著者
西濱 瑛太 大柴 小枝子 松岡 義大 氏家 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.152, pp.23-28, 2010-07-22
参考文献数
7
被引用文献数
1

可視光無線は、信号機や照明などのLED光源を通信に利用する次世代通信インフラとして期待されている。しかし太陽光などの背景光雑音やマルチアクセス干渉雑音などによる通信品質劣化が大きな問題となっている。本報告では、可視光無線通信における2値符号拡散(Binary Spectrum Spread; BSS)変調方式とOOK変調方式、マンチェスター符号変調方式の雑音耐性を比較検討した。まず、シミュレーションにより他チャンネル雑音耐性、白色雑音耐性を解析した。さらに、実際のLED信号機を用いた屋外可視光無線通信システムにおいて実験を行った。その結果、2値符号拡散変調方式は他チャンネル雑音、背景光雑音の両方への耐性が高く、可視光無線通信の通信方式として有効であることを明らかにしたので報告する。
著者
広田 修 村上 弾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.392, pp.31-36, 2011-01-20
参考文献数
14

近年、量子鍵配送の安全性評価基準が暗号学的に不適切であることが指摘され、当該課題の根本的な再議論が必要となっている。それを具体化するため、前回の発表では、相互情報量に基づく評価では、暗号学的な安全性が全く保証されていない事例を示した。本稿では、原理的な欠陥以前の問題として、日本の量子鍵配送の実験系の安全性分析が本質的な誤りを指摘する。次に安全性評価の原理的な欠陥を提示した最新理論を用いて、量子鍵配送による配送鍵系列を用いたバーナム暗号は、完全秘匿あるいは無条件安全とはほど遠く、通常の数理暗号より安全性が低くなる可能性も否定できないことを再提示する。また、相互情報量基準から発展した別の基準においても、無条件安全性の保証につながらないことを例証し、単一光子による量子鍵配送技術には原理的な欠陥があることを明治する。その上で、これらの困難を克服するために、盗聴者の検出を基本とする量子鍵配送ではなく、KCQ原理と呼ばれる新しい方法論に基づく光通信量子鍵配送: CPPMを提示する。
著者
中沢 正隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム
巻号頁・発行日
vol.95, no.272, pp.43-50, 1995-09-28
参考文献数
37

高速な光通信技術は情報サービスを広く提供するために不可欠であり、B-ISDNによるマルチメディア社会の構築と相まってますます重要となってきている。光ソリトン伝送は、光ファイバ伝送路の性能を従来の線形の範囲から非線形の範囲まで広げることにより超短パルス波形を歪ませることなく伝搬できるようにしたものであり、超高速な光システムを実現できる特徴がある。そして、この技術は最近開発されたエルビウム光ファイバ増幅器を用いて現場試験も行われており、かなり実現性の高いシステムになりつつある。本報告では、現場実験を含む最近の光ソリトン伝送技術について報告するとともに、その将来展望について述べる。
著者
永山 勝也 斎藤 達彦 角井 素貴 川崎 希一郎 松井 雅彦 高見澤 宏史 宮木 秀夫 大賀 裕一 土屋 一郎 千種 佳樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.135, pp.1-6, 2002-06-14

低損失光ファイバは長距離伝送システムの構築に必要不可欠である。今回、1986年の低損失記録0.154dB/kmを更新し、低損失世界記録0.151dB/kmを達成した。純石英拡大コア光ファイバの改良により極低損失は得られた。実効コア断面積は112μm^2に拡大してあり非線形効果の低減にもつながる。この光ファイバの伝送システムへのインパクトも検討した。C,Lバンドは0.160dB/km以下で、既存のEDFを最大限に増幅に活用できる。また無中継伝送では、既存のGe-SMファイバより30%伝送距離が伸ばせ、後方励起ラマン増幅を加えたシステムで400kmの無中継伝送が可能となる。
著者
鈴木 謙一 河合 伸悟 岩月 勝美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム
巻号頁・発行日
vol.96, no.264, pp.43-49, 1996-09-26

レシプロケーティング分散管理伝送路と光ソリトン断熱圧縮を用いた、断熱かつ位相安定な光ソリトン伝送法を新たに提案し、単一偏波40Gbit/sのビットレートにおいて4000kmストレートライン伝送実験に成功した。
著者
林 新 広橋 一俊 井川 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.400, pp.43-48, 2010-01-21

照明光を利用する室内光無線高速LANを構築するために,まず,空間照明光を高速に変調することによって情報伝送空間の下り回線として使える方法を検討し,通信システムの親機として照明機能付きアクセスポイントが開発された.また,光指向性技術を活用し,上り回線用の子機として単軸全方位自動追尾可能の双方向赤外線無線端末を開発した.さらに,1対nの光無線多元接続を実現するために,電力線イーサネット100BASE-TXの通信規格に基づき,空間全二重CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)接続方式を提案した.開発された通信機器と提案した通信方式を用いることにより,電力線LANとの親和性を有する照明機能付き光無線LANを実現することが可能となる.
著者
宮崎 哲弥 枝川 登 山本 周 秋葉 重幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム
巻号頁・発行日
vol.96, no.334, pp.49-54, 1996-10-31

本論文では容易に構成可能且つ安定に動作する多波長光源として, 一組のアレイ導波路格子(AWG)を用いたファイバリングレーザを提案し, 波長多重ネットワークにおける適用について検討した. さらに基本動作特性としてチャネル間隔1.4nmにおいて, 各波長出力-5dBm, サイドモード抑圧比40 dB, 信号対背景雑音レベル60 dBの安定な4波長同時発振動作を確認した. この多波長リング光源は各波長ごとの個別変調も可能であり, また離散的波長可変光源としても適用することができる.
著者
水間 幸大 加藤 富士夫 古田 真治 佐々木 一正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.265, pp.13-17, 2002-08-15
被引用文献数
5

光ファイバは,太い棒状のプリフォームと呼ばれる母材を作成し,その先端を加熱,軟化させ線引きすることにより作成される.母材の段階で形成される構造は線引き後も光ファイバに受け継がれることから母材の段階でどのような構造が形成されているかを測定することが光ファイバの製造工程における品質管理の上で不可欠となっている.著者等は,これまで,画像歪み解析処理を利用する新しい屈折率分布測定技術を開発してきたが,それらは母材の構造,すなわち製造方式に依存して選択するが必要であった.しかし,最近製造されている母材はさまざまな方式を組み合わせて作成されており,作成部分により構造も異なる.したがって,その構造がどんなんものか判断し,それに最適な測定法を選択して適用する必要がある.そこで,今回はそのような判断をインテリジェント方式と呼ぶこととし,その技術について検討を加え実用性を確認する.
著者
手塚 宏 石川 肇 士門 渉 早田 征明 塩入 智美 渋谷 真 江村 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム
巻号頁・発行日
vol.96, no.538, pp.41-46, 1997-02-21
被引用文献数
1

我々はPDS(Passive Double Star)を用いてGb/sクラスの大容量信号を各加入者まで配送する手段として、GTTH(Gigabit To The Home)を提案している。これを実現するため各種のデータを収容可能とする多重・分離方式として、局側である基準チャネルにチャネル識別子を挿入し、加入者側で基準チャネルを検出し、その基準チャネルからの相対位相により各チャネルを選択・分離する方式を検討している。これにより、Gb/sの様々な高連信号を取り扱うことのできる信号多重方式が実現できる。ここでは、その多重方式について検討するとともに、適用サービスの一例としてディジタル衛星放送(DBS)信号のGUTHシステムへの収容方法についても述べる。
著者
黒野 正裕 伊澤 清順 栗原 雅幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム
巻号頁・発行日
vol.95, no.343, pp.45-52, 1995-10-27
参考文献数
9
被引用文献数
1

落雷の多い北陸電力石川総合制御所管内のOPGW(光ファイバ複合架空地線)40kmを対象に、常時および落雷時の偏波変動を測定し、偏波変動特性を評価した。その結果、落雷による偏波変動が測定期間中(2ヵ月半)に51回検出された。偏波変動の継続時間は2〜5msec、立上り時間は50〜200μsec、波尾は数kHzの減衰振動を示し、最も大きい変動では偏波状態が反転する位置まで達した。また、LLS(落雷位置標定システム)落雷検出位置および送電線トリップの記録との比較から、OPGWの観測ルートから数10km離れた落雷でも偏波変動が発生することが判明した。
著者
内藤 佑介 清水 智 加藤 智行 小林 功郎 植之原 裕行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.258, pp.103-108, 2012-10-18

ループバック装荷半導体モノリシック集積SOA-MZI型全光フリップ・プロップ回路は、高速・広波長帯域・低偏波依存性の特徴を持ち、全光パケットスイッチの光パケットの光ゲート制御信号生成や光ラベル識別動作への応用が期待される。しかしながら、従来はSOAと光導波路のハイブリッド集積回路に光ファイバ・ループを外部で接続した構成での動作実証のみであり、ループの伝搬遅延に制限される数10nsのパルスでの動作が報告されるに留まっていた。そこで数10psの入力光パルスでの動作を目的として半導体モノリシック集積回路について動作検討を行った。SOA利得の波長・注入キャリア密度依存性を考慮したモデルを用いたレート方程式を解析し、CWプローブ光パワーとループ減衰量に対してセット・リセット動作を同時に実現可能な動作条件について明らかにした。またFWHM 18psの光パルスに対してフリップ・プロップ動作を実証したので報告する。
著者
黄 巍 北山 研一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム
巻号頁・発行日
vol.96, no.188, pp.31-38, 1996-07-25

本稿ではホモダイン相関検波を用いた二つの全光パルス符号分割多重アクセス方式、即ちホモダイン相関検波とセルフホモダイン相関検波を用いたシステムを提案する。まず、送信側では光パルス符号を生成し、情報ビットで位相変調し、他ユーザと同時に一つの光伝送路を用いて伝送させ、受信側では局部発振器を利用し、局部発振器と光符号器で光パルス符号を生成し、受信信号と合波し、バランス光検波器によって逆拡散、光電変換を行い、光電流を積分した後、弁別することによって送信情報を検出するホモダイン相関検波システムである。また、局部発振器が不要なセルフホモダイシ相関検波システムは、ーユーザ信号を二つ光パルス符号によって時間多重で送り、受信側ではセルフホモダイン相関検波によって送信情報を検出する。提案する方式は従来の光整合フィルタ検波方式と比べ、送信情報を検出するのはビットレートで行うことができるので、より高速伝送が可能である。
著者
釣谷 剛宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.31, pp.33-36, 2009-05-08

2009年3月22日〜26日米国カリフォルニア州サンディエゴで開催されたOFC/NFOEC2009における光ネットワーク関連のトピックスについて報告する.
著者
石井 啓之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.36, pp.29-32, 2011-05-06

2011年3月6日〜10日にロサンゼルス・コンベンション・センターにおいて開催されたOFC/NFOEC2011におけるアクティブモジュール/デバイス関連の発表について報告する。
著者
半澤 信智 油井 辰憲 高野 勝美 近藤 和弘 中川 清司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.349, pp.51-56, 2006-11-09
被引用文献数
1

光信号を電気信号に変換せずに波形処理できる技術は,高速光変調の進展に役立つと考えられる.本報告では,光ファイバを用いて基礎的なFIR型フィルタを構成し,その特性を実験的に検証した結果を報告する.実験には,構成が簡単な1次差分システムを用い,理論値との比較を行った.
著者
谷川 庄二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.259, pp.75-77, 2008-10-16

2008年9月21日から25日までベルギー・ブリュッセルで開催された,ECOC2008における光ファイバ関連の発表のトピックスを紹介する.
著者
曽根 由明 神野 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.243, pp.47-50, 2009-10-15

2009年9月20日から8月24日までオーストリアのウィーンで開催されたECOC2009における、光ネットワークのアーキテクチャ技術、制御技術関連の発表技術の概容について報告する。
著者
縣 亮 田中 啓仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.221, pp.31-36, 2001-07-20
参考文献数
8

シャノン限界に最も近づくFEC技術として、無線通信の分野で商用化に向けた検討が進められているターボ符号が、近年、光通信の分野でも検討されはじめている。本稿では、ターボ符号を高速に復号するための新しいアルゴリズムを提案する。数値シミュレーションによる検討の結果、この提案アルゴリズムを用いることにより、従来のターボ復号法と比較して、およそ3倍以上の早さでの復号処理できる可能性があることを示す。
著者
西井 達也 西濱 瑛太 大柴 小枝子 松岡 義大 氏家 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.122, pp.57-61, 2011-07-04

可視光無線通信は、信号機や照明などのLED光源を用いて通信を行うもので、次世代通信インフラとして期待されている。しかし、太陽光などの背景光雑音やマルチアクセス干渉雑音(Multi Access Interference:MAI)による信号の劣化が問題となる。本報告では、二値符号拡散(Binary Spectrum Spread:BSS)変調方式を用いた可視光無線通信において、シミュレーションにより、マルチアクセス通信時における雑音耐性の検討を行った。さらに、実際の信号機を用いた実験を行うことで、BI-BSS方式を用いたMAI耐性の測定を行った。その結果、信号機から100mの距離を想定した場合において、10倍の強度の他チャンネル信号の影響を受けた場合でも、BER<10^<-3>が得られたので報告する。
著者
稲村 浩之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.343, pp.9-12, 2007-11-14
被引用文献数
1

アドホック無線ネットワークは、無線リンクによって接続された複数の端末によって自動的に構成されるメッシュ型のネットワークである。有線通信網を要することなく容易にネットワークを構築できることから、災害地域における非常時通信網としての用途が期待されている。このような被災地域における救援・支援スタッフの組織的な連絡網のためには、グループ間での同報通話機能が必要となる。本稿では、プッシュ・ツー・トークとして知られる音声の一斉同報通話システムについて述べ、アドホックネットワークに適した同報通話システムの実現方法について考察する。