著者
趙 恃雷 米谷 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.174, pp.7-10, 2002-06-21
被引用文献数
3

中国人の顔面行動を研究する手始めとしてわれわれは彼らの典型的な表情を集めて分析する作業を進めている。北京在住の演劇学生が様々な感情表出場面で演じたアドリブ演技を撮影し、どのような場面でどのような表情が表出されるかを調べてみた。一人の男子学生のアドリブ演技をFACSで表情分析したところ、7種類の明瞭な基本表情が認められた一方、付随するジェスチャーや感情生起因に中国的と思われる特徴が見られた。討議では中国人の表情研究において様々な条件で撮影した表情の動画像とその時系列分析結果、そしてそれを刺激に用いた評価実験の結果を含む統合データベースを構築することの重要性を論じた。
著者
片山 順一 馬渕 慶子 川島 永嗣 諸冨 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.612, pp.61-68, 2001-01-26

顔に特異的なERP成分としてVPP(P170)とN170が知られている.このERPを詳細に検討するため, 12名の被験者から, 視覚呈示された顔, 眼, 物, 動物の顔, 単語に対するERPを記録した.写真および線画オッドボール条件, 課題を課さない線画反復条件を設けた.全条件で全ての刺激は後側頭部でN170を惹起し, 顔, 眼, 単語刺激に対してその振幅が増大した.耳を基準としたとき, 頭蓋頂でのP170は増大し明確な頂点を示した.頭皮上分布の分析から, これは顔に特異的な成分と考えるより, 処理の初期段階において注意が配分される程度を反映すると考えられる.
著者
高橋 信 奥田 健太 杉本 直哉 狩川 大輔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.26, pp.143-148, 2008-05-05

This paper describes the two experimental studies on the cognitive issues concerning air traffic control (ATC). In the first experiment, the effectiveness of the communication style adopted in ATC has been confirmed through the communication experiments. In the second experiment, the possibility of controlling the cognitive control modes proposed by Hollnagel has been investigated based on the ATC simulation.
著者
高嶋 和毅 藤田 和之 横山 ひとみ 伊藤 雄一 北村 喜文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.176, pp.49-54, 2012-08-11
被引用文献数
2

本研究では,複数人会語中に話者が感じる場の盛り上がり「場の活性度」を自動的に推定する手法の確立を目指し,会話中の発話量,手の動き,頭部方向や身体の移動などの非言語情報と,場の活性度との相関を実験的に調査した.実験では,初対面で同世代の6人(男3,女3)による会話を扱い,非言語情報は各種センサにより取得した.重回帰分析を用いて,参加者が主観的に評定した場の活性度と取得した非言語情報との関連を調査したところ,発話時間,クロストーク,手の加速度,会話の輪の大きさ,等が強く場の活性度に影響することが分かった.また,これを用いてモデル化を行い,3人会話におけるモデルと比較を行った.
著者
山口 拓人 渡邊 伸行 續木 大介 鈴木 竜太 天野 陽子 水沼 真弓 山田 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.734, pp.25-30, 2003-03-11
参考文献数
19
被引用文献数
6

現在,顔の感性情報処理の問題に対する関心か高まっている.我々はそのような問題の解明にかかわる実験またはシミュレーションに利用することができる,顔情報データベースの構築を目指したブロジェクトを立ち上げた.現段階において,このプロジェクトでは,統一-された撮影環境と撮影手続きを確立し,データベースに必要な顔および表情画像の取得を開始した.特に表情は,基本6表情(喜び,驚き,恐れ,悲しみ,怒り,嫌悪)をカバーするものである.また,単純な顔画像集ではなく,顔に付随する様々なデータを利便性高く扱えるデータベースの構築を目指した支援システムの開発も進めている.
著者
北村 裕貴 湯浅 将英 武川 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.457, pp.55-60, 2010-03-01

本研究は人同士のコミュニケーションにおいて視線によって伝わる意図や興味の理解と表出の仕組みを探り,意図や興味を表現できるロボットの視線動作をデザインすることを目的とする.人の意図や興味を理解すると同時に,人にわかりやすく意図や興味を伝える親密なコミュニケーションができるロボットの開発に寄与することを目指す.ここでは,特に人の興味や意図を表わす「いる」「いらない」を表す視線動作に注目し,人の視線によって意図を伝える場合とロボットの視線によって伝える場合とを比較する.コミュニケーションロボット(Phyno)を用いて評価実験を行った結果,ロボットの視線動作も人の場合と同様に人により理解可能であることを明らかにする.また,ロボットと人では凝視時間によって「いる」,「いらない」の解釈が変わることを示す.
著者
前田 真梨子 尾関 基行 岡 夏樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.440, pp.75-79, 2015-01-23

二つの選択肢が表示された画面上にユーザからの入力(手の傾き等)を受けて移動するカーソルを表示し,ユーザには自身の入力だと気づかせないように工夫を加える(主体感覚を離脱させる)と,ユーザが潜在的に好ましいと思っている選択肢の方向にカーソルが自動的に動くように感じさせることができる.このときユーザから乖離した主体感覚はユーザ以外の何らかの対象(コンピュータプログラムやその上で動く擬人化エージェント)に帰属されるが,その対象にはより強い意図性が付与されるという仮定を我々は立てた.この仮説を検証するため,本研究では,スマートフォンアプリの占い風相談システムを構築し,その上で動くCGキャラクタに対してユーザが感じる意図性の強さを調べた.実験では,提案手法(ユーザが動かした方向にカーソルが動く)に加えて左右反転選択とランダム選択を用意した.その結果,二つの比較手法に対して有意差はみられなかったものの,平均値としては提案手法が最もよい結果となった.
著者
山本 怜 伊藤 京子 大西 智士 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.224, pp.41-46, 2009-10-01

先端技術の導入・利用を検討するために,先端技術に関する一般の人々のpublic opinionが必要とされている.しかし,先端技術は問題への対峙の仕方が難しく,public opinionの取得は困難である.そこでその問題を解決するため,直接的なインタラクションを行わないで他者の存在を提供するゆるやかなコミュニケーションを用いた新たな意見表明手法を提案する.評価実験の結果,提案手法により先端技術に関するpublic opinionが取得できる可能性が確認できた.
著者
上出 寛子 大坊 郁夫 趙 〓珍 高橋 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.385, pp.33-38, 2005-10-27
被引用文献数
10

社会的スキルが, 顔面表情時の顔形態特徴に与える影響について, 韓国人の大学生を用いて検討を行った.84名の大学生(男性37名, 女性47名)が真顔・幸福・怒りの表情を表出し, 各表情を3次元計測器を用いて撮影した.各表情の顔形態特徴と社会的スキルとの関連を調べた結果, スキル得点が高いと, 口や顎周辺と, 目や眉毛周辺という顔の上下部位の表情が豊かであるということが示された.男女別の検討では, スキル得点の高い男性は, 口や顎周辺の表情が豊かであり, スキル得点の高い女性は, 目の表情が豊かであることが示された.また, 社会的スキルの判別分析では, 男性の方が女性よりも表現力の識別には多くの顔形態部位が必要であり, また, 男女共に目の周辺や顎, 口の周辺の表情が重要であることが明らかとなった.さらに, 目の周辺や鼻, 眉の動かし方が豊かであると, 基本的なスキルが高いことも明らかとなった.
著者
池田 彩夏 小林 哲生 板倉 昭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.412, pp.89-94, 2013-01-17

オノマトペとは、音、動き、質感など様々な感覚表現を表す言葉であるが、その一部に複数の感覚に由来するものが存在する。例えば、「ざらざら」は視覚と触覚の両方のイメージを喚起するが、このことを幼児も大人と同じように理解できるかはよくわかっていない。本研究では、視触覚表現を表すオノマトペを対象に、日本人4歳児がオノマトペの示す視覚表現及び触覚表現をどの程度理解しているかをクロスモーダルマッチング法を用いて検討した。その結果、4歳児はオノマトペと視覚及び触覚のマッチング課題に成功し、両課題に正答する幼児も多かった。また課題成績は対象年齢内でも月齢とともに上昇し、その個人差は幼児の語彙力や母親の言語入力との関連を示した。これらの結果から、4歳児はオノマトペの示す視触覚表現とそのクロスモーダルな表現をすでに理解しているが、この時期にそれらの理解をより精緻なものに向上させていることが示唆された。
著者
村上 久美子 大平 英樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.99, no.289, pp.15-18, 1999-09-04

Joint attentionとは他者と共同である対象に注意を向ける行動であり、健常児では10ヶ月齢ころから出現する。これはコミュニケーションを成立させる上で重要な能力であるが、そこに他者の表情の要因が影響するか否かを注視時間と心拍を指標として検討した。他者(母親)が真顔・笑顔・怒り顔のいずれかを表出しつつ対象を注視するとき、笑顔条件では乳児のjoint attention時間がより長く、joint attention潜時がより短く、母親を振り返るreferential lookingがより多いことが明らかになった。またjoint attention開始とともに心拍の一過性の減速がみられ、課題中のLF/HF比が増加した。これはjoint attentionが単なる反射ではなくなんらかの精神活動の反映であることを示唆している。
著者
平井 佑樹 井上 智雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.190, pp.61-66, 2011-08-19

プログラミングを行う方法の1つとして,2人1組になって行うペアプログラミングがある.ペアプログラミングによるプログラミングは協調作業であるが,これはプログラミング学習の方法としても用いられている.本研究では,プログラミング学習時のペアプログラミングの成功事例と失敗事例を比較分析した.分析では作業中の会話に着目し,失敗事例の方が発話が長いこと,説明の繰り返しが多いこと,一方的な発話が多いことが分かった.この知見は,ペアプログラミングにおいて協調作業がうまく進んでいるかどうかを判断する手がかりを提供し,協調作業の状態推定に有効であると考えられる.
著者
松田 昌史 八重樫 海人 大坊 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.457, pp.79-84, 2010-03-01
被引用文献数
3

ビデオ会議システムは,対面状況と同等なコミュニケーション環境を遠隔地間につくり出すことを目標の一つとしている.本稿では,遠隔地と空間共有を目指すt-Roomを取り上げ,同システムがこの目標を満たしているかどうかを評価した.本稿では評価法に関するロジックと,実際に評価を行った結果について報告する.評価の結果,必ずしも対面状況と同等の結果が得られるわけではないが,t-Roomでは対面状況と同様に平等的な選択がなされやすいことがわかった.また,地点間の人数の不均衡によるバイアスは発生せず,その点においては対面状況と同等であるとみなせることがわかった.
著者
松田 昌史 八重樫 海人 大坊 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.383, pp.37-42, 2011-01-14
被引用文献数
1

ビデオ会議システムの究極の目標の一つは,対面状況と同等な環境を遠隔地間に作り出すことにあると言える.本研究は,遠隔地間で利用者の相対位置を共有することのできるビデオコミュニケーションシステムt-Roomを取り上げ,同システムがこの目標を満たしているか確かめることを目標とする.本稿では評価法に関するロジックと,実際の評価について説明し,先行実験の結果を確認するための追加実験のデータを報告する.追加実験の結果,先行実験の結果がおおむね再現され,t-Roomは対面状況と同様な合議結果がもたらされやすいことがわかった.
著者
足立 吉広 前島 謙宣 四倉 達夫 森島 繁生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.734, pp.1-6, 2003-03-11

音声への感情付加や発話強調、方言の付加等を目的として、任意の自然音声もしくは合成音声に対して声質を変換する手法を提案する。従来から、音声の韻律情報を制御し、イントネーションを制御する研究が行われてきたが、波形レベルでの変形を行っていることから、再現された音声の自然性の劣化が著しかった。そこで本研究では、声質変換した音声の自然性の劣化を抑えるためにSTRAIGHTの考え方を導入し、セグメンテーションした音節区間毎に、継続長、ピッチ、パワーを制御する方法を新たに付加することで、発話速度とイントネーションを変換するシステムを構築した。これにより喋り方の手本となる参照音声の分析結果から、発話速度、ピッチ推移、パワー推移をセグメントごとに自動抽出して、サンプル音声にこの韻律情報をそのままコピーし、声質変換することが可能となった。
著者
長田 誉弘 大室 学 緒方 信 森島 繁生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.693, pp.25-32, 2002-02-28
被引用文献数
3

映画製作においては、手動のマッチムーブ処理によって、主人公の顔部分を別の人物に置き換える処理がしばしば行われるが、経験と時間を要する処理である。また、洋画の吹き替えにおいては、口形と音声の同期が取れず、しばしば、口の動きからせりふが制約を受ける場合もある。本稿では、映像中の人物の顔の位置と向きを自動的に推定し、顔の全体もしくは一部を置き換える手法を提案し、この問題点に対応する。顔のトラッキングには、3次元テンプレートを利用する手法を提案し、精度の高い推定を実現する。また、このトラッキング結果に基づいて画像中にワイヤフレームを当てはめ、顔を他の人物のものと置換したり、口の部分を入れ替えて、別の言葉を発声する映像に変換するシステムを提案する。
著者
蒲池 みゆき 吉川 佐紀子 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.98, no.311, pp.17-24, 1998-10-11
被引用文献数
17

顔の表情認知過程における動的な情報の割合を探る研究の一環として, 本研究ではモーフィング技術を応用して作成した動画刺激を用いて心理実験を行った.この方法により, 変化量や変化速度などの物理量を統制した表情動画像の作成が可能となる.4種の顔表情(幸福・悲しみ・驚き・怒り)及び3種の時間条件を用いた実験では, 表情から認知される感情強度の評定結果から, 表情認知は変化速度に影響を受けることが示唆され, しかもその影響は表情間で異なることが示唆された.特に「驚き」の表情は速い速度で変化するほど強度が高いと認定され, 「悲しみ」の表情に対する強度は, 速度の変化によって影響を受けないことがわかった.
著者
渡邊 伸行 齋藤 展三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.238, pp.31-34, 2012-10-06

本研究は,自分の顔のイメージは証明写真のような正像か,あるいは鏡に映った像(鏡像)なのか,調べることを目的とした。実験参加者の顔を撮影し,その鏡像との間でモーフィングすることで,7種類(0%[正像],20%,40%,50%,60%,80%,100%[鏡像])の顔画像を作成した。シェッフェの一対比較法の浦の変法に基づいて,実験参加者は7種類の自己顔を評価した。実験で得られた評価値の平均値を顔の種類ごとに算出し,推定値を算出した。その結果,鏡像の方が正像と比較して自分の顔のイメージに近いことが示された。しかし,分散分析の結果,両者の間に有意な違いは見られなかった。
著者
馬瀬 春香 中谷 友香梨 吉田 侑矢 米澤 朋子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.426, pp.175-179, 2014-01-25

本稿ではユーザの精神負荷を吐露する対象としてぬいぐるみデバイスを提案する.意図的な吐露だけではなく,ユーザの落ち込んでいる時の無意識的な仕草(うつむき)をジェスチャ認識などを通じて認識し,SNSにぬいぐるみ自身のつぶやきを書き込む.コミュニティなどへの所属や参加を強要されることなく,ユーザに理解,共感,同情を示しながら他者との間接的なかかわりを促すことを狙う.
著者
河瀬 諭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.189, pp.75-78, 2014-08-15

本研究の目的は,演奏者の日常的なコミュニケーション能力が合奏の成否に与える影響を明らかにすることである.本研究では,演奏者のコミュニケーション能力が合奏の練習方略に影響し,練習方略と個人の演奏スキルが合奏の出来に影響すると仮定した.音楽専攻生68人を対象として,質問紙調査を実施した.その結果,以下のことが示された.(1)社会的スキルと,対人葛藤を自分も他者も満足できるように解決する能力は,合奏での平等な練習方略に影響していた;(2)日常場面でのリーダーシップは,合奏の練習でのリーダーシップ方略に影響していた;(3)2つの練習方略は,合奏の出来に寄与していた;(4)日常場面でのコミュニケーション能力,合奏の練習方略,合奏の出来には因果関係があった.