著者
柴川 敏之
出版者
福山市立女子短期大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

広島県立博物館での研究成果の記録とまとめ本研究は、広島県立歴史博物館所蔵の草戸千軒町遺跡の出土品と現代美術の柴川作品とのコラボレーションにより、美術の分野と歴史の分野をつなげ、領域を超えた新しい視点で現代社会を検証した。また、子どもから大人までを対象とした大規模なワークショップや、企画展示室と常設展示室を連動させるワークシートの作成等による参加体験型の展覧会を行った。平成15年の夏に展覧会を実施し、多くの学校等の参加と市民のボランティアの協力により、地域に密着した新しいタイプの展覧会となり、全国的にも話題を呼んだ。本年度はその内容と研究成果について記録集にまとめた。今後の美術館、博物館教育の新しい取り組みの参考資料として役立ててもらうため、各地の美術館、博物館等に記録集の寄贈を予定している。「2000年後の冒険ミュージアム」記録集 柴川敏之編著(A5サイズ、272頁、フルカラー 平成17年3月31日発行)内容(目次)は、テキスト(柴川敏之、広島県立歴史博物館草戸千軒町遺跡研究所所長 篠原芳秀氏、大原美術館プログラムコーディネーター 柳沢秀行氏)、展覧会の配置図及び関連アイテム、図版(展覧会の会場風景)、草戸千軒町遺跡に関する資料、柴川敏之に関する資料、ワークシート、ワークショップ、ボランティアスタッフ、2つの関連企画、展覧会データ(入館者数データ、アンケート集計結果等)、みなさんの言葉(館長、子ども、保護者、先生、ボランティアスタッフ、大学関係者、歴史関係者、美術関係者、マスコミ関係者等の様々な立場の方々から寄せられた文集)等。
著者
正保 正惠
出版者
福山市立女子短期大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

現在進行している保育の社会化を社会全体で支援する社会を「子育て支援社会」ととらえると、支援の方向性として、(1)施設型保育:a 保育所の量の充実、b 保育所の質の充実(1)=生活空間化(幼保一元化を考えるときに問題となる給食システム、生活の見通しを考えることができ、また保育士の労働環境の改善にもつながる食寝分離、子どもの自己決定能力を高めるためのコーナー保育等) c 保育所の質の問題(2)=保育内容の現代化(女性労働の一般化、国際化、消費社会化など新しい保育ニーズに応えられるような保育内容の充実) (2)家庭型保育:a 保育ママ制度の充実 b ベビーシツター制度の充実、(3)(直接)・子育て支援:a 子育て支援センター等の相談事業等の充実 b 子育て支援組織のネットワーキングに整理することができる。このなかで、保育所の食寝分離については、日本では同じ教室で食事の後布団を敷いて寝るのが一般的であり、現在問題が気づかれ始めている段階である。アメリカでは簡易ベッドが用いられ、デンマークでは、乳児は乳母車・幼児はお昼寝をしないというそれぞれ別の方法ではあるが保育士の過重労働は避けられている。24時間保育については、今後圧倒的に増加していくという状況は考えにくいが、それでもそこに預けられて生活をしていく子どもたちが今よりは増加していくに違いない。そのためにも保育所の「生活空間化」は重要なタームとなるであろう。しかしながら、24時間保育は世界の保育の潮流とは逆行するものである。欧米では女性たちは社会進出を果たしつつも生活者として親として保育をする権利も捨てることなく職業生活についている。また、中間施設として保育ママ制度も活発に機能している。メインストリームとしては保育所の「生活空間」化を重視すべきであるが、補助的な支援のバリエーションを揃える必要がある。
著者
高橋 実 小海 節海 藤脇 千洋 平沼 博将 上田 順子
出版者
福山市立女子短期大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

7月に短期大学保育科の学生約100人に対し、90分のダンスセラピーを実施し、その前後の血圧、脈拍、身体イメージアンケート、ストレスの自覚症状アンケート、身体、精神状態、仲間との交流に対する気づきの記入を依頼した。そして、9月には、子育て中の母親に対してガイダンスの後3回のダンスセラピーを実施し、今年度からは、保育ボランティアによる別の場所での保育を行い、母親の身体が十分ほぐれた後に最後の後半のみに親子のセッションをおこなった。その際、研究分担者、藤脇教授によるピアノの即興演奏によるBGMをいれて実施した。すべてのダンスセラピーのセッションの前後で、血圧、脈拍、七夕の歌をブレスなしで歌っての持続フレーズ、発声時間を測定した。その結果、血圧については、学生のセッションのみで、セッション後に有意な低下がみられ、脈拍については、学生でも母親グループでも有意な低下がみられた。また身体イメージの調査では、芙二式ダンスセラピーの実施することで「評価性」「活動性」「快活性」という三つの尺度で身体イメージに変化(改善)が見られた。特に「活動性」については、静的で落ち着く方向に身体イメージが変化した。また自覚症状においても有意な軽減がみられた。また母親グループの歌の持続時間については、セッション後に伸びる方向で傾向差が、発声時間については、5%水準で有意に伸長することが見いだされた。気づき記入においては、両グループとも「身体が軽い感じ」「頭がすっきりした」「やる気がおきた」「気分的に明るくなった」「相手を感じることで1つになれた」など多様な効果が記述された。芙二式ダンスセラピーは、生理学的にも精神的にも、交流関係においても静的で落ち着き、気分が前向きになり、他者との一体感が得られるという効果がみられることが実証された。
著者
加納 三千子 安川 悦子 藤井 輝明 西川 龍也 平本 弘子 大庭 三枝 佐藤 俊郎 宮本 賢作
出版者
福山市立女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

高齢者の生活の自立と労働をめぐる問題をコミュニティにおける生活の自立システムを構築するという観点から研究を行い、次のような成果が得られた。コミュニティにおける生活のサステナビリティの構築には、(1)多様な人と連帯できる労働の場の確保をめざした地域の自立が重要である。(2)持続的再生産可能な地域資源作りとそれを活かしたコミュニティの再生が重要である。(3)福山市ではその一つとして市街地農業の活性化が重要な役割を担っていると考えられる。