著者
小西 潤子 ロング ダニエル
出版者
沖縄県立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、日本統治時代以降に日本語や日本の流行歌を参照して創作されたパラオの日本語(混じり)の歌(現地ジャンル名:デレベエシール。以下、パラオ日本語歌謡)を収集し、民族音楽学的・言語学的観点からその特徴を分析して、「パラオらしさ」を描き出した。また、パラオ日本語歌謡50曲を選びパラオ初の五線譜付歌詞集としてとりまとめるとともに、代表曲15曲のレコーディングとCD制作をし、現地に還元した。
著者
三島 わかな 長嶺亮子
出版者
沖縄県立芸術大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

沖縄県内の聴取の実態を明らかにした。1935年以降に受信機が普及した背景には、安定価格で高性能の受信機の供給があった。この時期、小学校では受信機の設置が顕著で、とくに離島では南洋・台湾・関西へ移住した卒業生からの創立記念品として寄附された。1930年代のネットワーク化を背景に各中央放送局が当地を題材とした番組を制作し、台湾放送協会も同様の流れにあった。地域の人材および地域の文化を発掘・振興したという点で放送局は一大拠点と言える。主要コンテンツ「子供の時間」に着目し、児童劇脚本の分析を行なった。そこでは内地・外地ともに地域の伝統が題材となり、唱歌や国民歌謡等の多様な楽種が放送劇で使用された。
著者
林 裕 鷲津 仁志 大宮 祐也 木之下 博
出版者
沖縄県立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究では、安定的に高速・正確なチェロの演奏を実現する楽器付属品の改良を検討する。とくに、エンドピンの形状の工夫による楽器の安定的保持を実現する手法、弓の形状の工夫による運弓の高精度化を実現する手法について、機械工学および実技の両側面から明らかにする。前者は、小柄な奏者が多い日本人のチェロ演奏技術の向上に資する。後者は、演奏技術の向上方法の提案のみならず、擦弦楽器のモダン化という音楽史上の問いに摩擦学の観点から答えるものとなる。
著者
小西 潤子
出版者
沖縄県立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、文献調査、沖縄県内および現地の関係者への聞き取り調査、録音・録画を含む情報収集によって、沖縄音楽芸能史において看過されてきた戦前南洋群島の沖縄移民社会での音楽芸能と交流の実態を明らかにした。戦前南洋群島の沖縄移民社会では、古典音楽・舞踊と民俗芸能の接合やそれらの要素を融合した作品が成立し、豊かな音楽文化が展開された。また、沖縄県内各地にミクロネシア発祥の行進踊りが伝播し、現在でも余興として演じられている地域もあることがわかった。