- 著者
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江原 慶
- 出版者
- 大分大学
- 雑誌
- 若手研究
- 巻号頁・発行日
- 2021-04-01
近年,財政政策の目標を完全雇用とし,それに必要な資金を中央銀行と中央政府とが一体となって弾力的に供給しつつ,マイルドなインフレを達成しようとする「現代貨幣理論(MMT)」が注目を浴びている。MMTの背景に,ケインズ的な表券貨幣論があることはよく知られるが,ケインズ派と対立する貨幣論をもつとされる,マルクス経済学者の間でもMMTへの関心が高まっている。MMTが,貨幣論の立場の違いを 超えて一般的に成立するのか,検討する必要がある。そのため,本研究では,ケインズ派貨幣論・金融論との比較検討を行い,マルクス派MMTが実現可能かを検討する。それにより貨幣論史研究の成果が現代的な政策論議へと還元される。