著者
境 有紀 野尻 真介 熊本 匠 田中 佑典
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.79-106, 2008 (Released:2010-08-12)
参考文献数
8
被引用文献数
6 6

2007年能登半島地震を対象として, 震度6弱以上を記録した全ての強震観測点と5 強を記録した一部の強震観測点周辺の被害調査を行った.震度6 強を記録した全ての強震観測点周辺で, 全壊木造建物が見られた.中でもK-NET穴水と輪島市門前町走出震度計周辺では, 木造建物全壊率は20%近くに達していたが, 多くは老朽化した建物, 1階が商店等で開口部が広い建物であった.震度6弱を記録した観測点は, 全壊木造建物が見られたところとそうでないところがあり, 同じ計測震度でも被害状況にばらつきが見られた.また, いずれの強震観測点周辺にも非木造建物で大きな被害を受けたものは見られなかった.強震記録を見ると, 様々な周期特性をもった地震動が発生しており, 中でも周辺に大きな建物被害があり, かつ, 1.5-2秒程度とやや長い周期に大きな応答をもった地震動が初めて記録されたJMA 輪島は, 貴重なデータとなった.収集した建物被害データと観測された強震記録を用いて, 建物被害と地震動の性質の関係について検討した結果, 強震観測点周りの被害は, 概ね建物の大きな被害と相関が高い1-2 秒応答で説明できるものであったが, JMA輪島の被害レベルは, やや説明が難しいものであった.
著者
諸井 孝文 武村 雅之
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.35-71, 2002 (Released:2010-08-12)
参考文献数
29
被引用文献数
9 11

関東地震の被害数はデータセット毎に異なることがあり混乱しているように見える。その原因は集計単位の違い, 住家に対する非住家の混入, さらには焼失地域における全 (半) 潰家屋の取り扱い方の違いなどであることが分かって来た。本稿ではこれらの結果を踏まえ, 従来あるデータから出来る限り統一的な被害数の評価を試みる。関東地震による被害は関東地方の南部を中心に1府9県に及び, 木造建物の被害について被害地域のほぼ全域をカバーするデータとして震災予防調査会報告の松澤による集計と内務省社会局が大正震災志にまとめた市町村別の集計がある。主にこの2 つのデータをもとに新しいデータセットを作成した。作成したデータから計算される市町村単位の住家棟数全潰率をもとに, 被害地域の全域にわたる震度分布の推定も試みた。その結果, 南関東およびその周辺地域の震度と地盤条件の関係がより明瞭になった。
著者
佐藤 智美
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-4, 2004 (Released:2010-08-12)
参考文献数
13
被引用文献数
14 12

宮城県沖の7 つのスラブ内地震と4 つのプレート境界地震の加速度震源スペクトルの短周期レベルを推定した。その結果、スラブ内地震である2003 年宮城県沖地震 (MJ7.0) は、プレート境界地震である1978 年宮城県沖地震 (MJ7.4) より地震モーメントは小さいが、短周期レベルは大きかったことがわかった。また、平均的には宮城県沖のスラブ内地震の短周期レベルは内陸地震に対する既往の回帰式の約4~6 倍、宮城県沖のプレート境界地震の短周期レベルの約3~4 倍であり、この特徴は福島県沖の地震と同様であることがわかった。
著者
佐々木 健人 小檜山 雅之
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.7, no.6, pp.31-47, 2007 (Released:2010-08-12)
参考文献数
34
被引用文献数
3 1

住宅購入時の意思決定を支援する耐震等級の説明に関し, 被害発生確率を用いた説明方法が有効であることをアンケート調査により検証した。調査対象は横浜市・川崎市・東京都23 区在住の持ち家志向を持つ30代・40 代の市民とし, 759 人の有効回答を得た。調査項目は地震発生リスク認知と耐震性能の選好性に関する項目等とした。集計結果から, 回答者が地震発生リスクを過大に認知していること, 求める耐震性能にばらつきがあることなどが明らかになった。また, 耐震性能の説明として震度の大きさに対する被害発生確率の提示が有効であること, 耐震等級ごとの地震被害リスクとコストの情報を提供しリスクを過大視するバイアスを除去したのちも高い耐震性能を要望する傾向などが確認された。
著者
武村 雅之 虎谷 健司
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.7_2-7_21, 2015
被引用文献数
2

1944年東南海地震(M<sub>J</sub>=7.9)の被害統計資料の整理と震度分布の評価を行った。その結果従来のデータの誤りを正し集計値と整合のある市区町村データを新たに整備することができた。それらに基づいて震度分布図を作成し地域毎の揺れの特徴をわかり易く表現することができた。またそれらのデータを用いて東南海地震の人的被害の要因を検討した。合計1183名の死者数のうち、静岡県袋井市周辺や愛知県西尾市の旧矢作川流域など震度7になった地域での住家倒潰による犠牲者ならびに三重県の熊野灘沿岸のリアス式海岸地域における津波による犠牲者が多くを占めることが分かった。それに加えて愛知県半田市や名古屋市南区では揺れは震度6弱程度であったにも係らず市区町村別の死者数ランキングで1位と3位の犠牲者が出ていることが分かった。両者を合わせるとその数は279名となり、愛知県全体の435名の実に64%に当る。その原因は、耐震性の欠如を放置して飛行機組立工場へと転用された紡績工場の存在があった。このような行為は場合によって、津波にも勝るとも劣らない被害要因となることが分る。
著者
藤原 広行 功刀 卓 安達 繁樹 青井 真 森川 信之
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.2-16, 2007 (Released:2010-08-12)
参考文献数
5
被引用文献数
6 8

1995年兵庫県南部地震以後, 日本における地震観測網, 特に, 強震観測網は大きく変化し, 世界でも希な高精度・高密度強震観測網が構築されることとなった.K-NETは, その代表的なものの1つである.兵庫県南部地震からほぼ10年が経過し, 地震直後に整備された観測網の機器の更新が必要となってきている.この10年間における, データ通信, 計算機関連技術の発展は目覚ましく, 様々な新しい技術が利用可能になってきた.防災科学技術研究所では, 強震記録をオフラインで利用する従来のスタイルの強震動研究だけでなく, 地震直後の即時対応にも利用可能な強震動データリアルタイムシステムの構築を目指し, 新型K-NET システムを開発し, 新型K-NET 強震計の整備を実施した.
著者
後藤 洋三 池田 浩敬 市古 太郎 小川 雄二郎 北浦 勝 佐藤 誠一 鈴木 光 田中 努 仲村 成貴 三上 卓 村上 ひとみ 柳原 純夫 山本 一敏
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.5_97-5_117, 2015

東日本大震災の津波避難の実態を分析するため、研究者、技術者の有志が任意参加の連携組織「東日本大震災津波避難合同調査団」を結成し、重複調査を避け調査モラルを向上させるべく連絡を取り合って調査を実施した。本報告はこの調査団発足の経緯を述べたうえで調査団の中核として活動した山田町・石巻市担当チームの調査方法とその実施状況、ならびに住民の避難に関わる背景的事象の調査結果を述べる。収集した被災者の避難データの特性については別途に取り纏め報告する。山田町・石巻市担当チームの調査に対する被災住民の苦情は聞かれず、むしろ信頼関係のもとで避難の実態解明に役立つ情報を多数得ることが出来た。著者等は山田町・石巻市担当チームの調査データとその調査経験が活用されることを期待して本報告を取りまとめている。
著者
森川 信之 神野 達夫 成田 章 藤原 広行 福島 美光
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.23-41, 2006 (Released:2010-08-12)
参考文献数
36
被引用文献数
10 7

異常震域を表現するための距離減衰式に対する補正係数の改良を行った。基準の式をKanno et al.(2005) によるものに変更し、応答スペクトルにも対応するようにしている。海溝軸に替えて、火山フロントまでの距離を導入することにより、一部地域に対して過大評価となっていた問題点を解決するとともに、対象地域を関東・甲信越地方まで拡大した。さらに、基準式では考慮されていない震源特性に関する検討を行った。地震動強さに関して震源の深さ依存性は見られなかったが、プレート間地震とスラブ内地震では明瞭な違いがあることが確認された。そのため、両タイプの地震に対する補正係数も新たに求めた。
著者
Yadab P. DHAKAL Wataru SUZUKI Takashi KUNUGI Shin AOI
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.6_91-6_111, 2015 (Released:2015-11-25)
参考文献数
37
被引用文献数
7 7

We constructed ground motion prediction equation (GMPE) for absolute velocity response spectra in the period range of 1 to 10 s with the primary aim of providing early warning of long-period ground motions in Japan during moderate to large magnitude earthquakes. We found that the spatial variability of the observed long-period intensities can be reproduced in broad areas within a difference of one intensity by using the methodology proposed in this study that requires the magnitude and distance to be determined promptly.
著者
栗田 哲史 安中 正 高橋 聡 嶋田 昌義 末広 俊夫
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.1-11, 2005 (Released:2010-08-12)
参考文献数
5
被引用文献数
8 3

山地形のような不整形地盤では、地震動の増幅特性が地形の影響を受けることが知られている。不整形地盤に入射した波と内部で反射した波の干渉により、伝達する地震波は複雑な様相を示す。この様な山地形の地震動特性を明らかにするために、横須賀市内の山地において、アレー観測を行ってきている。観測記録はデータベース化され、震動特性の分析に活用されている。本研究では、この山地形を対象として観測記録の分析及び3次元有限要素法による数値シミュレーションを実施した。観測記録を良く説明できる適切な解析モデルを作成し、山地形の増幅特性を評価することを目的としている。検討の結果、山地形を忠実にモデル化することによって観測記録を良く説明できるシミュレーションが可能となった。更に同モデルを用いて、山地形に地震波が入射した時に地震動がどの様な特性を示すのかを解析的に評価した。
著者
村田 幸一 宮島 昌克
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.27-42, 2007 (Released:2010-08-12)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

水道供給システムでは, 地震が発生した直後, システムに物理的なダメージが無くても急激な流量増加と水圧減少という異常挙動を発生することがある.この現象は一時的であるものの, 発生中は水道供給システムを機能低下させることがある.本論文では, この影響について観測結果を報告するとともに, これらの原因と考えられる受水槽のスロッシングについて, 観測データから因果関係を解明した.さらに, 大阪市で観測された地震波形を用い, 受水槽のスロッシングによる水面最大変位と地震動の振動数特性との関係を分析するとともに, 発生が予想される東南海・南海地震についても, 予測地震動を利用して水道供給システムへの影響を分析した.
著者
加藤 研一 宮腰 勝義 武村 雅之 井上 大榮 上田 圭一 壇 一男
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.46-86, 2004 (Released:2010-08-12)
参考文献数
125
被引用文献数
3 8

内陸地殻内で発生する地震を対象として、既存の活断層図等の文献による調査、空中写真判読によるリニアメント調査、現地における地表踏査等の詳細な地質学的調査によっても、震源位置と地震規模を前もって特定できない地震を「震源を事前に特定できない地震」と定義し、その地震動レベルを震源近傍の硬質地盤上の強震記録を用いて設定した。検討対象は、日本およびカリフォルニアで発生した計41 の内陸地殻内地震である。地質学的調査による地震の分類を行い、9 地震12 地点の計15 記録 (30 水平成分) の強震記録を、震源を事前に特定できない地震の上限レベルの検討に用いた。Vs=700m/s 相当の岩盤上における水平方向の地震動の上限レベルとして、最大加速度値450 cm/s/s、加速度応答値1200cm/s/s、速度応答値100 cm/s が得られた。
著者
土岐 憲三 岸本 英明 古川 秀明 酒井 久和
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.45-59, 2007 (Released:2010-08-12)
参考文献数
23
被引用文献数
3 4

京都盆地に点在する文化遺産に対する防災対策を目的に、花折断層を想定地震とした京都盆地全域の強震動予測を3次元非線形有限要素解析により行った。解析では、絶対応答変位による定式化、共役勾配法、修正Newton-Raphson 法、並列計算を導入し、計算機資源および計算時間を節約した。京都盆地全域の非線形堆積地盤モデルに対して、シナリオ地震における基盤岩での強震動予測波形を多点異入力し、地震動評価を行った。検討の結果、文化遺産の集積密度の大きい東山山麓をはじめ、計測震度7の領域が京都市の第3次被害想定の計測震度分布よりも大きくなり、震源、深部地盤構造、堆積層の不整形性、土の非線形性を同時に考慮することの重要性が示された。
著者
河合 荘景 佐治 斉
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.46-58, 2008

大規模な地震災害直後に被災地において救助・支援活動を行うためには、車両の移動経路を確立することが必要となる。そのためには広域道路情報を早期に迅速に把握することが必要となる。この目的のため、撮影時に災害による影響を受けにくく、広域に渡り早期に情報を得られる航空画像を用いることは有効である。本研究では、地震災害発生後に撮影された航空画像とディジタル地図を用いて、都市部における建物倒壊による道路閉塞領域を抽出する手法を提案する。具体的には、エッジや色情報を用い、道路被害や建物倒壊が発生している場所を抽出し、それらの隣接関係を用いることにより高精度に道路閉塞状況を抽出するものである。提案手法に基づき計算機上にソフトウェアを作成して実際の航空画像を解析し、手法の有効性を示した。
著者
高浜 勉 翠川 三郎
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.42-57, 2009

1978年宮城県沖地震、1995年兵庫県南部地震、2004年新潟県中越地震による鉄道構造物の被害資料を収集・整理し、被害発生地点を震度分布と重ね合わせ、計測震度とメッシュ単位での鉄道構造物の被害率との関係を地形・地盤分類ごとに整理した。さらに被害率の傾向が類似した地形・地盤分類を統合し、震度4~7で適用可能な被害関数を構築した。その結果、鉄道構造物の被害は震度5強程度から生じ始めること、被害率は山地・丘陵や谷底低地などで高いことを確認した。
著者
田子 茂 勅使川原 正臣 太田 勤
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.3_21-3_33, 2012
被引用文献数
1

本論文は、中高層SRC造集合住宅の桁行方向の第2次診断法に基づく建物高さ方向の耐震性能の分布を分析し、強度が低い弱点層に損傷が集中する可能性を示す。特定層への損傷集中に影響する要因として、柱梁耐力比、高さ方向の鉛直部材の強度分布を取り上げ損傷集中との関係を検討する。その結果を踏まえ、中高層SRC造建築物において、特定層への大破あるいは中破以上の大きな被害集中を回避することを目的とし、実務的に使いやすい第2次診断法に柱梁耐力比と高さ方向の鉛直部材の強度分布(第2次診断法の<i>C<sub>TU</sub>·S<sub>D</sub></i>の分布)を考慮した耐震診断法(第2、3次診断法)の選定について提案する。
著者
岩城 麻子 藤原 広行
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.4_1-4_18, 2013

広帯域地震動計算のために実用的に広く用いられるハイブリッド合成法においては、低周波数側と高周波数側の地震動がそれぞれ差分法等による決定論的地震動計算手法と統計的グリーン関数法に代表される半経験的・統計的手法によって別々に計算される。このとき低周波数側と高周波数側でそれぞれ全く独立のデータと手法を用いて合成されることになるため、時刻歴波形の経時特性まで含めて両者の整合性を保つことは困難である。本稿では、周波数帯間の地震動特性の関係に着目し、低周波数地震動が持つ情報を利用して高周波数地震動を合成する手法を提案し、関東地域において適用性を検討した。観測地震記録に基づいて各評価地点における加速度エンベロープの経時特性の周波数帯域間の関係性を抽出し、その特徴を関係式として整理した。求められた経時特性を基となる低周波数地震動に掛け合わせ、適当な位相情報を与えることにより高周波数地震動の合成が可能であることを示した。