著者
南 優子 佐々木 毅
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

目的:SLE患者集団の前向き調査を行い、大豆製品及びその他の栄養素摂取と活動期発現・動脈硬化性疾患(虚血性心疾患、脳血管疾患、血栓症)発症との関連を調べる。方法:1995年に、女性SLE患者279名を対象に食物頻度摂取調査を含む自記式質問紙調査を行った。さらに、担当医からこれら患者の臨床情報を収集しベースラインデータとした。栄養素摂取量は5訂食品成分表により算出し、疾患活動性はLACCにより評価した。患者を10年間(1995-2005)追跡調査し、活動性変化と臓器障害発症を観察した。この観察結果をもとに、ベースライン時非活動期にあった216名のデータを解析し、栄養素摂取と活動期発現との関連を明らかにした。また、ベースライン時非活動期かつ動脈硬化性疾患のない196名のデータを解析して栄養素摂取と動脈硬化性疾患発症との関連を明らかにした。結果:216名の非活動期患者のうち、43名が1995-1999の間に活動期に移行した。対象者の各栄養素エネルギー調整摂取量をパーセント点で3群に分け、最下位を基準に交絡要因を補正した各群の活動期発現のリスクを比例ハザードモデルにより算出した。大豆製品摂取、イソフラボン摂取と活動期発現との間に有意な関連は認められなかったが、ビタミンB6及び食物繊維摂取は有意に活動期発現のリスクを低下させていた。一方、非活動期かつ動脈硬化性疾患のない196名からは、1995-2005の間に20名の動脈硬化性疾患発症が観察された。大豆製品・ゲニステイン摂取量の多い群で中程度の動脈硬化性疾患発症リスクの増加がみられたが、大豆製品摂取と動脈硬化性疾患発症リスクとの間には有意な関連は認められなかった。

言及状況

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#sle#SLE 女性SLE患者279名を対象に食物頻度摂取調査を含む自記式質問紙調査を行った。ビタミンB6及び食物繊維摂取は有意に活動期発現のリスクを低下させていた。2007 南 優子  東北大学, 医学部, 教授 https://t.co/CkBc9iwkI9

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