著者
石川 遼子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

太陽観測衛星「ひので」によって発見された短寿命水平磁場について以下の研究を遂行した。第一の研究は、大きさ1000km以下の微細な短寿命水平磁場と大規模対流構造の関係についてのものである。私は、短寿命水平磁場が4000-8000km程度の中間粒状斑と呼ばれる対流構造の沈み込みの部分に密集していることを発見した。この結果は、短寿命水平磁場が1000km程度の粒状斑だけでなく、より大きな対流構造にも影響を受けることを示しており、対流と磁場の相互作用に関して新たな知見をもたらした。この成果はアストロフィジカルジャーナルレター誌にて発表した。第二の研究は、短寿命水平磁場と「ひので」以前からその存在が知られていた垂直磁場との関係についてである。私は水平磁場と垂直磁場の空間分布に着目し、これらが密接な関係にあることを発見した。さらに、垂直磁場は中間粒状斑とさらに大きな対流構造である超粒状斑の両方の沈み込み部分に密集しているのに対し、水平磁場は中間粒状斑の沈み込み領域のみに密集していることも明らかにした。私は、これらの観測結果から、太陽静穏領域磁場を統一的に理解するための新たな描像を得た。この成果はアストロフィジカルジャーナル誌に発表した。

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こんな研究ありました:「ひので」による微細磁場から迫るダイナモ機構・コロナ加熱問題の解明(石川 遼子) http://t.co/WJifSNcE
こんな研究ありました:「ひので」による微細磁場から迫るダイナモ機構・コロナ加熱問題の解明(石川 遼子) http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/08J09019

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