著者
市村 宏
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症は代表的な性感染症であり、子宮頚癌を起こす。HPV持続感染により男性も癌(中咽頭癌、肛門周囲癌、陰茎癌など)を発症するため、男性でのHPV感染予防ならびに発癌予防も重要である。米国や豪州では、男性HPV感染者の追跡調査結果を基に、若年男性に対するHPV感染予防ワクチン接種が開始されている。一方、アジアにおける男性HPV感染症研究は少なく、男性でのHPV感染症の流行状況やHPV関連がん発生率は十分に解明されていない。本研究では、性感染症外来を受診したベトナム人男性を対象に、尿・尿道スワブ・陰茎スワブ・口腔洗浄液を用いた長期追跡調査を行なうことにより、アジア人男性のHPV感染症の疫学や自然経過(HPV消失率/獲得率)を明らかにすることを目的とした。6ヶ月ごとに最低2回追跡が可能であった男性性感染症(STI)患者146名(16-67歳、追跡期間中央値14.6ヶ月)から検体(陰茎スワブ・尿道スワブ・尿・口腔洗浄液)を採取し、HPV DNAの検出ならびに感染遺伝子型の推移を統計学的(κ値、McNemar検定、χ2テストなどを使用)に解析した。外陰部に比べ、口腔では、高リスクHPV(hrHPV)の感染率が有意に低く(10.1% vs. 21.5%, P = 0.008)、hrHPVクリアランスまでの期間が有意に短く(6.2 vs. 11.3月、P = 0.001)、また罹患率は有意に高かった(15.6 vs. 9.5/1000人月, P = 0.001)。外陰部に比べ、口腔ではhrHPVが有意に高率に罹患するにもかかわらず、感染率が有意に低いことは、クリアランスが有意に早いことが原因と考えられた。また、hrHPV感染は、外陰部と口腔では独立して生じることが示唆された。これまでの結果をもとに、論文作成し、投稿中である。

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[医療][人生] 引用「HPV持続感染により男性も癌(中咽頭癌、肛門周囲癌、陰茎癌など)を発症するため、男性でのHPV感染予防ならびに発癌予防も重要である。」 // 男女ともにワHPVクチン接種費用援助を自分は望みたい。

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引用「HPV持続感染により男性も癌(中咽頭癌、肛門周囲癌、陰茎癌など)を発症するため、男性でのHPV感染予防ならびに発癌予防も重要である。」 // 男女ともにワHPVクチン接種費用援助を自分は望みたい。 / 1件のコメント https://t.co/QKDu1tmbOl https://t.co/rRTelQzS9p
引用「HPV持続感染により男性も癌(中咽頭癌、肛門周囲癌、陰茎癌など)を発症するため、男性でのHPV感染予防ならびに発癌予防も重要である。」 // 男女ともにワHPVクチン接種費用援助を自分は望みたい。 / 1件のコメント https://t.co/QKDu1tmbOl https://t.co/rRTelQzS9p
@MelonDaYooo @I5188 @abe_tomoko 女性の接種率80%を越えない場合も考えておかないと。男性の感染状況に関する論文を少し探したのですが、ズバッとしたのが見つかりません。よろしく! この辺りから辿れば行ける? https://t.co/hIhPIBCqsW https://t.co/OCeT0khJJ3

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