著者
島浦 一博
出版者
九州国際大学
雑誌
教養研究 (ISSN:13410504)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.47-62, 2011-03
著者
安藤 友張 高鷲 忠美 根本 彰
出版者
九州国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-10-20

本研究は,文部官僚などが遺した一次資料に基づき,戦後日本における学校図書館法の法案作成過程の要諦を明らかにすることを目的とした。先行研究で使用されなかった新資料に依拠し,国会に上程されるまでの法案の変遷について,主な3つの諸案の特徴を摘出し,それらを比較検討した。法案上程までの過程において,文部省,全国学校図書館協議会,政党間には対立があり,紆余曲折していた。法案の作成過程において,司書教諭の免許制度が任用資格制に変更された背景には,当時の文部省の教員養成政策や高等教育政策が大きく影響していた。さらに,同省は,学校図書館法の立法化に関して,代案として「学校図書館振興法案要綱」を作成していた。
著者
山本 健太
出版者
九州国際大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は,現代演劇,とりわけ小劇場演劇に着目して,その流通,消費の空間分布から当該文化産業の大都市集積の構造と大都市の文化創造機能について明らかにしたものである.小劇場演劇が東京において発展し,また多くの劇団が東京で活動している要因の一つとして,観劇者による公演前後の文化施設のハシゴ行動が明らかになった.下北沢地域が,近接地域を含む文化活動の集積や相互作用によって,サブカルチャーを中心とした都市型文化産業の核心地域となっていた.
著者
黒木 祥次
出版者
九州国際大学
雑誌
九州国際大学大学院法政論集
巻号頁・発行日
vol.13, pp.133-174, 2011-03
著者
和田 正広 米津 三郎 曹 瑞林 金 鳳徳 李 世成 鄒 煥壬 山下 睦男 市川 信愛 ZUO Han Ran LI Shi Chang CAO Rui Lin JIN Rang De 王 勇 夏 春玉 李 成起 清水 憲一 喜田 昭治郎 和田 正広
出版者
九州国際大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

本研究の目的は、近・現代及び近代以前の海域経済文化圏の交流史を解明すること、並びに北九州市と大連市の今後の発展への基礎的資料と展望を得ようとするものである。日・中両国の大学研究者は、平等・互恵の原則に立ち、ミクロ・マクロな分析方法によって、国際的・学際的(経済学・社会学・歴史学)に共同研究を行なった。両大学の研究協議会は、1991年度は3回(北九州2回、大連1回)、1992年度は3回(北九州1回、大連1回、北京1回)、1993年度は1回(北九州市)、それぞれ行なわれた。又、資料輯集は、初年度と中間年に日中双方で行なわれた。それに関連する成果としては、『日本未現存大連側輯集経済文化断片資料集』及び『東北地方文献聯合目録』(近・現代)の複刻、『門司新報(1883-1945)』の複刻〈継続中〉、『泰益号関門書簡の内容摘録ノート』の作成、蘇崇民『満鉄史』の翻訳(出版中、葦書房)、があげられる。両大学の研究会は、日本側は訪中の際、大連・北京において開催すると同時に、大連側の訪日の際や、国際シンポジウム実行委員会(1993年度、計12回)のなかで、研究スタッフ以外の講師も加えて行なわれた。研究会の一環として開催した国際シンポジウムは、11月25日(木)の専門家会議(北九州国際交流村)と、翌26日(金)の公開国際シンポジウム(北九州国際会議場:学・官・業界より計800余名参加)として行なわれた。前者の報告レジュメは、『東アジア海域と華商ネットワーク』(九州国際大学・国際商学部)として、後者の報告書は、現在編集中である。本年度の個別研究成果は、日本側では大学・研究所の紀要等に発表された。鄒煥壬の報告「歴史上の東アジア海域経済文化圏における中国の日本・朝鮮との経済貿易関係」は、漢・魏から明・清に至る中国朝貢体制下の日本・朝鮮との経済・貿易関係を概観したものである。李世成の報告「東アジア文化圏『四元構造』の形成と展開」は、中国唐時代を中心にみた東アジア文化圏を、儒家・漢字・仏教・芸術の各文化圏の四元構造として把え直したものである。和田正広の報告「福建税監高〓の海外私貿易」は、大航海時代のオランダによる台湾占領直前期における明末の中国沿海密貿易について検証したものである。市川信愛(戴一峰論文の校閲)の報告「近代中日海上貿易史研究および旧税関保存書類の利用について」は、中日海上貿易史研究に価値をもつ旧厦門税関に保存された税関文書の内容と利用方法についての紹介である。曹瑞林の報告「大連を東北アジア地域の商業・貿易・金融・観光・情報等の中心としてその背景、予測及び若干の留意点について」は、東北アジア地域の商業・貿易・金融・観光・情報等のセンター化が進む大連経済の現状と将来予測を概観したものである。山下睦男の報告「中国型求償取引による物資協力について」は、物資と物資の物々交換や、物資と資金・技術・人材などの生産要素間の協力を意味するところの、条件付き取引きであると同時に、見返りの取引きでもある特殊な中国的取引きである「物資協力」の歴史や現状を分析したものである。金鳳徳の報告「東アジアの新時代」は、冷戦体制崩壊後の東北アジア地域(中国・香港・台湾・蒙古・日本・韓国・北朝鮮・ロシア)における経済圏の現状について、それを新「雁行型」の形成過程として把えたものである。市川信愛の報告である「近代中国海域交易圏の変容構造と在日華商」は、当該テーマについての共同研究による個別成果の概括と、残された課題に言及したものである。