著者
本間 美里 松本 健義
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.457-470, 2014-03-20 (Released:2017-06-12)

本研究において,他者やものを介しながら行われる鑑賞学習の中で起きる対話が,個々人の経験・語り・知覚を相互に触発していく学習活動のプロセスを記述考察し,鑑賞の学習過程における対話的活動での学習者間の相互行為のもつ意味を明らかにした。言語的な対話を主な媒介として行われる一斉型の鑑賞活動とは異なり,4,5人一組で作品への気付きを記入したり,相手を変えたりしながら語る鑑賞の活動過程を,作品を媒介にして行う子どもの発話や行為が相互の経験・語り・知覚を触発する実践的関係に着目し,分析記述した。本実践における学習過程の触発性は,他者と作品を媒介にして個々人が相互に連鎖させる経験・語り・知覚が,自他の境界を超えて作品世界と知覚経験世界の差異を現象させ,活動の広がりと深まりを生成することが明らかとなった。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (2 users, 2 posts, 3 favorites)

対話とは「他者を媒介にして、自分自身そのものを捉え直すこと」 つまり、こちら側の気づきや変化がなければ、それは対話ではなく一方的な独話。 これは美術鑑賞授業における学習過程の触発性の文脈の中でも示されているみたい。 https://t.co/BNhcCDjv25
対話による鑑賞授業における学習過程の触発性について https://t.co/aMFO4FWoza 対話による美術鑑賞活動における学習過程の記述分析に関する研究 http://52.197.196.111/dspace/handle/10132/17590

収集済み URL リスト