著者
森 友則 朝香 卓也 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.286, pp.87-92, 2008-11-06
被引用文献数
3

近年,インターネット上においてユーザがユーザ自身が作成した動画を投稿し,任意の時間に視聴することができる動画共有型VoDサービスが人気を博している.これらのサービスでは,ユーザ数の増加やコンテンツリクエスト数の急増にともない配信サーバへの負荷が非常に高くなる.そこで,動画共有サービスにおけるコンテンツのリクエストパターンの特性を分析することにより,動画共有サービスのシステム設計を適切に行うことが期待できる.本稿では実際の動画共有サイトの実測データを利用して,単位時間あたりの新規発生コンテンツ数,人気度の時系列推移について分析,評価を行った.また,本稿では分析に基づいた人気度変動モデルの構築についての議論を行った.
著者
金田 茂 廣森 聡仁 品川 準輝 滝田 亘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.311, pp.63-68, 2007-11-08
参考文献数
9

移動通信ネットワークでは,花火大会などのイベント時に局所的にユーザが集中することによって,ネットワークの処理能力を超える膨大な接続要求が発生し,輻輳が生じることが多い.このような状況に対処すべく,我々は,ユーザとネットワークとが協調してトラフィック制御をすることで,呼損率の低減やシステムのリソース利用効率を上げることを目指したユーザ協調型トラフィック制御方式を提案している.本論では,提案方式をより実世界に近い環境で定量的に評価することを試みた.そのために,通信サービスの利用者であるユーザの行動を模擬すると共に,実際の地理的環境を考慮できるシミュレーション評価環境を構築した.さらに,構築した評価環境を利用し,提案するトラフィック制御方式の性能評価を行うことで,提案方式の効果や適用範囲を明らかにする.
著者
吉田 雅裕 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.31, pp.49-54, 2008-05-08
被引用文献数
3

P2Pファイル共有ネットワークは,プロトコルにファイル流通制御機能を備えていない場合がある.そのような場合は,ポイゾニング手法を用いることが有効である.P2Pネットワークにおけるポイゾニング手法とは,制御用に加工したファイル情報,またはファイル本体をネットワーク上に拡散し,制御対象ファイルのダウンロードを困難にする方法である.しかし,国内で広く利用されているWinnyやShare等のP2Pファイル共有ネットワークは,ポイゾニング手法への対抗策となるように,ファイルIDによる検索が可能となっている.そこで本稿では, Winnyネットワークを対象にファイルID検索に対しても有効なポイゾニング手法を実装し,評価実験により効果を確認する.
著者
小杉 正昭 桧垣 博章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.102, pp.67-72, 2009-06-18

アドホックネットワークでは、次ホップ無線ノードへのデータメッセージ転送に無線通信リンクを用いるが、一般に有線通信リンクよりも低信頼であると言われている。高信頼無線通信手法には、Ackメッセージの返信とデータメッセージの再送信によるBEC手法と、同一データメッセージを一定回数繰り返し送信するFEC手法がある。本論文では、同一のデータメッセージ転送成功率を得ることを前提として、隣接無線ノードのデータメッセージ受信機会の減少量を指標として、各中継無線ノードがBECとFECを選択的に使い分ける手法を提案する。ここでは、メッセージ紛失率、データメッセージ転送に対する要求成功率、送信無線ノードと受信無線ノードの隣接無線ノード数によって無線通信手法の選択を行なう。シミュレーション実験により、提案する選択手法がBEC固定手法およびFEC固定手法に対して6.20%および6.66%スループットを改善することを確かめた。
著者
金子 豊 竹内 真也 南 浩樹 和泉 吉則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.57-62, 2008-09-04

DHT (Distributed Hash Tables)を使った構造型P2P (Peer-to-Peer)は,中央集権的な管理機構が無いためスケーラビリティがあり,障害耐性,拡張性にも優れるため,大規模な分散ストレージシステムの構築に有効な技術である.筆者らは放送局における番組素材ファイルの分散ストレージシステムへの利用を想定し,OneHop拡張方式を提案している.本稿ではこのOneHop拡張方式の実装方法について述べ,さらに,1,000から10,000ノード規模の実験による本実装による提案方式の性能評価結果について述べる.実験の結果,提案方式はサイト間ネットワークのパケット量の削減効果があること,公開するキー数に応じてキーの割り当て数を制御可能なことを確認した.また,提案方式はネットワーク障害による通知メッセージの輻輳を起こさず,スケーラビリティの点で有利であることが分かった.
著者
渡辺 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.71-76, 2009-04-09

MPEGはMoving Picture Experts Groupの略称であり,ISO/IEC JTC1におけるオーディオビジュアル符号化標準の開発機関及び規格の両者を意味する.MPEGビデオ規格の代表的なものにMPEG-1,MPEG-2,MPEG-4,MPEG-4 AVCがある.このうち,MPEG-2はDVDとHDTVに,MPEG-4 AVCは携帯端末用ワンセグ放送,BD用映像符号化,YouTubeなどで用いられている.本稿では,ネットワーク帯域の消費量が大きいと考えられるMPEG-2のビデオ符号化方式を中心に,圧縮されたビットストリームの生成及び転送の仕組みについて解説する.
著者
岡田 昭宏 川原 亮一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.17-20, 2003-04-10
被引用文献数
11

インターネットにおけるトラヒック特性は,インターネットの利用形態などの影響を強くうける.従来,インターネットにおけるトラヒックはwebベースのHTTPによるトラヒックが主流と考えられていた.そして,その前提のもとでネットワークの設計,運用がおこなわれてきた.本稿では,先ず,インターネットのトラヒック測定から,ファイル共有ソフト間のトラヒックが主流を占めていることを示し,HTTPとの比較においてトラヒック特性を分析した.次に,ネットワークの運用・設計に関わるいくつかのトラヒック特性を分析した.ここでは,統計多重化の効果が期待できること,自己相似性の度合いは高くないことを示した.最後に,トラヒックの1日周期の変化について分析し考察した.
著者
山本 淳二 花岡 誠之 矢野 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.146, pp.19-24, 2007-07-12
被引用文献数
1

移動通信システムにとって使い勝手の良い6GHz以下の帯域については,第3世代携帯電話や無線LANを始めとして稠密に利用されており,深刻な電波の逼迫状況が生じている.電波の利用状況は時間や場所に応じて異なっており,逼迫している電波をより有効かつ効率的に活用するため,複数の電波利用システム間における電波の高度な共同利用の実現が求められている.報告者はこれまでに複数の無線システムを統合するコグニティブ無線システムについて無線環境認識技術やコグニティブ無線を実現するためのシステム構成について検討してきた.本報告では,基礎実験システムにIP-TV電話を接続し,コグニティブ無線システムの基礎通信システムの通信特性の測定結果を示す.測定の結果,無線LANは通信悪化時に各種測定値の変動が大きいが,通信状態の復帰時に測定値の復帰が早く,WiMAXは802.16-2004と802.16eのどちらも通信悪化時の変動が小さい代わりに測定値の復帰に時間が掛かることが判った.
著者
能勢 進一 西山 道子 高見 一正 渡辺 一弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.577, pp.95-100, 2007-03-01

ユビキタス環境の進展に伴い,個人対応のWebサービス(パーソナルWebサービス)が期待されている.パーソナルWebサービスを構成するにあたって,ユーザに「管理・監視されている」といった心理的圧迫感を与えない個人識別技術が必要である.本稿では,光ファイバをめぐらした知的モニタリング空間において,バイオメトリクス分野でも未だに適用されていない「足裏」に着目したヘテロコア型光ファイバセンサによる個人識別法とその個人識別技術を用いたパーソナルW6bサービスを提案する.また,提案した2層型の足裏識別センサマット,個人識別アルゴリズムとテレビ番組における個人の趣味嗜好判定のアルゴリズムを試作し,評価を行なう.
著者
濱野 貴文 鈴木 亮一 池川 隆司 市川 弘幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.689, pp.179-182, 2004-02-26

リソース消費型DOS/DDOS攻撃やワーム攻撃発生時,ネットワーク事業者は,通信品質低下を防ぐため,攻撃パケットを廃棄する必要がある.大規模網での攻撃防御では,攻撃破疑パケットを固定拠点にトラヒック集約して一元対処する方式が,攻撃防御機能をエッジ/ボーダルータに分散配備する従来方式よりも,必要な攻撃防御装置数が少ないため,運用面で優れる.本報告では,大規模網への適用の観点でトラヒック集約技術の比較を行う.イングレスエッジ/ボーダル一夕と集約型攻撃防御装置間にトンネルを設定し,該ルータヘのポリシールーチング設定により,攻撃対処時のみ攻撃ターゲット宛てパケットを集約型攻撃防御装置にリルーチングさせる方式を提.案する.提案方式が大規模網への適用に有効であることを示す.
著者
村井 信彰 加藤 聰彦 伊藤 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.195, pp.33-36, 2005-07-14
被引用文献数
1

モバイルネットワークの普及に伴い, Mobile IPがその基本プロトコルとして注目されている.IETFでは, IPv6アドレスに対応するとともに, 経路最適化やイングレスフィルタリングを行うバックボーンルータへの対処などを考慮したMobile IPv6を標準化している.しかしMobile IPv6には経路最適化を行う際の制御メッセージ転送のオーバヘッドが大きいなどの問題点がある.そこで本論文ではこのような問題を解決するために, 移動した際に入手する気付アドレスをホームアドレスとして用いて発信し, 通信中にさらに移動した場合は, 気付アドレスを割り当てたアクセスルータにHA機能を実現することにより, そのアクセスルータ経由でIPパケットをフォワーディングするMobile IPv6方式について, 詳細設計を行った結果を述べる.
著者
早舩 嘉博 塩本 公平 井上 一郎 大木 英司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.355, pp.31-36, 2006-11-09

Internet Protocol (IP)による通信インフラは、サービスの多様化を促し、現時点では想像しえないキラーサービスが登場する可能性を秘めており、今後の通信ネットワークには、キラーサービスの登場に伴う想定外のトラヒック変動に対応する能力が求められるであろう。また、通信ネットワークが社会インフラとしての重要性を増すにつれ、想定外の故障・災害に対しても、能力の低下を極力抑える仕組みが通信ネットワークに求められると想定している。我々は、通信ネットワークとして、ルータと伝送装置から構成される光レイヤとIPレイヤのマルチレイヤバックボーンネットワーク(マルチレイヤ網)を対象とし、自動収集したトラヒック情報を基に、ルータと伝送装置を連携させてトラヒック制御するマルチレイヤ網運用制御システムを試作し、ネットワーク状態の急激な変化に対応した運用制御の基本動作の実証実験を行った。本稿では、我々が試作したマルチレイヤ網運用制御システムおよびそれを用いた所内実験について述べる。
著者
上村 香菜子 舩曵 信生 中西 透 ファラグ ターメル
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.261, pp.57-62, 2007-10-11
参考文献数
14
被引用文献数
5

本研究グループでは,無線による広域でのインターネットアクセスを実現する,スケーラブルな無線メッシュネットワークWIMNET(Wireless Internet-access Mesh NETwork)の研究を進めている.WIMNETは,互いに無線通信を行う複数のアクセスポイント(AP)で構成され,その1つ以上がインターネットアクセス用ゲートウェイ(GW-AP:GateWay Access Point)となる.各ホストは近傍のAPにアクセス後,AP間のマルチホップ通信によるGW-AP経由でインターネットに接続する.そのため,WIMNETでは,GW-AP付近の通信リンクでの伝送遅延,および,各APからGW-APまでの伝搬遅延の増大が性能低下の要因となっている.本論文では,その改善のために,最大通信遅延の最小化を目的としたAP間経路木生成問題の定式化とアルゴリズムの提案を行う.WIMNETシミュレータを用いたシミュレーションにより,その有効性を示す.
著者
石井 智之 井家 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.190, pp.59-64, 2010-08-26
被引用文献数
1

近年,P2P(peer-to-peer)技術を用いたストリーミングモデルが注目を集めている.P2Pストリーミングは配信サーバだけでなく参加したピア間での配信も可能とするため,クライアント・サーバ型のストリーミングモデルに比べて負荷分散やスケーラビリティに優れる.このようなシステムにおいて,供給力の高いピアをネットワークの上流に配置することでスケーラビリティをより向上させることが可能である.本研究では,トポロジ構築の際に動的にピアの入れ替えを行うことでスケーラビリティを向上させるアルゴリズムの提案を行う.また提案したアルゴリズムに対して,ピアの離脱が発生する場合と発生しない場合についてシミュレーションにより構築したトポロジの特性を観測する.
著者
肝付 兼次 三好 匠 村田 正徳 二見 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.577, pp.197-200, 2007-03-01
参考文献数
4
被引用文献数
1

近年,インターネットにおいてサーバを用いずに多端末間でVPN(Virtual Private Network)を構築するP2P-VPNが注目されている.P2P-VPNでは,ファイル共有やストリーミングといったサービスに特化したP2Pアプリケーションとは異なり,任意のアプリケーションやグループウェアをインターネットを介して利用することができる.本稿では,UDPホールパンチングによるプライベートアドレスホスト間接続手法を利用し,P2P-VPNを開発している.また,本システムの性能を評価するため,スループットの測定を行っている.
著者
小出 俊夫 下西 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.448, pp.19-24, 2010-02-25
被引用文献数
1

OpenFlowネットワークではコントローラーと各スイッチ間で制御情報を送受信するためのセキュアチャネルは、実データを送受信する実ネットワークとは別に、一般的なルーティングプロトコルを用いる独立した制御専用ネットワーク上に構築される。この制御専用ネットワークを除去しセキュアチャネルを実ネットワーク上に構築することで、セキュアチャネルの経路選択の柔軟性が向上し、耐障害性、スケーラビリティー、及び管理コストなどの改善が期待できる。本報告では、セキュアチャネルを実ネットワーク上に構築する方法の検討と実機による簡易評価の結果について述べる。
著者
古橋 亮慈 中尾 彰宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.286, pp.93-98, 2010-11-11

近年,グラウドコンピューティング・プラットフォームへのアクセスの効率化と堅牢性向上のため,パケットキャッシングや高機能ルーティングなどに代表される広域協調パケット処理に向けた,ネットワーク資源のスライス化が注目されつつある.広域協調パケット処理実現のための要件としては,(1)パケット処理の広域協調,(2)性能分離を伴うトラヒック分類,(3)スライス間干渉回避の3点が挙げられる.本稿では,性能およびセキュリティ分離を伴う広域協調パケット処理機構"OpenTag"を提案する.また,OpenTag機構がハイエンド・ルータに搭載された際に,10-Gbps 以上の転送レートを達成し,プロダクション環境で実運用可能であることを示す.
著者
森山 敦文 高橋 正生 内田 真人 鶴 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.577, pp.59-62, 2007-03-01
被引用文献数
4

インターネットがあらゆる空間・時間に拡大していく中で現れてきた劣通信環境(従来のインターネットと性質・前提が異なり,極めて不安定な通信性能を持つ)と必要な技術を概説する.次に,2つの簡単な仮想応用事例を紹介し,また,技術事例として,中継ノードでのメッセージバッファ溢れを低減し,限られた通信資源の利用効率を向上させるためのノード間フロー制御を示す.
著者
手塚 奨 中里 秀則 太田 現一郎 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.399-403, 2009-02-24

大型地震に代表される,大規模災害が発生した時には平常時の数十倍のトラヒックが発生する.この場合の通信の確保が重要な命題となっている.その対策として,アドホックネットワークやAP(Access Point)間無線通信が注目され,様々な検討がなされている.本報告では,アドホックネットワークの通信安定エリアまでマルチホップさせ,バックボーンを確保するという概念をベースとして,被災地において被害を免れた既存網を補間要素として利用する通信制御方式を提案する.本方式では,構築するマルチホップネットワークにデータ伝送,既存網に位置管理を担わせ,通信を実現させる.また,ユーザ端末には第4世代携帯電話を想定している.
著者
小林 英俊 高見 一正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.167, pp.1-4, 2006-07-12
被引用文献数
1

階層化Mobile IPv6(HMIPv6)においてはHome Agent(HA)ルートと直接相手端末と通信できるルートが存在し、移動端末(MN)の位置情報の漏洩、ハンドオーバの頻度等を考慮すると必ずしも直接通信経路が適しているとは考えられず、通信の状況に応じた選択指針が必要となる。本稿では、経路ごとのパケット遅延計測により経路を選択するためのHMIPv6の構造に適した通信経路選択法を提案する。パケット遅延計測は2つの経路属性に依存しない汎用的なpingを用いた往復遅延時間(RTT:Round Trip Time)による計測方式とした。また、MAPリンク内滞在時とMAPリンク外移動時を考慮したパケット遅延推定アルゴリズムを提案し、計測部分の簡易な実験での検証とHAに対するパケット遅延計測負荷に関する机上評価を行い、有効性を示した。