著者
和達 三樹 佐藤 哲也 広田 良吾 西田 靖 西原 功修 市川 芳彦
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1988

1.ビ-ム・プラズマ系での不安定波の成長過程におけるソリトンの役割が明らかにされた。ソリトン生成による不安定モ-ドの安定化が示され、実験によって確かめられた。2.大振幅磁気音波による共鳴加速という新しい粒子加速機構が提唱され、太陽フレア-における短時間内での粒子加速の説明に成功した。3.ダブルプラズマ発生装置を用いて、ポンプ波の周期倍化現象や電子プラズマ波の高調波励起等のカオス的振舞いを観測した。4.散逸項を含む「非線形シュレディンガ-方程式」を例にとり、ソリトン振動論を用いて、多ソリトン状態の性質を明らかにした。5.磁力線に沿って伝播する非線形アルフベン波を「微分型非線形シュレディンガ-方程式」を用いて研究し、その初期値と生ずるソリトンの個数との関係を明らかにした。6.渦糸近似により、ドリフト波の動的、統計的性質を調べた。特に、渦糸の拡散係数を解析的に求めることに成功した。7.不均一密度の磁化プラズマ中におけるドリフト波の伝播特性や自然励起波の性質が調べられた。磁場に対して右ねじ方向のEXBドリフトのシアを与え、小電極励起子に正のパルスを与えたところ、ソリトン的性質を持つ正電位のドリフト波パルスが伝播することが観測された。8.イオン波ソリトンの反射及び透過現象を観測し、その解析を行なった。また、大振幅イオン波の励起手法の開発が行なわれた。9.結び目理論において、より強力な新しい絡み目多項式がソリトン理論から構成できることを示した。このような多種多様な分野において、新しい非線形現象が見出された。研究計画には理論家、実験家がほぼ同数含まれ、互いの研究発展を促進できたことは非常にうれしく思っている。

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