- 著者
-
小笹 晃太郎
出島 健司
竹中 洋
- 出版者
- 京都府立医科大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1999
京都府南部の人口約6000人の町の唯一の公立小中学校の児童生徒を対象として、1994〜98年の5〜6月に質問票と抗原特異的IgE抗体価の血清検査からなる疫学調査を行った(受検率80〜98%)。当該地域のスギ花粉飛散量はダーラム式捕集法により165〜5941個/cm^2であった。スギ花粉特異的IgE抗体(スギIgE抗体)陽性者の割合は43〜56%、スギ花粉抗体陽性で鼻または眼症状のいずれかが3月または4月に3週間以上持続する者(スギ花粉症確定者)は14〜22%で、いずれもスギ花粉飛散量と相関を示した。すなわち、スギIgE抗体CAP-RASTスコア2以上の陽性者でのSpearman's ρ=0.82(p=0.04)、同スコア4以上の陽性者ではρ=0.60(p=0.20)、スギ花粉症確定者ではρ=1.00(p<0.01)であった。また、スギIgE抗体価ごとの有症状者の割合は比較的一定(スコア0で約10%、2で約20%、3で約30%、4以上では約40〜60%にばらつく)であり、スギ花粉飛散量の多い時には、抗体陽性者が多くなるためにスギ花粉症有病率も高くなると考えられた。スギ花粉症状の発現に対する血清中の脂肪酸分画およびサイトカイン活性の関与を評価するために、スギ花粉IgE抗体価高値(CAPスコア4以上)で症状のある者(1群)、抗体価中等度(CAPスコア2-3)で症状のある者(2群)、抗体価中等度で症状のない者(3群)、および抗体陰性で症状のない者(4群)について、各群10人ずつを無作為に抽出して、脂肪酸分画、IFNγ、IL4、IL10およびIL18を測定した。その結果は、いずれの測定値も4群間で有意な差をみとめなかったが、2・3群間の比較から、スギ花粉症中等度陽性の場合には、有症状群の方で飽和脂肪酸、IL4、IL18が高い可能性が示唆された。