著者
広瀬 雄二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.120, pp.35-37, 2009-07-02

東北公益文科大学では,2年次にRubyを用いた基本的なプログラミングを必修科目としている。計算機技術者を目指すための講義とは異なり,そこでは仕事を遂行する手順の組み立て,考え方,レポート文書の構成法を深く学ばせることを目的としている。全くの初心者を対象に実際に重ねて来た講義を基に,ゆとり教育世代の学生に対する情報処理基礎教育のあり方進め方になどについて展開する。
著者
中村 素典 西村 健 山地 一禎 佐藤 周行 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.23, pp.163-169, 2013-05-02

近年,シングルサインオンの技術を応用し,組織をまたがった認証連携を行う取り組みが広がりを見せている.民間ではOpenIDの仕組みを活用した認証連携が進む一方,学術ではSAML(Secudty Assertion Markup Language)を用いた認証連携の枠組みが,国を単位として世界的に立ち上がってきている.OpenIDやSAMLでは,認証結果とともに,認証された利用者に関する属性情報をサービス提供側に受け渡す仕組みが用意されているため,単なる利用者の本人確認にとどまらない,高度な情報連携の可能性を秘めている.本報告では,大学等が運用管理する認証サーバと,民間のサービス提供サーバとを連携させ,大学が保持する職種(学生,職員,教員など)に関する属性情報を提供することにより,学割サービスを実現するためのプロトコルゲートウェイの設計および試作について述べる.
著者
齊藤 壮馬 岩村 惠市
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.23, pp.83-90, 2013-05-02

ワイヤレスセンサネットワークを構成するセンサノードは小さい電池容量であり、リソースも少ないため効率的な利用が求められてくる.LEACH(Low Energy Adaptive Clustering Hierarchy)はクラスタヘッドを周期的に選択することで、各ノードの消費電力を平均化するプロトコルである.このプロトコルに対するセキュリティ対策はいくつか提案されているが、電力消費が大きく、クラスタヘッドと通信できない孤立ノードを発生される可能性がある.そこで、階層型鍵共有方式を適用することで消費電力が小さく孤立ノードが発生しない方式を提案し、消費電力などをシミュレーションにより評価する.
著者
加藤 稔 久原 理央 森 澄人 今崎 充智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.132, pp.17-22, 2014-07-03

近年のクラウドサービスでは,テナントのユーザが自由に自身のネットワークトポロジを仮想化環境上に構築でき,複数のテナントが同じIPセグメントを重複作成しても通信制御が可能となっている.この技術は,通信制御ノードがネットワーク名前空間を用いることによって実現している.しかし,ネットワーク名前空間は,ノード固有のOSカーネル空間に作成されるため,他ノードと共有することができず,故障した通信制御ノードに収容されていたネットワーク名前空間を使用するテナントは,他の通信制御ノードが正常であっても通信できなくなる.したがって,このネットワーク名前空間を用いる通信制御ノードは,通信システムにおける単一故障点となり得る.本稿では,OpenStackのネットワーキングコンポーネントであるNeutronを使用した,ネットワーク名前空間を用いる通信制御ノードにおけるフェイルオーバ手法について検討し,テナントの通信遮断時間を短縮するための新たな高可用基盤を提案する.
著者
上山 憲昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.275, pp.41-46, 2009-11-05

NWトポロジ設計時には,コストや信頼性等の様々な評価尺度を同時に考慮する必要がある.そこで筆者は,意思決定において関連する要素を階層構造で把握し合理的な意思決定を行う手法として知られるAHPをNWトポロジ評価に適用したが,NW規模の増加に伴い候補集合の生成に要する時間が爆発的に増大する.そこでリンクの設置可能な候補位置を少数に限定することで,大規模NWに対しても現実的な時間で候補トポロジ集合を生成することを検討した.しかし特定の位置には常にリンクが設置され,また大部分の候補位置には常にリンクが設置されないため,生成されるトポロジが特定の形状に偏り,得られる候補トポロジ集合の多様性が低い.そこで本稿では,トポロジの各評価尺度の最大化を目的に自律的に行動するエージェントから構成されるマルチエージェントシステムを考え,エージェントの相互作用を利用することで,多様なトポロジ候補を短時間に生成することを提案する.
著者
土井 将登 阿多 信吾 岡 育生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.481, pp.59-64, 2009-03-05

P2Pファイル共有システムでは,負荷分散や検索効率の向上を目的としたコンテンツのキャッシュ(複製)が行われている.ピアのキャッシュ容量は有限であるため,時刻やアクセス頻度によってキャッシュ内容の更新が行われている.しかし,コンテンツへの要求の時間的傾向(トレンド)を考慮したキャッシュ内容の更新は行われていない.そのため、有効に活用されることのないキャッシュが残存するという問題が起こることとなる.そこで、トレンドパターンを考慮した,効率的な新しいキャッシュ置き換えアルゴリズムを考案する必要がある.本稿では,トレンドパターンを考慮した新しいキャッシュ置き換えアルゴリズムを提案するために必要となる,P2Pファイル共有システムにおけるトレンド分析を行う.そのためにまず,P2Pファイル共有システムをクロールし,P2Pファイル共有システム上を流れる検索クエリの計測を行う.さらに,計測した個々のクエリの時系列推移データに対して離散フーリエ変換(DFT)を適用することにより,個々のクエリの時系列推移パターン間の非類似度を導出し,階層的クラスタリングによりトレンドパターンの分類を行った.その結果,P2Pファイル共有システムにおけるトレンドパターンは大きく4種類に分類できることが分かった.
著者
松浦 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.299, pp.25-30, 2014-11-06

ワイヤレスセンサーネットワーク(WSN)が多くの分野で利用されている.WSNの特徴は,多くのセンサーが電池稼働であることである.そのため,各ツリークラスタを構成するセンサーの電力消費を最小限に抑える省電力ルーティングが求められる.また,複数ツリークラスタ間の負荷バランスをとることも重要になる.本稿では,クラスタヘッドとクラスタヘッドから情報を収集するベースステーション(BS)単位に階層的にWSN管理システムを配置し,BSと複数のクラスタヘッドを連携させた効率のよいルーティングとWSN管理手法を提案する.
著者
嶋田 邦昭 松本 安英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.119, pp.79-84, 2010-07-01

IT投資全体の7割もの費用が投入されているといわれるアプリケーション/運用保守コストを削減するためには,時間を要しているインシデント管理の障害原因の迅速な特定が重要である.従来の重要語抽出と決定木の機械学習を用いた障害原因推定手法では,エラーメッセージが過去事例に記述されていない場合には特定率や特定精度が低いという課題がある.そこで,障害原因切り分けの証拠情報を正規化して入力し事例にタグとして付加することにより,障害原因の特定率と特定精度を高める手法を提案する.実際にアプリケーションの保守を行う現場のインシデントで評価した結果,特定率が63%に向上した.
著者
糸魚川 竜士 大山 恵弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.22, pp.105-110, 2012-05-03

サーバのセキュリティログを頻繁に検査することはセキュリティの確保のために重要である.しかし,監視のための仕組みがなかったり貧弱であったりすると,管理者は外出時などにログを効率的に検査できない.そこで本研究では,サーバの監視状況をツイートとしてTwitterに送信するセキュリティシステムを提案する.そのシステムのユーザは,サーバのログを様々な場所からいつでも検査できる.また,決まったコマンド文字列を含むツイートにより,ユーザはシステムの挙動を制御できる.現在,本システムはApache Webサーバを対象としている.実験では,本システムがWebサーバの監視状況をツイートとして送信したことや,与えられたコマンド文字列に関係づけられた動作を実行したことを確認した.
著者
土井 将登 阿多 信吾 岡 育生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.463, pp.139-144, 2010-03-04

P2Pファイル共有システムにおいてコンテンツへの要求の時間的傾向(検索トレンドパターン)が,将来のコンテンツに対する要求を予測するために重要となっている.コンテンツに対する将来の要求を予測することは効率的なキャッシュの利用などにとって重要であるが,検索クエリに使用されるキーワードの性質によって検索トレンドパターンは大きく異なってくるため,検索トレンドパターンの正確な予測は難しい.そこで検索トレンドパターンを分類し,キーワードがどの検索トレンドパターンに属するか識別することがトレンドパターンの予測に有効である.我々は以前の研究で離散フーリエ変換及びWard法による検索トレンドパターンの分類方法を提案した.本稿では,その分類結果に基づき計測された検索トレンドパターンの統計的特徴から自動的に検索トレンドパターンを識別する方法を提案する.その結果,88.3%という高い確率での識別が可能であることを示す.
著者
中台 慎二 登内 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.288, pp.1-6, 2008-11-06
被引用文献数
2

大規模システムでは装置故障や設定ミス等に伴う障害が日常的に発生するため、障害を迅速に検出・分類し、保守運用者に復旧作業を提示する障害検出システムが必要である。しかしながら、携帯電話網におけるスリーピングセル障害のように、発生した障害を検出できずに復旧作業が遅れる障害がある。ルールベースの障害検出は、どの監視項目に対してどの程度の閾値を設定するかを人が判断する必要があり、十分な精度で障害を検出するには、ルール修正・検証に作業工数が必要となる。本研究では、サポートベクターマシンを用いて過去の障害事例からこの閾値を生成する。特に、従来ある方式とは異なるアプローチで特徴空間を設計し検出精度の向上を図った。さらに、保守運用者の検出感度に対する運用ポリシーに応じて異なる閾値の生成を可能とする。これらは、携帯電話網にて実際に発生した障害データを用いて検証し、4つの障害パターンのいずれについても本来検出すべき障害の7割以上を検出した。
著者
美馬 正司 上田 昌史 岡田 仁志 Sonehara Noboru
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.123, pp.79-84, 2008-07-03

我が国は地上デジタル放送への移行を進めているが、その進捗は十分でなく、移行を支援する公共政策が必要である。支援政策には移行期間の延長と経済的支援の二つが大きく想定されるが、移行の遅れに結びついている地理的要因、経済的要因、身体的制約要因等を考慮することで、支援対象を限定することが可能である。本研究では、移行期間の延長、経済的支援、及び両方の組合せという三つの支援政策について、定量的な評価を行い、今後の移行支援政策の在り方について考察を行った。
著者
藤田 後輪 吉田 和幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.24, pp.41-46, 2008-05-01

我々はLANスイッチを主として構成されるLayer2ネットワークのトポロジを推測するアルゴリズムを提案し,機器間の接続関係を推測・表示するシステムを作成し利用してきた.現在本システムの運用環境である大分大学では,多数のベンダのLANスイッチを用いてネットワークを構築している.このような環境で,ベンダに依存せずに各LANスイッチの情報を取得するために,SNMPを用いている.しかし,SNMPを用いてMIB2の情報を収集しても,いくつかのLANスイッチでは機種に依存した特殊な手続きを取る必要があることがわかった.本論文では異なるベンダのLANスイッチが混在するネットワークにおける構成情報の収集について述べる.