動作状態を確実に把握できる単体機器で構成されることが多く、「牢固」「小型・軽量」「低消費電力」「簡便性」が求められる。各種機材を運用する側から見た報道現場における放送機材の現状と課題について紹介する。
著者
森 享宏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.34, pp.49-52, 2013-07-18

野球中継において本来ならば見えないストライクゾーンを視覚化し,実写もしくはフルCGの映像にオーバーレイし,更に実際の投球軌道も映像化し,ボールがストライクゾーンに対してどこを通ったかを分かり易く映像化する開発をソニー(株)と共同で行った.
著者
渡部 俊久 北村 和也 小杉 智彦 大竹 浩 島本 洋 川人 祥二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.29-32, 2015

有効33M画素,フレームレート120fps,階調12ビットの8Kスーパーハイビジョン用イメージセンサに搭載されている2段サイクリック型ADCの入出力線形性を向上する手段の1つであるデジタル補正技術では,ADCで発生する誤差を定量的に表す誤差係数を正確に見積もることが重要となるが,これまでは回路パラメータからの推定値を基に計算を繰り返して決定していたため,補正精度および実時間性に問題があった.そこで,誤差係数を,計測したADCの出力から信号処理によって正確かつ実時間で決定するためのADC動作方法および信号処理方法を提案し,基礎実験によって高精度かつ動的なデジタル補正に有効なことを確認した.
著者
高橋 裕樹 滑川 崇
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.107-110, 2015

近年,防犯用の機器が普及するとともに,人々の「万引き」という不審行動に関する防犯の意識も高まりつつある.しかし万引きの被害を受けた際,防犯カメラの映像のみでは犯人の特定が困難であることが課題として挙げられる.したがって,カメラの映像から万引き動作を不審動作として検出し,動画中のどの位置にいる人が動作主であるかを特定する手法の検討が必要である.本稿では,商品を持った際の手の動きに着目し,不審動作として万引き動作を検出対象として商品保持時の手の動きの特徴量に基づく不審動作検出の手法を検討する.
著者
澤口 秀樹 三田 誠一 ウルフ ジャック
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.35-41, 1999
参考文献数
10

連接符号化方式を用いたPRML記録再生系チャネルに対し、ターボ復号ライクな繰り返し手法を適用した新規なデータ復調方式が提案された。この簡易な繰り返し復号方式は、従来、独立に構成されるPRMLチャネルと誤り訂正符号化(リード・ソロモンECC)との間に効果的な連接・協調機能をもたらすことを狙いとする。本方式では、インターリーブされたリード・ソロモンECC復号から部分的な訂正情報を帰還し、この高信頼度な符号情報を利用しながら、"state pinning"の手法を用いたPRML最尤復号を繰り返し行う。これにより、最尤復号での伝播バーストエラーの発生を排除し、符号冗長度の増加を要することなく、リード・ソロモンECCの訂正能力を高めることができる。CRCC(cyclic-redundancy-check ECC)連接符号化を併用しながら、本方式は、レート16/17擬似MTR符号化Modified E^2PRML(ME^2PRML)チャネル上、有意なシステムエラーレートの改善を達成できることがシミュレーションにより確認された。
著者
米澤 拓郎 中澤 仁 徳田 英幸
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.187-192, 2011
参考文献数
9

現在,ユーザの行動支援を行うため状況依存サービス(コンテクストアウェアサービス)の研究開発が盛んである.コンテクストアウェアサービスは,機器の自動制御などユーザの要求を先回りして解決することが可能であるが,もしコンテクストが正確に認識されずに機器が誤制御されたり,正確に制御されたとしてもそのサービスの存在を知らないユーザにとっては急に機器の状態が変化することに対して不快感を示す可能性も考えられる.本研究では,環境内に存在するコンテクストアウェアサービスの情報をユーザに伝達するため,どういうユーザの行動がどういう機器の挙動変化につながるか,その情報を直感的に伝達する"未来予知メタファを用いた情報伝達インタフェース"を提案し,実現する.
著者
渡邊 孝一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.21, pp.31-32, 2003-03-18

ドイツの有名な城「ノイシュヴァンシュタイン城」を汎用ソフトウェアである「Shade6spirit」を用いて3次元コンピュータグラフィックスという形で再現しました。
著者
前田 和博 齋藤 康之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.37-40, 2009
参考文献数
4
被引用文献数
1

本研究は,カラー画像の特徴を用いて楽曲を生成する方法について検討する.展覧会などでは,展示される画像の周囲に流されるBGMが大きな意味を持つことがある.展示される画像と同じ印象を持った楽曲を流すことができたならば,観る者が受ける感銘はより大きくなると考えられる.はじめにK-平均法を用いて画像の領域分割を行い,その領域情報からメロディラインを生成する.次に,メロディラインの持つ平均色などの情報を用いて伴奏部とメロディ部を含む楽曲を生成する.この手順で生成された楽曲は,画像の持つ特徴を含んでいる.
著者
鈴村 高幸 伊藤 博仁
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.65-68, 2016

テレビ朝日では、非常災害時における放送継続手法の検討を継続的に行っている。本社の番組送出機能が喪失してしまい、親局送信所のみで放送を継続する事態を想定した時、SNGを用いて各地の系列局より放送素材を伝送してもらい、親局送信所において直接受信するという手法が有効である。しかし、関東広域放送の親局送信所は東京スカイツリー[○!R]であるため、アンテナを設置するための条件が厳しく、SNGを簡単に受信することはできない。そこで、常設されているFPU受信アンテナを用いてSNGを受信するという手法を考えた。この手法を実現するために、FPU受信アンテナの受信帯域幅を広帯域化し、SNGも受信可能となるような共用受信アンテナの開発を行った。現在は構造設計が終了し、試作機の製作を行っている。
著者
山北 淳 古川 賢信 須賀川 豊 渡辺 義典
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.25, pp.43-48, 1998-05-20
被引用文献数
2

The five choruses from various parts via satellites of world and an orchestra "Ode to Joy" were synchronized in Opening Ceremony of Nagano Olympic. NHK Engineering Services davaioped the Time-Lag Adjuster (TLA) to conduct this. TLAs overcame time and distance lags, and this technology brought their voices and images together at precisaly the same moment at Minami Stadium in Nagano on huge screens, united in a simultaneous live performance successfully. We also developed "Audio and Video delay time measurement device". which allowed easy and stable operation for the opening ceremony.
著者
大久保 隆 伊丹 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.5-8, 2008
参考文献数
2
被引用文献数
1

Bluetoothは携帯電話などに搭載されていることが多いため,協調受信には他端末との協調手段としてBluetoothを用いる事が有用である。協調受信ではBluetoothを使いキャリア情報を共有することでダイバーシティを実行する。しかし,Bluetoothを用いて協調受信を行うと,伝送速度の制約からすべてのキャリアでデータを共有することが出来ない。特に伝送路情報は膨大なデータ量になる。そこで,本論文では伝送路情報を遅延時間と振幅のパラメータを渡すことで受け渡し,データ量の削減を検討する。また,伝送路情報を渡すことで,自端末のシンボル判定前の信号と他端末のシンボル判定後の信号を合成する方式も検討してみる。
著者
小林 直樹 大久保 隆 大野 光平 伊丹 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.35-38, 2009
参考文献数
2
被引用文献数
2

地上波デジタル放送の一形態であるワンセグ放送は,移動受信に強いがマルチパスによってディップが存在するところでは受信困難となる.この問題を解決するために,アンテナダイバーシティ技術の適用が考えられるが,ワンセグ放送受信機は小型なものが多いため,ダイバーシティ利得を十分に得られるほどアンテナ間隔を離して配置するのは不可能である.この問題を解決するために有効な方法として,協調受信がある.しかし,協調受信をすると端末間の共有信号が膨大になってしまう.そこで,本論文において,協調受信を行う際の共有信号を減らす手法を考える.提案方式では,端末間での協調受信を行い,共有信号とし他端末のシンボル判定後の信号を用い,自端末において再変調を行った後,最適な値を導く.得られた最適値で重み付けすることで受信性能の改善を図る.
著者
澤田 暁彦 三橋 渉
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.31-36, 1999
参考文献数
9

顔や表情の認識、顔画像の合成などを行うには、顔の特徴点の位置の正確な抽出が必要である。本研究では顔を含む自然画像から顔の特徴点検出を行う。注目画素から同方向、等距離離れた画素2点のそれぞれの勾配の向きが反対方向に向いている場合に大きな応答を返す変換として対称変換が知られている。この変換の応答の和が大きい画素を選択し、目のような対称的な構造を持つ特徴の候補点を絞り込む。その候補点を特徴点探索に用いれば計算量を軽減することができる。しかしこの結果だけではどの特徴(口、目など)点なのか、誤識別結果なのか判断が困難である。そこで主成分分析(PCA)を用いる。PCAを用いて特徴の学習パターンをクラスタリングし、特徴を表わすクラスの中心と特徴候補画像との距離が小さいものが目的の特徴点であると判別する。PCAにおいては対数極座標変換した画像から得られる自己相関画像を用い、顔の回転とスケールの変化にも対応できることを目的とした。
著者
北本 拓磨 長谷川 晃平 添田 泰弘 長谷川 光司
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-3, 2013

本研究では,おしぼりの色が使用時の手の温度感覚に与える影響を明らかにすることを目的としている.実験では,被験者に対し一定温度の白色おしぼりと,温度差を付加した色おしぼりを提示し,どちらが温かく感じるかを一対比較法にて評価させた.色おしぼりは,赤,榿,黄,緑,青および紫の6色相,ペールおよびビビッドの2トーンを組み合わせた全12色を用いた.得られたデータに対して,曲線近似を行い,回答率が50%となる温度差を算出した.その結果,最も温かく感じているのはペールの赤色で,実際のおしぼりの温度と手の温度感覚との差は0.77℃であった.一方,最も冷たく感じているのはビビッドの青色で,実際のおしぼりの温度と手の温度感覚との差は0.95℃であった.
著者
藤沢 寛 上原 道宏 森山 繁樹 佐々木 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.47-54, 2000
参考文献数
2
被引用文献数
1

我が国の地上デジタル放送方式(ISDB-T方式)では, 畳み込み符号の符号化率, 時間インターリーブ長, キャリア変調方式(これらを階層パラメータと呼ぶ)をOFDMセグメントごとに設定可能である.しかし, 階層パラメータを切り替えて運用する手法は十分に検討されておらず, 切り替え時にデータが大きく破損することが考えられる.今回, 1セグメント構造のISDB-T方式において, 階層パラメータ切り替え時に生じる問題を明確にし, その対策手法について検討を行った.さらに本手法でのデータ破損量を求めたので報告する.