- 著者
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佐藤 学
- 出版者
- 学習院大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
平成29年度においては、4月から10月にかけて、中国、香港、台湾、韓国の研究者の訪問交流、および、中国、韓国、台湾への訪問調査と研究交流を行い、10月20日と21日に韓国慶尚南道教育研修院において第5回学びの共同体国際会議を開催した。この国際会議には、英、中、台湾、香港、韓国、日本、ベトナム、インドネシア、シンガポールなど計10か国350名の教区研究者と教育行政関係者と教師が集まり、本プロジェクトを主題とする「学びの共同体の授業改革と学校改革」について研究と実践の交流を行った。この第5回国際会議の中心主題は「民主主義」であり、教室において生徒を「学びの主人公」にする教育関係のあり方、民主主義社会を準備する学校改革のあり方、教師の専門家共同体における民主主義の重要性、教師政策と学校行政における民主主義的な統治のあり方、学校と地域社会における民主主義的な連帯のあり方が、上記10か国における「学びの共同体」の改革の実践に即して検討された。さらにこの第5回国際会議にひきついで、名古屋大学で11月24日から26日に開催された世界授業研究学会の大会においては、「アジアの学びの共同体」をテーマとする特別シンポジウムが開催され、アジア諸国から350名が参加して、このプロジェクトの主題にもとづく研究交流が行われた。そのほか、11月にはインドネシア、12月には中国と台湾において本プロジェクトに関するシンポジウムとワークショップ、11月にはJICAのプログラムによるインドネシアの研究者による「学びの共同体」の訪問調査と研修も行われた。若手研究者の育成においても、10月の国際会議、3月の訪中調査などを実施し、アジア諸国の「学びの共同体」を推進する若手研究者の研究交流を実現した。